23年女子アマ覇者・飯島早織が“山場”をクリア 15ヤードの飛距離アップで「余裕をもってプレーできている」
<JLPGA最終プロテスト 初日◇29日◇大洗ゴルフ倶楽部(茨城県)◇6602ヤード・パー72>
2023年の日本女子アマ覇者が“山場”の初日を乗り越えた。2度目のプロテスト挑戦となる19歳の飯島早織は、3バーディ・4ボギーの「73」。首位と3打差の22位タイで滑り出した。20位タイまでの合格ラインまでは1打差というスタートに「いい位置につけられた」と胸をなでおろす。
日本では珍しいシーサイドリンクスの大洗ゴルフ倶楽部は、この日、風速毎秒5.2メートルの風が吹き、難度が上がった。「風がすごく強かったので危険な攻め方とかはしないで守りにいった部分もあった」とスコアをまとめることに集中。風が強く練習ラウンドとは違う番手でグリーンを狙う機会も増えたが、うまく攻めることができた。
初日には苦い思い出がある。「日本女子アマ」優勝の権利で昨年のプロテストも最終から登場。最終日は33位タイから逆転合格を狙ったが、伸ばせず。5打足りない48位タイという結果に大粒の涙を流した。これは初日の2オーバー・74位タイという出遅れが大きく響いたもの。「初日が山場だったのでそういう意味ではけっこう満足」と、大事な1日を乗り切ったことに納得の表情を浮かべる。
昨年は平均飛距離220ヤードで、飛距離よりも正確性を武器に日本一のタイトルを獲得した。しかし、プロとしてツアーで戦うためには、飛距離アップが課題と認識している。昨年のプロテスト時には「テストに受かっても落ちても伸ばす必要がある」と、この1年は課題に取り組んできた。
今年はナショナルチームのメンバーに選ばれ、トレーニングなどにより飛距離は15ヤードほど伸びた。連覇を狙った6月の「日本女子アマ」は「飛距離が伸びた分、距離が合わなくて…ちょっとしたズレが自信につながらなくて」と42位タイに終わったが、修正を重ねて今週に間に合わせてきた。
「飛距離が伸びたことで楽にというか、余裕をもってプレーができている。きょうは林にも入っていないですし、バンカーにも入っていない。思ったとおりの攻め方ができていて、方向の安定性も戻ってきました」
持ち味の正確性に加えて飛距離も伸びてきて昨年より成長した姿を見せる。山場はクリアしたが「毎打毎打、集中です。1回も気を抜けない。あと3日、がんばります」。残り54ホール、気を緩められない。(文・小高拓)
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