【独裁クイーン】高市首相"やりたい放題"スケジュール2026~2028
イチオシスト

衆院選での〝自民党大勝〟という結果を受け、満足げな高市首相
先の衆院選で歴史的大勝を収めたことで、永田町を制圧した高市早苗首相。2028年の参院選まで国政選挙がないということもあって、今後は彼女の政策案が相当国会を通りやすい状況になった。
では、その具体的な中身とは? "自民党の女王"が押し通す政策の数々を、国会で審議される時期も含めて徹底検証した!
【誰も逆らえない】高市早苗首相率いる自民党が大勝を収めた、先の衆議院選挙。自民単独で過半数どころか、当選ラッシュで比例候補が足りなくなり、他党に譲った14議席分を加えれば、実に330議席分を集票したという歴史的勝利だった。
その勝ちっぷりを、ある自民党関係者はこう表現する。
「無派閥の高市さんは党内で長らく、『おひとりさま』と呼ばれてきた。ただ、この大勝でこれからはそんな無礼な呼び方をする人はいなくなるでしょう。もう誰も逆らえない。高市1強時代の幕明けと受け止めています」
ジャーナリストの鈴木哲夫氏もこううなる。
「今回の大勝で、落選中だったいわゆる裏金議員や旧統一教会とのつながりが深かった議員が大量に復活当選した。それ以外にもこれまで小選挙区で野党に勝てなかったのに、高市旋風に乗って初当選を果たした議員もいる。
党内基盤の弱さを指摘されてきた高市首相ですが、こうした議員らを中心に、『高市派』のようなグループが出来上がるのではないでしょうか。その求心力の強さを考えれば、党内の一部にあったアンチ高市的な批判の声も、しばらくは静かになるかもしれません」
確かにこれからの高市首相は〝やりたい放題〟に見える。
何しろ、自民が単独で衆院定数(現在は465議席)の3分の2を超えたのは結党以来、初めてのこと。選挙にめっぽう強い宰相だった小泉純一郎元首相や安倍晋三元首相も、自ら仕掛けた解散・総選挙で300の大台を突破する議席を得ることはなかった。
3分の2の議席があれば、憲法改正案を発議できる。参議院で否決された法案も衆院で再議決できる。自民党にそんなスーパーパワーをもたらした高市首相はまさに無双だ。
すでにその兆候は選挙中から見え隠れしていたと、前出の自民党関係者は言う。
「キングメーカーとして高市政権を生んだ麻生太郎副総裁に、高市さんは頭が上がらなかった。ところが、高市首相は麻生さんのライバルである武田良太元総務相(福岡11区、今回の衆院選で当選)の応援にわざわざ福岡県まで駆けつけたんです。
これには麻生さんはかなりカチンときたはず。それでも涼しい顔で武田候補を応援する高市さんの姿に、党内から『以前ほど麻生さんの顔色を気にしなくなっているのでは?』と、驚きの声が漏れたほどでした」
次の国政選挙はおそらく2年半後の参議院選挙。それだけの時間があれば、自民党内を高市カラー一色に染めることも可能だろう。
【武器産業への投資が加速する?】では、大きな政治的パワーを手にした高市首相は今後、どんな政策を打ち出してくるのだろうか。
首相は選挙期間中、「国論を二分するような大胆な政策、改革に挑戦したい」とぶち上げるだけで、個別具体的な政策にまで踏み込んで発言することはなかった。当然、国民からすれば、どんな政策をどのような手順、スケジュールで実現させようとしているのか、気になっているはずだ。
そのヒントとなるのが、衆院選の大勝から一夜明けた2月9日の首相会見だ。高市首相は
「国民から政策転換をなんとしてもやり抜けと、力強く背中を押していただいた」と力説し、今後取り組むべき主要な政策として①責任ある積極財政をベースとした予算編成、②安全保障政策の抜本的強化、③インテリジェンス機能の強化、④憲法改正、の4点を挙げている。
となると、この通常国会で高市首相がまず取り組むのは①の予算編成、それも歴代政権の予算を上回るような大型予算作りだろう。
その中でも目玉となるのが大胆な危機管理投資による強い日本経済の構築だ。高市政権では昨年末の補正予算作りを通じ、AI・半導体、造船、量子、バイオ、航空・宇宙、核融合など、17の戦略分野別に成長プランを練っているとされる。
衆院で3分の2の議席を与えられた今、そのプランを粛々と法案化し、議会に上程さえすれば、数の力で自動成立するというわけだ。
経済産業省の元官僚、古賀茂明氏がこう説明する。
「この17の重点分野に、これまで歴代政権が採用しませんでしたが、高市政権になって初めて導入されたものがひとつだけあるんです。それは防衛産業です。狙いは危機管理という名目の下に武器産業を育成すること。
それを日本の成長戦略の目玉にしようというのだから穏やかではありません。そうなれば、各地に兵器産業の城下町が生まれ、日本は武器輸出産業国家になる可能性もあります」
そのプロセスで防衛装備移転三原則にある「5類型」の制限が今年前半にも撤廃されるはずだ。現在、日本の防衛装備品は救難、輸送、警戒、監視、掃海の「5類型」の用途に限り、輸出できることになっている。「その足かせを外し、人を殺傷する武器などを堂々と輸出できるようにする」(古賀氏)というのだ。
ただし、こうした武器産業への積極投資はいきなりアクセル全開ということにはならないかもしれない。市場がその牽制役になる可能性があるからだ。
「市場は高市政権が衆院で3分の2の大勢力だからといって忖度はしてくれません。日本の財政リスクが高まれば、遠慮なく円売りなどの行動に出てくる。そうなれば、輸入コストの増加で物価高になり、国民の生活はより苦しくなる。
そんな中で高市首相がいくら、武器産業への投資を含む積極財政をやりたいと思っても、マーケットが許容する『ほどほど』の範囲内でしかやれないんです」
【〝防衛費増税〟に踏み切りそう】ただし、高市首相がこだわる保守色の強い政策は、市場という牽制役がいる積極財政策と違って、チェック役となるべき野党が壊滅状態。国会にこれといったブレーキ役は見当たらない。前出の自民党関係者が言う。
「インテリジェンス機能の強化策として首相が力を入れる国家情報局(日本版CIA)の設置法は今国会中の成立が見込まれています。そのほかにもスパイ防止法、国旗損壊罪、旧姓使用の合法化など、高市カラーの強い保守的な法案が今国会で仕上がる可能性は高い。
スパイ防止法にしろ、国旗損壊罪にしろ、国会に上程されては廃案を繰り返してきた、いわくつきの法案ですが、高市政権ならスムーズに仕上げることができると期待しています」
安全保障関連の政策も動き出すことになりそうだ。
「まずは安保3文書の改訂。この3月にも有識者会議で議論し、年末までには改訂の運びとなりそうです。その中で米トランプ政権が要求している防衛費の対GDP(国内総生産)比3.5%という目標値も浮上するはずです。3月19日に予定されているトランプ・高市会談でその筋道が示されることになるのではないでしょうか」
非核三原則の見直しも進みそう。
「核兵器を〝持たず、作らず、持ち込ませず〟の三原則のうち、〝持ち込ませず〟の見直しが進みます。これにより、米軍は日本国内に核兵器を持ち込めるようになる。その先に待つのはアメリカとの核共用です。
1967年に表明された非核三原則は当時の佐藤栄作政権によって〝国是〟とされましたが、国会が決議しただけで法律になっているわけではない。衆院で大勢力を誇る今の高市自民ならその見直しはそれほどハードルの高いものではありません」
注目すべきは、安保3文書の改訂に伴い、減税を売りにしてきた高市政権が消費増税へと踏み出す可能性があるということだ。
「今年度予算案として計上されている防衛費は9兆円。それを対GDP比3.5%にするためにはさらに12兆~13兆円の財源が必要となる。これまで政府は防衛費の対GDP比2%を達成するため、たばこ税、法人税、所得税のアップ、さらには震災復興税の一部まで投入して財源確保に躍起となった。
そこに、さらに10兆円超の財源なんて、消費増税でもしない限りひねり出すことは難しい。安保3文書の改訂を決定する今年12月には財源確保の手段として、いろいろな形の増税がセットで浮上してくると予想しています」(前出・鈴木氏)
一方で、憲法改正はまだ時間がかかりそう。
「憲法改正の発議には衆参の3分の2以上の同意が必要です。ただ、参院の与党勢力は連立パートナーの維新を合わせても120議席と、3分の2(166議席)には程遠い。そのため、発議は2年半後の参院選で勝利した後のことになるでしょう。
ただ、今回の大勝で50人の議員からなる衆院の憲法審査会の構成が自民多数に変わった。
これまで野党の抵抗で遅々として進まなかった憲法審査会が自民主導となることで、遅くとも28年夏の参院選までには9条2項に自衛隊の存在を明記するなどの衆院改正案を国民に示すことはできると予測しています」(前出・自民党関係者)
【食料品の消費税ゼロは本当にやるのか?】さまざまな高市首相の政策メニューの中には、「やっぱり、やらない」となるのでは?と疑われるものもある。
それが食料品の消費税ゼロの公約。高市首相が「私の悲願」という表現で、「食料品にかかる消費税を2年間0%にする」と切り出したのは衆院解散を表明した1月19日の会見でのこと。
ところが、その後の16日間の選挙期間中、高市首相はこの公約を封印し、演説や公開討論の場でただの一度も触れることはなかった。こうした態度に、前出の鈴木氏は「高市自民は本当にやるのか?」と疑問を投げかける。
「高市さんははっきり『絶対やる』と断言してはいません。まずは野党も参加する国民会議を設置する。そして、そこで実現に向けて検討し、早ければこの夏にも中間取りまとめを行ないたいと言っているだけです。
それだと、野党と合意できなかったなどと言い訳ができるが、ここまできてやらなければ有権者の失望につながる」
高市自民は衆院で3分の2の多数を持っている。だったら、自民だけで法案を通し、公約を実行すればいいだけのこと。国民会議で合意形成をする必要などないはずだ。
「党税調のインナーと呼ばれる実力議員の大半は消費減税には反対しています。総裁選で高市首相の推薦人になった松島みどり総理補佐官ですら、『やるかどうか、わからない』とお茶を濁している。
高市首相も最後は公約をスルーするというのが、自民内の共通した受け止めです」(前出・自民党関係者)
さて、最後に今回の衆院選でズタボロになった野党についても触れておきたい。
中道改革連合(以下、中道)は新代表を選出して分裂を回避し、組織を維持する動きを見せているものの、しょせんは衆院勢力49人の小党。単独で内閣不信任案(51人以上の賛同が必要)を出すこともできない。
「今回の衆院選で落選した旧立憲民主党の議員を中心に、中道への不満が渦巻いている。場合によっては中道から離脱して国民民主党と合流したり、中道よりもリベラル寄りの左派新党をつくろうとしたりしてもおかしくない。
自民は300議席以上の巨大な固まりになって強くなっているのに、野党は内輪でミニ政界再編をして体力をいたずらにすり減らしている。どうにもなりません」(今回の衆院選で落選した旧立憲議員の秘書)
高市自民の大勝を受け、日経平均株価は一挙に3000円も上昇し、史上最高値ゾーンとなる5万7000円台へと高騰した。その一方で円は一時157円台へと下落し、長期金利も上昇へと転じた。高市政権の財政拡大を期待し、市場が円売り・ドル買いの高市トレードを加速させたためだ。
ただ、財源を欠いたままの財政拡張はインフレや物価高騰を招く。やりたい放題の高市政権の施策には成長実現という天国モードと、日本の破綻という地獄モードが背中合わせになって潜んでいる。
高市自民の歴史的大勝は日本にとって吉なのか、凶なのか――? 高市政権の真価が問われるのはこれからだ。
写真/共同通信社
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