今日から使えるライディングテクニック実践講座【最新版 スマテク2.0】6.ワインディング攻略 (3)右コーナー(動画あり)
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イチオシスト:イチオシ編集部 旬ニュース担当
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写真/渡辺 昌彦 取材・文/佐川 健太郎 衣装協力/KUSHITANI
右コーナーはなぜ苦手なのか!?
理由を知って攻略していこう
皆さんは右コーナーと左コーナーを同じように走ることができているでしょうか。自分の周りでは右コーナーが苦手という方が多いようです。でもそれは何故でしょう。ひとつには日本は左側通行であることが影響しているようです。右コーナーは外側のガードレールがすぐ近くに迫って見えたり、対向車が自分のほうに向かってくる感じがしたり。そんな恐怖心から緊張して体が固くなり、走りのリズムが乱れてしまうことも……。
右コーナー対策はまずライン取りから始めましょう。ワインディングも公道なのでリスクを負わないことが第一義。そこでお薦めしているのが「3分の1ミドル」のライン取りです。以前もお伝えしましたが、自分の車線の幅を3等分して、その真ん中のゾーンからはみ出さずに走ること。たとえば車線の幅が3mとして、その真ん中の幅1mのゾーン内で走るのです。特に右コーナーではアウト側に飛び出すプレッシャーからどうしてもセンターラインに寄りがちですが、逆に対向車がはみ出してくることもよくあります。また路肩近くは落葉や砂利で滑りやすくなっていることも多く、そういったリスクをなるべく排除しながら安全マージンの中で走っていくことが大事です。
2つめは目線。目線がおぼつかないとラインも守れません。目線が近いとライン取りも綺麗なカーブを描けずにイン付きが早くなり、ガードレールに目が行くアウト側へと膨らんでいく。大事なのは「遠くから近くへ」と目線を動かすこと。まず遠くを見てコーナーの全体像をつかみ、続いて近くへと目線を手繰り寄せることでラインの修正がしやすくなります。
3つめは「曲がるポイントを決める」こと。ここでバイクを寝かし込むと決めて明確に曲げていく。そういうポイントを自分で設定しましょう。なんとなく走っていると、曲がるキッカケがつかめず大回りしたり、逆にふらふらとセンターラインに近付いてしまったり。ここまでに減速してマシンの向きを変えていく、というポイントを明確化することでコーナリングにもメリハリが出てだいぶ曲がりやすくなるはずです。
曲がるポイントをどこに設定するかはコーナーの曲率や速度によっても変わってきますが、一般的にはコーナーが曲がり込んでいるほど奥に、速度が高いほど手前になります。また、曲がりやすく穏やかなラインを描けるようにコーナー入口では「3分の1ミドル」の範囲内でアウト側から進入するラインを意識すると曲がるキッカケも作りやすく、コーナー後半でのライン取りも楽になります。とにかく無理はせず平常心が保てるペースで正確にコーナーを曲がれる練習を繰り返すことが大事です。詳しくは下記の解説をご覧ください。動画も合わせてチェックしていただくと動きのイメージが分かりやすいと思います。
これを見れば完璧!右コーナーの攻略法!
Point1
「なぜ右コーナーが苦手か!?」
■心理的な要素が大きいかも
右コーナーは左コーナーと比べて視界は広いが、延々と続くカーブはかえって目線やラインを定めにくい。また、アウト側に空間的な余裕がなく、対向車が自分のほうに向かってくるなど心理的なストレスが大きいことも。道路の両端が低くなった、いわゆる「かまぼこ型」の路面形状により逆バンクに見えることも影響しているかも。
Point2
「3分の1ミドル」
■3等分した真ん中のゾーンを走る
バイクは車体を傾けて曲がるため、右コーナーでイン側に寄りすぎるとライダーの上半身はセンターラインを割ってしまい対向車と接触する危険あり。アウト側も砂利や落葉で滑りやい。自分の車線を3等分した真ん中のゾーンから出ないと固く決めて、それを守れるスピードと心の余裕を持って走ることが大事。
Point3
「遠くから近くへ」
■長い右コーナーほど目線が決め手
コーナーのできるだけ奥を最初に見て曲がり方をチェックし、そこから自分が通るべきラインに沿って目線を近づけてくるイメージ。コーナリング中に「遠くから近くへ」の目線ワークを2~3回繰り返すことで、長いカーブが続くコーナーでも狙ったラインに乗せやすく、またラインの修正もしやすい。
Point4
「曲がるポイントを決める」
■前半で曲げると後半が楽になる
ライン取りが難しい右コーナーでは特に「曲がるポイント」を決めることが大事。「ここで曲げるぞ」と明確な意思を持ってキッカケを作るとバイクは強く曲がってくれるもの。「3分の1ミドル」の範囲内でアウト側から進入するラインを意識しつつ、コーナー前半でバイクの向きが変えられればコーナー後半でのライン取りも楽になる。曲がるキッカケ作りについては「コーナリング (3)倒し込みのテクニック」を参照してほしい。
スマテク2.0 講師 プロフィール
記事提供元:バイクブロスニュース
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