盲目のお笑い芸人・濱田祐太郎が『R-1』準決勝のMCで言いたかったけど我慢したボケ
イチオシスト

盲目のお笑い芸人・濱田祐太郎さん
『R-1ぐらんぷり』第16代王者にして、盲目のピン芸人・濱田祐太郎のコラムが週刊プレイボーイで好評連載中! その名も「盲目のお笑い芸人・濱田祐太郎の『死角からの一撃』」。
第15回は、MCを務めた『R-1グランプリ2026』で実は言いたかったこと......。
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皆さん、こんにちは。濱田祐太郎です。今回は目の見えない僕が『R-1グランプリ2026』の準決勝でMCをした話をしますね。
実は『R-1』の準決勝のMCをやるのは今年で3年連続。毎年、はりけ~んずさんと3人でやらせてもらってます。だいたい、新井(義幸)さんが進行役で、僕と前田(登)さんがにぎやかし役です。
2月15日の準決勝当日、僕も冒頭からボケる気満々だったんですけど、オープニングが始まって最初にボケたのは前田さん。「うわー、お客さん満席やわ! 見て、濱田君」と。それに「いやいや。俺、見えてないですから」とツッコんでスタート。
僕も負けてられないので「今年の『R-1』の一番の見どころは、司会を務めるであろう霜降り明星の粗品さんが、決勝でどの審査員と揉めるかですね!」とボケました。
実はこのとき、もうひとつ言いたかったボケがあるんです。それは「せいやさんが小学生の子に『まだ大人になるなよ』って言ったのが話題になりましたけど、相方の粗品さんには『おまえは早く大人になれよ』って言ってたりして」というもの。
ただ、これは説明も長いし、お客さんがどこまでせいやさんが出た番組の話題を知っているのかが不安だったので、その場では省きましたけど、ボケておけばよかったと思っているのでここに書いておきますね。
その後も、ずっとコンビで活動してたけど解散してピンになった芸人がネタをやった後には「いやー、ひとりになって、のびのびネタをやってましたね」とか、フリーアナウンサーの方がネタをやった後には「来年は宮根誠司さんにも出場してほしいですね」なんてコメントを挟みつつ、無事にMCをやり切ることができました。
今回、舞台袖から舞台中央までの移動のサポートははりけ~んずの新井さんにやってもらいました。
前田さんが「濱田君は見えてないからわからんやろうけど、新井君は見た目が怖いから、どこかヤバい場所に連れていかれる途中みたいになってるで」と言われて、「それ聞いたらなんか急に心拍数が上がってきました」と返したり。楽しくやらせてもらえて、おふたりには感謝です。
お客さんもノリが良く、出場者たちのネタはめっちゃウケていて、ライブとしてもすごく盛り上がったと思います。勝ち上がった9人が決勝当日(3月21日)にどんな活躍をしてくれるのか、今からとても楽しみですね。
ちなみに、準決勝が始まる前に、楽屋でお弁当を食べながら、はりけ〜んずさんとしゃべってたら、いつの間にか本番開始10分前になってて、慌ててトイレに行って着替えて、舞台袖に行って、ギリギリ間に合ったっていうのはここだけの秘密。回鍋肉弁当おいしかったなあ。
実は僕はちょこちょこMCの仕事をやらせてもらってるんですけど、中には「目が見えないのにそんなことできるの?」なんて思う人もいるかもしれませんが、これができるんです。
去年も『ABCお笑いグランプリ』という大会の準決勝でMCをしたんですけど、そのときはテレビ局の女性アナウンサーさんにサポートしてもらいながら一緒に進行もやりました。
MCはもちろん大変で重要な仕事です。それでも周りにサポートしてもらいながら工夫すれば、目が見えなくてもそういう仕事だってやることができる。それを証明できていることが何よりもうれしいですね。
●濱田祐太郎(はまだ・ゆうたろう)
1989年生まれ、兵庫県神戸市出身。2013年より芸人として活動を開始し、『R-1ぐらんぷり2018』(フジテレビ)で優勝。関西の劇場を中心に舞台に立つほか、テレビやラジオなどでも活躍。公式X【@7LnFxg25Wdnv8K5】
撮影/梅田幸太
記事提供元:週プレNEWS
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