冨田有紀アナ 培った現場力で現地キャスターに挑む!「ミラノ・コルティナオリンピック™」取材秘話
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イチオシスト
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イチオシ編集部 旬ニュース担当
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テレビ東京・週末の顔として「ウイニング競馬」(毎週土曜午後3時/BSテレ東毎週水曜午後2時30分)などで活躍する冨田有紀アナウンサー。
2021年に入社以来、バラエティーや子ども番組など多岐にわたるジャンルを経験してきた冨田アナが、「ミラノ・コルティナオリンピック™」で、自身にとって最大の挑戦となる現地キャスターに挑戦する。
華やかな舞台の裏側で、どのように競技と向き合ってきたのか――。現地入り直前の心境を余すことなく語ってもらった。
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オリンピックの取材に関しては、いつも以上に泥くさくありたい
――オリンピックの現地キャスターに決まった時のご感想からお聞かせください。
「アナウンサーを志した時から、スポーツキャスターとしてオリンピックの現場に立つことは、私にとって大きな夢でした。入社してからは、バラエティーや競馬中継、子ども番組など、さまざまなジャンルを担当させていただきましたが、常に頭の片隅にはオリンピックという場所がありました。キャスターに決まった時は、言葉にならないほどうれしかったです」
――入社時に行った「テレ東プラス」のインタビューでも、そう語っていましたよね。見事に夢をかなえました。
「ただ、喜びと同時に、大きな不安も押し寄せてきました。不安のほうが勝っていたかもしれません。というのも、私はここ数年、競馬中心の生活を過ごしてきました。いわゆるスポーツキャスターとして、あらゆる競技を取り扱う番組の経験がなかったからです。
経験がないからできないとは言えませんし、その時点での自分の実力と、求められる役割のギャップが大きいことはよく分かっていました。もちろん今もその不安はあります。選手のみなさんのオリンピックにかける気持ちに触れるほど、自分の知識の浅さやみなさんの魅力を的確に言い表せているのかなど、もどかしさを感じずにはいられません。ただ、この1年“言い訳はできない、自分でできることを探して動くしかない”と心に決めて、今日まで必死に走り続けてきました」
――がむしゃらな毎日だったと。具体的にはどのような準備をされたのでしょう。
「昔から年末年始は家族でスキー旅行に行くのが恒例だったので、冬の競技は大好きでした。でも“ファンとしての好き”と“キャスターとして伝える”ことは全く別物です。最初は勉強の仕方すら分かりませんでした。
ルールから覚えるべきか、選手の物語から入るべきか、試行錯誤の連続。今もなお何が正解なんだろうと考えます。実際に試合を見に行きたくても、レギュラー番組のスケジュール調整が難しく、限られた時間の中でどう動くか……必死でした。
取材先は自分でも積極的に探しましたが、1人で取材へ行って困っていると、そこで出会った記者のみなさんが助けてくださることも多く、交流を持つことで自分の中での知識も深まりました」
――そんな中、アイスホッケーの練習場などにも足を運ばれたそうですね。
「考えた末、やはり最初は“自分で動いて現場に行くこと”から始めました。競馬やバラエティーの現場にいると、他競技の選手や関係者の方と接点を持つ機会は多くありません。
そこで、母校にアイスホッケー部があったことを思い出し、すぐに大学の先輩に連絡を取りました。『詳しい人に教えてもらいながら生観戦するほうが良いのでは』というアドバイスをいただき、練習場に通いました。競技の面白さや戦術の奥深さ、そして何より氷上の熱量をみっちり叩き込んでいただきました。目から伝わる迫力はもちろん、凛とした空気の中に響くパックを巡るスティックの音など、耳から伝わる情報にも一層魅力を感じました。
現地でインプットしたことは、机の上で勉強するよりも遥かに深く、体に染み込んでいる気がします」

――競馬ファンの方々も、冨田アナの新しい一面に期待していると思います。
「期待に応えられるように頑張りたいです。バラエティーや競馬中継では、必要な情報は押さえつつも、みなさんと一緒に楽しさというものを共有する役割が多いです。オリンピックの取材に関しては、いつも以上に泥くさくありたいと思っています。
放送では見えない準備の部分、例えば、会いに行き、直接お話を伺うなどですね。
できることは全てやり切りたい。主役である選手のみなさんの魅力や歩んできた歴史、選手を支える方々の思い……。とくに歩んできた道のりについて、ご覧いただいているみなさんに限られた時間の中で余すことなく伝える、その役割を全うすることだけを考えています」
――今回、テレビ東京で放送する競技について、見どころをお聞かせください。
・アイスホッケー女子予選第3戦「日本VSイタリア」 2月9日(月)夜6時50分
「世代交代を経て、“新生スマイルジャパン”として大きな舞台へと走り出しました。その中で、一度は引退を考えながらも“スマイルジャパンの歴史をつなぐのが自分の役目”と翻意した小池詩織キャプテンの覚悟……。飯塚祐司監督に直接取材した際『小池選手をキャプテンにして正解だった』とお話しされていました。
人生の4年間をチームのために捧げる、その覚悟の強さは氷上でのプレーはもちろんチームメートへの眼差しから伝わってきます。
さらに注目していただきたいのが、攻守の要となる志賀葵・志賀紅音選手。2人は『北京オリンピック』にも出場していますが、その時に世界との差を感じ、さらなる高みを求めてスウェーデンへと渡りました。姉妹ならではのコンビネーションにも注目しながら観戦していただきたいです」
・スノーボード 男子ハーフパイプ予選 2月11日(水)深夜3時
「平野歩夢選手が小さい頃から憧れていたのが、冬季五輪・男子ハーフパイプで3度の金メダルを獲得し、2022年の『北京オリンピック』を最後に引退したショーン・ホワイト選手。北京でホワイト選手は惜しくも4位に終わり、平野選手が金メダルを獲得しました。約3週間前にけがを負った平野選手ですが、その試練を乗り越え、ホワイト選手しか成し遂げられなかった“金メダル連覇”を達成することができるのでしょうか。また新たな歴史が始まること、とても楽しみです。
そして、私が取材した中で印象に残っているのが、戸塚優斗選手に単独インタビューです。超人的なトリックを決める戸塚選手の姿は、まるで別世界の人のようですが、実は大切な愛犬の写真が入ったネックレスを握りしめてから滑り出すそうです。過去の大会では完全燃焼できなかったと語る戸塚選手が、今回どんな物語を見せてくれるのか――注目してください」
・フィギュアスケート エキシビション 2月21日(土)深夜3時30分
「フィギュアは、今回最も多く取材に行かせていただいた競技です。特に坂本花織選手は、このオリンピックを集大成としており、今シーズン限りでの現役引退を表明しています。先日も、神戸で行われた練習の様子を取材させていただきました。
スケートを始めてからここまで約20年二人三脚で歩んできたコーチとの強固な絆、画面を通してきっと強く伝わると思います。
日本女子初となる3大会連続出場という重圧。すべての感情をぶつける最後のエキシビションではどんな演技を届けてくれるのか、ぜひ目に焼き付けていただきたいです。
また鍵山優真選手は、ピアニスト・角野隼斗さんにエキシビションプログラム曲の作曲を依頼。そのコラボレーションが見どころですし、会場を巻き込む盛大なパフォーマンスに期待したいです」
・カーリング女子予選第4戦「日本VSアメリカ」 2月14日(土)深夜2時35分
「『フォルティウス』のみなさんが日本代表として出場します。私は壮行会で吉村紗也香選手にお話を伺いましたが、学生時代から挑戦し続け、結婚、出産を経て、ついにオリンピックの舞台に立ちます。5度目の挑戦で掴んだ夢舞台です。
冬の競技は、資金繰りを含めて選手たち自身が行う場合もあるそうで、『フォルティウス』のみなさんも、スポンサーゼロを経験されるなど、まず自分たちの手で競技に取り組む場所をつくり出すことも経験された方々です。何年もかけて手繰り寄せたオリンピック……ゼロではなくさらにその手前から努力し続けたみなさんの夢が叶う瞬間、氷上でどう表現されるのか楽しみです」
知識ゼロだった私に、関係者のみなさんが真摯に向き合ってくださいました
――少しお話を変えて。もうすぐ「ウイニング競馬」を担当して4年目に入ります。冨田アナにとって、番組はどのような存在ですか。
「生活の一部になっています。勉強や準備も楽しいと感じますし、先日もJRA賞の授賞式を取材させていただきましたが、関係者の方から『上手くなったね』と声をかけていただけたことが本当にうれしくて。
知識ゼロだった私に、関係者のみなさんがどこまでも真摯に向き合ってくださり、その積み重ねがあったからこそ、今ようやく、取材者として少しずつ実を結び始めたのかなと感じています。
また2年前、初の海外出張先のサウジアラビアでレースを観戦したフォーエバーヤングが海外のレースを勝ち、年度代表馬にも選ばれる……そんなドラマチックな巡り合わせに立ち会えるのもこのお仕事の醍醐味です」
また出国直前、番組スタッフのみなさんや関係者のみなさんにお会いした際、『オリンピックの取材、頑張ってね。日本から応援しているよ!』とエールをいただきました。どうしても緊張や不安に飲み込まれそうになると思います。そんな時は応援と『ウイニング競馬』で培われたアナウンサーとして大切なことを力に、臆することなく取り組みたいです」

――4月からは入社6年目に入ります。今後の目標は?
「年次を重ねるほど、先輩方の偉大さを痛いほど感じます。華やかな仕事の裏にはそれを支える準備があります。準備がほとんどだと強く感じます。コツコツと丁寧なお仕事を積み重ねてきた先輩方がいるからこそ、今のアナウンス部があるのだと日々感じます。
スノーブーツ、双眼鏡、レッグウォーマー、イヤーマフラーにルームフレグランス、そして長年取材された競技の大切な手作り資料、先輩方は、ありとあらゆるものを私に託してイタリアへ送り出してくださいました。
今回のオリンピック、テレビ東京のユニット中継ではアナウンサー1人なのですが、何だかすぐ近くに先輩方がいる気がします。
技術的に、私はまだまだ未熟です。だからこそ、後輩には何かを伝えるというよりは“一緒に頑張ろう!”というスタンスでいたいですし、オリンピックの取材でも心がけている“人の3倍積み重ねてやっと人並み”という精神を忘れずにいたい……。そんな泥くさい姿勢を、6年目もその先もずっと貫きたいと思っています」
記事提供元:テレ東プラス
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