登場人物の行動原理の源となる「愛」の感情表現の小説やシナリオなどでの描き方とは!?【プロの小説家が教えるクリエイターのための語彙力図鑑】
イチオシスト
小説やシナリオなどの創作活動において、登場人物の感情描写というのは必要不可欠な要素です。感情描写の出来栄えによって、読者の物語への没入感は大きく変わるといっていいでしょう。たとえば、「主人公は泣いた」と表現するよりも、「主人公は無言ではなをすすり上げた」と表現したほうが、情景がイメージしやすく読者の心を揺さぶることができます。
とはいえ、感情を表に出さないことが美徳とされる日本人にとって、感情を言葉にしていく作業はそう簡単なものではありません。日本語には感情に関する語彙がたくさんあるにもかかわらず、誰もが日常的に感情表現が乏しいので、言葉にする機会が極端に少ないからです。ただ、暗記や記憶といった頭にインプットする作業は、勤勉な日本人が得意とするところ。
そこでPART.1では、愛、喜び、怒り、悲しみといった26の感情についてのさまざまな語彙を紹介。また、それらの感情を用いた創作活動をするうえでの大事なポイントも併せて解説します。感情表現が苦手な人、そもそも感情表現を知らない人は、ぜひとも頭に入れておいてください。
愛 [英:Love ]
人やものをたいへん好ましく思う気持ち。特別に抱くかけがえのない感情。
愛の類語好意 情愛 慈しみ 愛着 親愛 熱愛など
愛における体(フィジカル)の反応つい目で追ってしまう
身体的な距離が近くなる
笑顔になれる
うっとり見惚れる
でれでれする
胸が苦しくなる
目尻が下がる
なかなか眠れない
緊張で顔がこわばる
その人、ものに敏感になる
じっとしていられない
駆け足になる
肌と肌が触れ合う
体温が上がる
会いたくなる
触れたいと思う
独占したい
温かい気持ちになる
少しのことでドキドキする
気持ちが癒される
もっともっと知りたい
相手の好きなものを好きになる
尊敬の念を抱く
恋煩う
相手に依存する
切なさを感じる
充実感でいっぱい
感情的になりやすい
何かしてあげたくなる
つねに相手を意識する
無意識のうちに考えてしまう
時を忘れて夢中になる

登場人物の気持ちを表現するうえで「愛」ほど広域な意味を持つ感情語彙はありません。「愛」の対象は、恋人や家族、親友、クラスメートなどなど――はたまた愛車や愛犬、愛校といった人間以外にも「愛」は限りなく広がります。人々のまわりには「愛」=愛でるものが溢れている点に着目しましょう。
むろん物語を創作するうえで「愛」は欠かせません。なぜなら、「愛」は主人公をはじめ登場人物の行動原理の源となるからです。 たとえば、ピンチの恋人を救うため強敵と戦う。これは愛ゆえの勇猛な行為にほかなりません。バスケ部の存亡を懸けて優勝を目指す。これもまた部員やマネージャーや部活への愛が駆り立てるチャレンジです。物語を書く際は、主人公たちの「愛」を印象的に表現するよう心がけましょう。でなければ読者は感情移入できず、話の展開に必然性が生まれないからです。しかし、「愛」をくどく過剰に描きすぎると読者はうんざりします。「愛」はさじ加減が大切なのです。
出典:『プロの小説家が教えるクリエイターのための語彙力図鑑』秀島迅
記事提供元:ラブすぽ
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