アシックスの革靴「RUNWALK」はビジネスに使えてスニーカー級の快適さ!
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ストレートチップなどの伝統的な革靴に憧れるけど、履き心地が硬そう……と先入観をお持ちの方にこそお勧めなのが、アシックスのランウォークの革靴。真面目な顔立ちとハイテクスニーカー並みの快適さとのギャップに、ハマること確実!
イチオシスト:飯野 高広
1967年東京生まれ。大学卒業後、某大手メーカーに11年あまり勤務し、2002年に独立。出身がファッション業界でもマスコミ業界でもない、この世界では極めて異色の経歴を持つジャーナリスト。「LAST」「UOMO」「MEN’S CLUB」などで執筆。All About 靴 ガイドを務める。
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いきなり、丸一日履ける!
革靴を履かなくても差し支えない職種の男性の割合が、大分増してきている。中には就職活動以来縁が無いから、たまに履くと日頃のスニーカーとの履き心地の違いに相当な違和感を覚える方も結構いるだろう。
ただし、そんな人でもキチッとした革靴を履く機会は冠婚葬祭以外にだってまだまだある。だとすると求められるのは、顔立ちは従来の物と同様でありながら、軽さや快適性はスニーカー、みたいな一足ではないか? そんな条件を高度に満たしているのが、アシックスの「ランウォーク」の革靴だ。
誰が履いてもサマになるトラディショナルな風貌ながら、アシックスのスポーツシューズから得たノウハウをガッシリ詰め込んでいるのが、何よりも大きな特徴。
「ランウォーク」の履き心地の決定的な差を生み出すのがこの底面。衝撃吸収性やクッション性に優れた最先端の素材は、アシックスのスポーツシューズと同様のものを採用している。従来の硬い履き心地の革靴が苦手な方でも抵抗なく着用できるはず。
例えば底面はアウトソールもインソールも最先端の素材が使われているので、履き心地は軽くてクッション性に富み、文字通りハイテクスニーカー並み。木型も土踏まず部の押さえに無理がなく丁度良い塩梅だからか、長時間履いていても変な違和感を覚えない。
私は写真のものを知人の結婚式の日に履き下ろした。準備だビデオの撮影や何やらで、朝の9時から夜中の1時まで約15時間ほどをずーっと駆けずり回っていたのが、帰宅した際、足に疲労を全く感じなかっただけでなく、この靴が「履き下ろし」だったことをすっかり忘れていた。
このモデルでは真面目な紳士靴の伝統に則り、中敷は先端素材ではなく牛革を使用。ただ、“Runwalk”の都会的なフォント(ちょっと見え難いが)からは、この靴が次の世代のビジネスパーソンに向けたものであることが伝わる。
これほど足なじみに優れた靴は、そうはお目にかかれない。伝統的な底付けで作られた堅牢な革靴、すなわち牛革のソールとアッパー(足を覆う部分)とを2度縫い合わせる「グッドイヤー製法」で作られた革靴を、通常はダントツに好む私がこう言うのだから、どうか信じていただきたい。
駅まで走れる快適性
つま先の形状は極々オーソドックスなもの。革質も3万円台の靴としては頑張っていると思う。ご覧のようにつま先の鏡面磨きも自然に仕上がるので(やろうと思えばもっとできる!)、従来からの革靴好きの方でも十分楽しめる一足では?
ただ、今後是非とも改善していただきたい点が1つだけある。こちらのような最上級グレードには現状足囲が3E(やや甲高幅広の足の持ち主向けのもの)しか存在しないのだ。一つ下のグレードには2E(標準の足囲)のものがあるのだが、以前に比べ足が細く・長くなっている若い世代をターゲットにするのであれば、やはり「一番上」にも2Eのものを望みたいところ。
とはいえ、3Eでも決して間延びしたようなフィット感にはなっていないところが正に、足に関する膨大なデータをもとに設計した「世界トップクラスのスポーツブランドの作」らしいところなのだろう。
ハッキリ言って目先の横断歩道だけでなく、最寄り駅まで余裕で走れる位の快適さ。この性能で税込み3万円台中盤は、十分お買い得だと思う。革靴をあまり履きなれていない方だけでなく、良かれと思いアッパーもソールも明らかに硬い革靴を惰性でかつ無理して履いていた方も、一度この快感を知ってしまうとリピーターになること確実。
アッパーとソールを糸で縫合した伝統的な製法の靴だけでなく、こんなハイパーハイブリッドな一足も、今時の日本男子に是非とも履いてもらいたい。
DATA
アシックス┃RUNWALK WALKING SHOES WR813R (内羽根式ストレートチップ)
生産国:日本 製法:セメンテッド サイズ:24.0~28.0cm/3E カラー:ストーングレー022、ブラウン200、コーヒーブラウン29、ブラック90、レッドブラウン27 アッパー素材:天然皮革 アウター素材:ゴム底 その他:オールソール取替可、ヒールプラグ修理可
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