渋野日向子は一時ピンチも予選通過圏内へ 惜しいパットを悔やむなか「前向き」になれたこと
<アムンディ・エビアン選手権 2日目◇12日◇エビアンリゾートGC(フランス)◇6523ヤード・パー71>
午前中から雨が降ったり止んだりと落ち着かない天候だったが、午後4時23分(日本時間午後9時23分)に雷雨接近のためホーンが鳴り一時中断。そして午後6時9分にはサスペンデットが決定した。午前組だった渋野日向子は、その影響を受けず2バーディ・1ボギー・1ダブルボギーの「71」でホールアウト。トータルイーブンパー・暫定54位タイで終え、2日目終了時点のカットライン上ながら、決勝ラウンド進出は問題なさそうだ。
初日はショットが好調のなか、パッティングに苦しんでいた。「すごくショットはね…集中しないといけないホールも多い。そこは5メートル以内がかなりきょうも多かったかなって」。パーオンは14ホールと、16回だった前日に続きショットは安定している。だが、アンジュレーションが強いグリーンでこの日のピンポジションは段上すぐの位置や、マウンドとマウンドの間など、難しい位置が多かった。
そのなかで、3番で約3メートル、16番で約2.5メートル、18番で約4メートルなど、5メートル以内のチャンスにつけるホールが多く見受けられた。ただ「難しい。コースというか、グリーン上。悲しいのが多い」とこの日も悔しいパットが続き、苦い顔を見せる。「2日間のショット力を考えると、この成績はすごくもったいないなと感じる」。ボールはカップの横スレスレを通ったり、カップの手前で止まるなど惜しいシーンばかり。外した直後は顔を上に向けたり、腰に手をあてて思わずため息をついてしまう姿があった。
しかしコースのなかでも難易度が高い14番パー3で2日間ともバーディを奪った。取材陣に『あの14番で2日間ともバーディはすごいですよ』と言われると、「激ムズですよね。去年とかもピン左に外していたりするし、なんか(その場面が)蘇ってきていたけど、すごく良いショットを打てたので…。そこで打てるならほかでも打てるやろみたいな感じ(笑)」と素直に評価できる。
「あんなに難しいホールで打てるんだから…って思うと、なんか前向きになります」。これまでの苦いイメージを持っていたエビアンの難ホールでスコアを伸ばせたことは、課題ばかりが頭に浮かぶ渋野にとってポジティブになれるプレーとなった。
インからスタートしダボ発進。だが14番、15番で連続バーディを奪取し獲り返す粘りを見せる。しかし後半の4番でボギーを喫し、トータル1オーバーとなっていた。予想カットラインはイーブンパーで、残りの5ホールで最低でも1打減らさないといけない状況だ。
「7番で獲らないといけん」と迎えたパー5ではアクシデントがあり、グリーンに乗せられたのが4打目。2メートルのパーパットが残ったがガッツパーで締めた。すると続く8番でピン横約5メートルにつけてバーディ。「(8番のバーディは)めちゃくちゃ大きかった」。ただ最終9番もチャンスにつけるが2パットのパーフィニッシュ。「やっぱり9番も獲れてないし、もったいないなって感じです」と最後までパッティングに頭を抱えさせられた。
それでも結果は予選通過圏内。「とりあえず第1関門クリアと言いますか、もうちょっと上を目指さなきゃいけないのは、わかっているんですけどね。スタートダッシュが遅かったぶん、なかなか難しいゴルフを強いられるなっていう感じではありますね」。安堵と悔しさが入り混じる。「予選通過できたからにはあしたからもっとバーディをたくさん獲れるように頑張りたい」。最後はらしさ全開の“シブコスマイル”を見せ、その場をあとにした。(文・高木彩音)
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