【寝袋比較】国産シュラフの真打登場!? 新星FUGAKUはモンベル・ナンガ級か…実際使ってみた
イチオシスト
アイキャッチ・記事中画像撮影:筆者
今冬、気になるシュラフを発見

最近、アウトドア系セレクトショップで見かけることが多く気になっていたのが、FUGAKU(フガク)というメーカーのシュラフ。
数年前からアウトドアイベントに出展していたこともあり、このブランドロゴを目にしたことがある方もいるのではないでしょうか。

気になった理由はというと、このFUGAKUが羽毛布団メーカーから誕生したブランドであるという点。
冬も頼れる本格シュラフといえば長らくモンベル・ナンガが定番ですが、ここへきて新たなる実力派シュラフの登場か!? と俄然興味が沸いたんです。
モンベル・ナンガとも比較しつつ、実力をチェック!

というわけで現物をお借りして、実力をフィールドでチェックしてきました。そしてせっかくなので、手持ちのモンベルとナンガのシュラフとも比較検証!
果たして本格国産シュラフの真打となるのか? じっくりチェックしていきます。
FUGAKUってどんなブランド?

商品チェックの前に、FUGAKUというメーカーについてちょっとご紹介。母体となる企業は、山梨県の富士山の麓にある羽毛布団メーカーの「富士新幸」で、創業から110年の歴史をもつ老舗の布団メーカーです。
長年、羽毛の調達から検査・洗浄・吹き込みまですべて自社で行ってきた富士新幸が、110年の歳月をかけて培った羽毛布団製造の技術を活かして立ち上げたアウトドアブランドが「FUGAKU」なのだとか。これは期待が膨らみますね。
高品質ダウンを、羽毛布団メーカーならではの丁寧な技術で封入

ダウンシュラフの品質を左右するのは、言わずもがな使われている羽毛のスペック。
羽毛は産地やFP(フィルパワー)と言われる膨らみ具合を表す数値などの違いがあたたかさに影響を与えますが、その点FUGAKUは高品質ダウン率90%以上、780FPのフランス産ホワイトダックの羽毛を採用しています。
さらに、富士山系の伏流水で丁寧に洗浄することで、寝袋に適した上質なダウンに。飼育地から輸入経路まで明らかな「信頼の羽毛」の証である、厳格な監査と品質試験にも合格しているところもポイントです。
2種類の形状と4つのダウンボリューム

ラインナップは、エントリー向けの封筒型と本格派のマミー型の2タイプ。マミー型には3シーズン用から冬場も使用できる寒冷地対応モデルまで4種類のダウンボリュームがラインナップされています。
キャンプスタイルに合わせて最適なモデルをチョイスできる丁寧な商品展開は、モンベル・ナンガと肩を並べていますね。

このラインナップの中から、筆者所有のモンベルの寝袋(快適使用温度2℃)と、ナンガの寝袋(快適使用温度-3℃)と冬キャンプでの使い心地を比較するため、今回はコンフォート-8℃のマミー型850を借りてみました。
さっそくモンベルと並べてみたところ、厚みが倍近くあり見るからにダウンのボリュームに違いが! これは期待が持てそう……ということで、まずはFUGAKUの特徴からチェックしていきます。
F90 SLEEPING BAG/MUMMY 850gFUGAKU

F90 SLEEPING BAG / MUMMY 850のディテイルに注目

こちらが冬場でも使用可能な850gのダウンを詰め込んだ、F90 SLEEPING BAG / MUMMY 850。形状はオーソドックスなマミー型で、前側と背中側で異なる生地が使われていて切り替えになっているデザインが特徴的。
実際にフィールドで使う前に、隅々まで機能をチェックしてみました。
触ってみると…フッカフカ!まるで布団そのもの

手で触ってみると、いかにもダウンが詰まっていそうなしっかりしたボリュームを感じます。
高品質なダウンでも潰れてしまっては効果が半減してしまうため、ダウンの保温性を最大限に活かす立体キルト構造が採用されていて安心です。

ファスナーと肩口からの冷気の侵入をシャットアウトする、ドラフトチューブ・ショルダーアーマーも標準装備。寒さ対策もバッチリです。
ファスナーは噛み込み防止&蓄光タイプで気が利いてる!

頭まですっぽり包まれることで熱を逃がしにくくするのが特徴のマミー型寝袋にとって、顔周りをすぼめることができるドローコードはマスト。これもしっかり装備されています。

サイドのファスナーは裏側にもツマミがあるタイプで、中に入った状態での操作性が高く、スライダーは蓄光タイプで暗いところでの視認性も良好!
夜のテント内でも取り扱いやすいように……など、キャンパー向けの実用面もしっかり考慮されている印象です。
ダウンの保温性を下げない撥水加工も

表地にはしっかり撥水加工が施され、テントに付いた結露が垂れたりしても心配無用。濡れると保温性が下がってしまうダウンにとってはありがたい機能です。
地味だけど欠かせないのが、足元から開放できるダブルファスナー。閉め切っていると暑くて寝苦しくなることがありますが、足元を開けることでほどよく通気できて、快適に眠ることができます。

……と、ここまでですでにFUGAKUのマミー型寝袋は、本格派に備わっていて欲しい機能をしっかり網羅したハイスペックな寝袋という印象。では、実際フィールドで使ってみるとどうでしょうか? さっそく冬キャンプへ繰り出してきました。
12月上旬に予報最低気温-2℃でキャンプをしたときはナンガの550の寝袋では心許なく、ナンガとモンベルを重ねて使うことで寒さを凌いだのですが、今回はどうなるか……!?
冬キャンプで実際に使ってみた

天気予報によると、この日の予想最低気温は-3℃。前回のキャンプとほぼ同条件で、検証にはもってこいの環境です(つまり、しっかり寒い)。
FUGAKUの「F90 SLEEPING BAG / MUMMY 850」はコンフォート-8℃まで対応しているので充分すぎる印象ではありますが、なんせ筆者は寒がり。寝袋のスペック通りだと大体物足りず寒さを感じるため、オーバースペックぐらいの方が安心です。
結論:850で暖かく眠れた!重ね使いの必要もナシ

結論としては、850で寒さを感じることなく、無事に朝を迎えることができました。キャンプで寒くて眠れない夜を過ごすのは最悪の気分ですからね。
フカフカのダウンに包まれて、暖かさに加えて寝心地もかなり快適でした。

夜明け前の最も冷え込む時間に若干肩口に冷気を感じましたが、ショルダーウォーマーと顔周りのドローコードを両方ともきっちり締めることで、事なきを得ました。
ただ今回は無事に乗り切れましたが、あくまで-3℃レベルでの話。雪中など本格的な冬キャンプに備えるならば、もうワンランク上の1050があった方が間違いなさそうです。
ナンガ、モンベルの寝袋と比べてどう?

では、ここからは比較検証スタート。スペックは異なりますが、ちょうど筆者はモンベルとナンガの寝袋も持っているので、機能や使い心地を比較してみました。
ちなみにモンベルは「ダウンハガー 650 #2」、ナンガは25周年アニバーサリーモデルの「オーロラ550」です。
寝心地は、身長180cmの筆者でFUGAKUが一番ジャストサイズ

機能的には3ブランドともそこまで大差はありませんが、入ったときの寝心地はそれぞれ違いを感じました。
ちなみにFUGAKUのサイズは長さ200×幅80cm、推奨身長185cmまでとのことで、他ブランドで言うレギュラーサイズ同等。180cmの筆者が入ると、まさにジャストという感じ。
他ブランドはロングやレディースなどサイズ展開がありますが、FUGAKUはワンサイズなので、180cm以上の方には厳しそうです。

モンベルは置いた状態では小さく見えますが、「スーパースパイラルストレッチシステム」という独自の機能により、見た目の割に全体的にゆったりした入り心地。上下による違いもそれほどなく、全体的にチューブ状になっているので、入っている状態で最も自由に動ける感じ。
特に大きな違いを感じたのは、膝周りのゆとり具合。FUGAKUとモンベルはバスケットボールを挟めるぐらい広げられますが、ナンガは膝をあまり広げられず、人によっては窮屈に感じるかもしれません。
さすが羽毛布団メーカー発!フカフカ感1位は圧倒的にFUGAKU

寝袋によっては上下でダウン量を変えているタイプもありますが、FUGAKUの場合は背中側もしっかりダウンが入っている印象。
背中側はダウンが潰れるから効果が薄いという視点もありますが、たっぷりと封入されたダウンに包まれる感じでフカフカした寝心地が気持ちよかったです。

使われているダウンの具体的な種類を見てみると、ナンガはスパニッシュダックやポーリッシュグース、さらにはダウン自体に撥水加工を施したUDDシリーズなど幅広い選択肢が。
モンベルは産地についての記載はありませんが、用途に合わせて800〜1000FPまで高品質なダウンが使用されています。

FUGAKUは先述の通りフランス産ホワイトダックのダウンでFPは780。産地が明確な信頼性の高さが特徴で、品質と価格のバランスに優れたダウンが使われています。

生地については、モンベルもナンガもモデルによってバリエーションが様々ですが、筆者が所有しているモデルの場合だと、3ブランドとも撥水加工は標準機能。ナンガは防水透湿素材を使用してたモデルもあります。
FUGAKUは、前側は薄手のナイロン生地に対し、背中側は厚手の生地を採用しているところが特徴。生地を厚くすることで底冷えする背中側からの冷気を防止する狙いがあり、擦れによる損傷も軽減してくれますね。
収納サイズはモンベルに軍配

収納状態も重要! ということで比較していくと、ナンガはφ21×28cmでモンベルはΦ17×34cm。FUGAKUはφ25×40cmと、メーカー公表値上ではモンベルが一番小さいようです。
FUGAKUは一番大きいわけですが、広げたときの圧倒的なフカフカ感を思えばこの収納サイズは範囲内かなと。好みにもよりますが、個人的には軽いながらも布団さながらの厚みは、冬用シュラフとしてかなり安心感があります。
価格面はナンガと同等といったところか…

モンベルとナンガはバリエーションが非常に多いため、単純な価格比較は難しいですが、今回使用した850のような4シーズン対応と同等の対応温度帯で比較すると、モンベルは高くても7万円台やものによっては5万円を切るものもあり、最もリーズナブル。
ナンガは安いもので7万前後、高グレードのものだと14万前後とかなり高額なモデルも。FUGAKUは850と1050がナンガと近い水準の価格設定になっています。
● F90 SLEEPING BAG / MUMMY:
450g : 62,700円 650g : 72,380円 850g : 82,280円 1050g : 91,960円
● U80 SLEEPING BAG / ENVELOPE:61,600円
価格面ではモンベル優位、ナンガとFUGAKUは同等に感じました。
結論:選び方としては…

各ブランドの特徴をまとめると、軽量で登山向けのものから化繊の低価格ものなど、選択肢の広さで言えばモンベル。
クオリティの高さに加え、アーティストやブランドとのコラボもののラインナップが多数、ファッション性も重視したい人にはナンガ。歴史ある羽毛専門メーカーとしての信頼性で選ぶならFUGAKU、という感じでしょうか。
なんと!羽毛布団を寝袋にしてくれるサービスも

FUGAKUでは、本業の羽毛布団技術を活かして、自宅の羽毛布団を寝袋にリフォームするというサービスも展開しています。

子どもが成長して使わなくなった布団や、使う機会が少なく押し入れに眠ったままになっている客用布団など、捨てるにはもったいないけど、寝袋にリフォームすれば収納サイズも小さくなり、いざというときにも活用できて効率的!
具体的なリフォーム行程やオーダー方法については、公式ホームページをチェックしてみてくださいね。
FUGAKU、キャンプ用本格派寝袋に仲間入りの予感!

上質な羽毛管理技術に裏打ちされた、FUGAKUの寝袋シリーズ。羽毛の品質に加えて、寝袋としてあったら嬉しい機能もしっかり備えた、先駆者のナンガやモンベルと比べても遜色ない本格派の寝袋でした。
他ブランドは登山など色々なシチュエーションに対応できるバリエーションが充実していますが、キャンプ用に限って言えば、充分に選択肢として考えられるスペックを備えています。
関東圏のキャンパーにはお馴染みの河口湖インターから20分のところにショールームがあるので、実物を見たい方はぜひキャンプのついでに訪れてみてください!
FUGAKU(フガク)ショールーム
〒401-0501
山梨県南都留郡山中湖村山中225-1
「りす村別荘」向かいの駐車場
10:00~12:00/13:00~17:00
※水曜定休
公式ホームページはこちら
F90 SLEEPING BAG/MUMMY 850gFUGAKU

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記事提供元:CAMP HACK
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