空から日の丸、異国に響いた君が代、仲間からのシャンパンシャワー… 古江彩佳が驚いた“エビアンの祝福”
<アムンディ・エビアン選手権 最終日◇14日◇エビアンリゾートGC(フランス)◇6523ヤード・パー71>
今年のエビアンリゾートの最終ホールを大歓声に包んだのは、日本から来た古江彩佳だった。大勢のギャラリーが詰めかけた最終18番グリーンの脇には、古江の歓喜の瞬間を待ちわびる西村優菜、勝みなみ、西郷真央、山下美夢有の姿があった。
3メートルのウイニングパットが決まると、一目散に古江の元に駆け寄る4人。手には大会が準備したシャンパンが握られている。そして「おめでとう~!」の言葉とともに祝福の“シャンパンシャワー”を浴びせた。
「すごく感動しました。小さいときから一緒にやってきた仲間でもあるので、すごくうれしかったです。上がり4ホールであれだけのゴルフができるのはすごいなと思いました」と話すのは、同学年の西村。ジュニア時代から切磋琢磨していた戦友の姿から刺激を受けた。
勝は「もうめちゃくちゃうれしい! トリハダたった」と思わず手を口にあてる。シャンパンを指さすと「日本(ツアー)ではこういうのは禁止されているので、いつかやりたいな~って思っていた。水もダメなので。次は自分がかけてもらいたいなって思いました!」。表彰式の準備に影響が出ることなどを理由に、日本の女子ツアーは“祝福シャワー”を禁止している。それだけに、勝利へのモチベーションも上がった様子だ。
西郷は自身のホールアウト後もクラブハウスに残り、「ずっと見ていました」と中継を見守っていたという。古江が18番のティショットを打った直後にグリーンに来て、その瞬間を待った。「緊張していて、ずっとドキドキしていました。最後がイーグルで、かっこいいなと思いました」と1学年上の先輩の勇姿に目を輝かせた。
古江はお祝いしてくれた仲間たちに「うれしかったです。出迎えていただけたのはうれしいな」と感謝。その顔は一段と喜びに満ち溢れた。
驚きのシーンはこれだけでは終わらない。表彰式が始まると、会場に日本国家の『君が代』が流れた。そして、その場にいる全員が上空を見上げる。今大会は優勝者の国旗を持ったパラシューターが空から舞い降りる“恒例”の演出があるからだ。日の丸をもったパラシューターはグリーン上に着地。そして古江の背中にそれを羽織らせた。
「国旗を持っていたのがすごくうれしかったです」。念願のメジャー優勝を果たした大舞台で、世界が注目するなか“日の丸”を掲げられたことがうれしい。「(君が代は)歌うのかなって思いました(笑)」。慣れない“国歌斉唱”の雰囲気には戸惑いすら覚えた。
最後にMCが「AYAKA FURUE~」と言うと、また大きな拍手と歓声が響き渡る。古江が好きなラッキーカラーのピンクだらけの会場に、空からの贈り物。エビアンに響いた日本の国歌と、日本勢からの祝福のシャンパンシャワー。このクライマックスシーンは、古江にとってステキな想い出になったに違いない。(文・高木彩音)
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