縁日とお祭りはまったくの別物!縁日の本当の意味とは?【眠れなくなるほど面白い仏教】
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イチオシスト:イチオシ編集部 旬ニュース担当
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ご利益が何千、何万倍ある超ラッキーデイ
縁日は「有縁の日」の略です。何との「有縁」かといいますと、神仏となのです。すなわち、この日にお参りをすると、その寺社に祀られている神仏と普段より濃い縁を結ぶことができる超ラッキーデイなのです。この信仰がいつどこで始まったのかわかりません。中国の道教では神や仏の誕生日〈*〉が定められており、その日に参詣するとご利益が大きいということがいわれますが、日本の縁日との影響関係は不明です。
しかし、すでに平安時代には毎月18日は観音菩薩の縁日だと知られていたようで、藤原実資の日記『小右記』(10世紀末〜
11世紀頭)には貴族たちが18日に清水寺を参詣したことが記されていますし、『今昔物語集』(12世紀初め)には「今日は十八日、観音のご縁日なり」という文も見られます。
西国三十三カ所観音霊場の信仰が広まるのも同じ頃ですので、縁日の信仰は観音信仰とともに定着したと考えていいでしょう。しかし、縁日が多くの寺社で行なわれ、多くの参詣者を集めるようになるのは江戸時代に入ってからのことです。江戸幕府は宗派間の対立を招くような布教活動を禁じましたので、各地の神社仏閣は祀られている神仏のご利益を宣伝して参詣者を増やそうとしたのです。地蔵菩薩・薬師如来・弘法大師・不動明王・大黒天・天神と縁日をもつ神仏も増えていきました。こうした中で1日の参詣で1000日・万8000日の功徳があるとされる千日詣り(清水寺・愛宕神社など)・四万八千日(浅草寺)といった縁日も現れました。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 仏教』 監修:渋谷申博
記事提供元:ラブすぽ
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