高級美味魚の代表『アカムツ(のどぐろ)』の完全養殖に成功!

高級美味魚の代表『アカムツ(のどぐろ)』の完全養殖に成功!">
白身の大トロ「アカムツ(のどぐろ)」 日本の沿岸に生息するアカムツ。大きくても40cm程度の魚ですが、釣りで獲られたものなら1匹2万円を超えることもある超高級魚です。 もともとはさほど知名度が高くなく …
イチオシスト
今や誰もが知るあの「白身の超高級魚」の完全養殖が成功した、というおめでたいニュースが発表されました。一体どんな工夫により成功したのでしょうか。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)


白身の大トロ「アカムツ(のどぐろ)」
日本の沿岸に生息するアカムツ。大きくても40cm程度の魚ですが、釣りで獲られたものなら1匹2万円を超えることもある超高級魚です。
もともとはさほど知名度が高くなく、地域で愛される惣菜魚という扱いでした。しかし、プロテニスプレイヤーの錦織圭選手が、日本人初のテニス全米OP決勝進出という快挙を果たし帰国した際、彼の好物であった「のどぐろ(アカムツの地方名)を食べたい」という発言をした結果この魚の知名度がぐんと上がったのです。
のどぐろことアカムツ(提供:PhotoAC)
アカムツはしばしば「白身のトロ」と呼ばれるほど脂乗りが良く、柔らかい身と相まって口の中でとろけるような質感があり、大変美味な魚です。結果として今では誰もが知る、押しも押されぬ高級魚となりました。
なぜ高級か
かつては高級魚と聞くと多くの人が「マグロの大トロ」「タイ」「ヒラメ」と答えたでしょうが、最近はどうでしょうか。これらの魚たちがいずれも養殖が可能となり、スーパーの鮮魚コーナーでしばしば見かけるようになっているなか、高級魚というイメージは薄れているかもしれません。
アカムツの炙り寿司(提供:PhotoAC)
一方で、のどぐろことアカムツは価格が高止まりしたままで、安くなる気配はありません。これはアカムツが養殖ができず天然資源しかないこと、そして彼らがやや深い海に生息し、漁獲が容易でなく資源量も多くないことが大きな理由です。
それに加えて身が柔らかいため、底引き網などで獲られたものは身質が劣ってしまうという点も無視できません。刺身や寿司ネタで食べられるものは必然的に釣りものとなり、よりレア度が上がってしまうのです。
完全養殖に成功、今後の展望は
しかしそんなアカムツが、今後手に入れやすくなるかもしれません。というのも「完全養殖に成功した」というニュースが飛び込んできたからです。
実現したのはマグロの完全養殖など様々な魚の養殖技術を実現させている、近畿大学の水産研究所です。当研究所は2025年に、富山湾で漁獲されたアカムツから採った卵を孵化させて成体まで育て、そこから得た卵を再び孵化させる「完全養殖」に成功。その後も飼育を続け、孵化した仔魚は2月時点で100日以上生存しているといいます。
アカムツの幼魚(提供:PhotoAC)
深海魚であるアカムツは成長が遅く、乱獲などによる資源の減少が懸念されてきましたが、完全養殖によって孵化させた仔魚を放流することでこの解決が期待されます。今後もしかすると、安価な回転寿司でも釣り物の絶品アカムツを楽しめるようになるかもしれません。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>
記事提供元:TSURINEWS
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