日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが『しあわせな選択』をレビュー!
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イチオシスト
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イチオシ編集部 旬ニュース担当
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日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが新作映画をレビューする『高橋ヨシキのニュー・シネマ・インフェルノ』。常識の一線を軽々と越えてゆく"就活サバイバル"に世界が熱狂!* * *
『しあわせな選択』評点:★4.5点(5点満点)
©2025 CJ ENM Co., Ltd., MOHO FILM ALL RIGHTS RESERVED
愉快で真っ黒な一級のエンターテインメント
『しあわせな選択』評点:★4.5点(5点満点)

©2025 CJ ENM Co., Ltd., MOHO FILM ALL RIGHTS RESERVED
愉快で真っ黒な一級のエンターテインメント
奇想天外で不穏で可笑しく「人間」への愛と絶望が詰まったブラック・コメディである。主人公は25年勤めた製紙会社を突然レイオフされた中年のサラリーマン(イ・ビョンホン)。
経済的に追い詰められ、思い出が詰まったマイホームすら手放さざるを得ないかもしれない状況下で彼がとった思いも寄らない「転職活動」とは、自分にとっての潜在的なライバル、すなわち「自分と同じくらいのキャリアと能力を持ち、同じく休職中の製紙会社OB」を「なんとかする」というものだった。
つまり本作は一種の「素人犯罪もの」で、慣れない(というか生まれて初めて手を染める)所業にオタオタする主人公の姿は滑稽だが、そこまで人間を追い詰める社会の構造も問題なら、さらに「一線を越えること」自体が持つ悲劇的かつ喜劇的な風情も相まって、名状しがたい感覚に襲われる。
とくに、いかにも陳腐な歌謡曲がステレオから大音量で流れる中、三人の男女がくんずほぐれつ取っ組み合う場面の悲喜劇感覚はすさまじく、観ている自分が泣いているのか笑っているのか分からなくなるほどだった。
皮肉でパンチの利いた結末も見事な、愉快で真っ黒な一級のエンターテインメント作品である。
STORY:製紙会社を解雇され窮地に陥った会社員のマンスは、再就職のため成長企業に履歴書を持ち込むが拒絶される。自身が最適任だと確信する彼は、ある考えを巡らせる。「ライバルがいなくなれば、仕事は手に入る」......
監督・脚本:パク・チャヌク
出演:イ・ビョンホンほか
上映時間:139分
全国公開中
記事提供元:週プレNEWS
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