本物の医師、看護師、研修医らが、俳優と混じって臓器医療について語り合う 「たしかにあった幻」本編映像
イチオシスト
2026年2月6日より劇場公開される、河瀨直美監督の最新作「たしかにあった幻」から、日本の臓器医療の現状を医師たちが議論し合うディスカッションシーンの、本編映像が公開された。
収められているのは、本物の小児科医や脳外科医などの医師、看護師、研修医らが、俳優と入り混じって、臓器医療の日本の現状や今の病院内の体制をふまえた見解を語り合う場面。「本人役として出演されている関係者の方々の発言はそれぞれのご自身の意見に基づいています。誰が何を言うかのセリフは、台本には大まかに書いていただけで、本番ではそれにとらわれずに話してもらいました」と、河瀨監督はドキュメンタリーのように本人自身の言葉を記録した撮影を振り返っている。
このディスカッションには、河瀨監督が本作を制作する過程の取材で知り合った臓器移植におけるあらゆる分野の関係者が出席していて、その中の誰が口を開くかもわからない状況だった。全員の主張や立場をすべて把握しているのは、それぞれに事前取材をしていた河瀨監督のみ。本番では3台のカメラを同時に回しながら、どのカメラを誰に向けるか、インカムを通して各カメラマンにリアルタイムで指示を出しながら、約3時間に渡って続けられたディスカッションの様子を撮影した。
河瀨監督がどうしても本編に残したかった発言の一つに、「動いている心臓に氷を入れて摘出したときは、何とも言えないものがありました」から始まる現役医師の言葉があった。当人への取材時に直接耳にしたそれはセリフとして脚本にも落とし込まれており、特に「死が終わりじゃないんだって思いました」という一言は、この映画のためになくてはならないものだったと語っている。
「たしかにあった幻」は、小児臓器移植実施施設を舞台に、命のともしびを照らす”愛”の物語。フランスからやってきたレシピエント移植コーディネーターのコリーが、脳死ドナーの家族や臓器提供を待つ少年少女とその家族と関わりながら、命の尊さと向き合う。同時に、突然失踪した恋人の行方を追うコリーの姿を通じて、愛と喪失、希望を描く。「あん」ではハンセン病を抱える女性、「光」では視力を失っていく男性、「朝が来る」では特別養子縁組の夫婦を取り上げ、社会的偏見や喪失の中で、他者との関係性を通して救われる”愛のかたち”を描いてきた河瀨監督が、本作でも命と愛の意味を問いかける。
【作品情報】
たしかにあった幻
2026年2月6日(金)テアトル新宿ほかロードショー
配給:ハピネットファントム・スタジオ
© CINÉFRANCE STUDIOS - KUMIE INC - TARANTULA - VIKTORIA PRODUCTIONS - PIO&CO - PROD LAB - MARIGNAN FILMS – 2025
記事提供元:映画スクエア
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