リチャード・リンクレイターが「勝手にしやがれ」の制作過程を映画化した「ヌーヴェルヴァーグ」
イチオシスト
20世紀半ばのフランスで若い映画作家たちが起こした新たなる潮流“ヌーヴェルヴァーグ”。その先駆けにして代表作というべきジャン=リュック・ゴダール作品「勝手にしやがれ」の制作過程を、リチャード・リンクレイター監督(「6才のボクが、大人になるまで。」「ビフォア」シリーズ)が映画化した「ヌーヴェルヴァーグ」が、7月より全国公開される。写真と海外版予告編が到着した。

この企画を10年以上前から温めていたというリンクレイターが、「勝手にしやがれ」に倣ったアカデミー比率(1:1.37)のモノクロ映像により、全編ほぼフランス語で撮り上げた本作。「観客に“1959年の若者たちと一緒に映画を作っている感覚”を味わわせるためには既視感のないキャスティングが不可欠だった」というリンクレイターの意向により、当時29歳のゴダール役には写真家やモデルとして活動していたギヨーム・マルベック、ジャン=ポール・ベルモンド役にはオーブリー・デュラン、撮影監督ラウル・クタール役にはマチュー・パンシナといったほぼ無名の俳優が起用された。例外として、ジーン・セバーグ役はリンクレイター作品「エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に」に出演した有名俳優のゾーイ・ドゥイッチが務めている。
これらのキャラクター以外に、フランソワ・トリュフォー、クロード・シャブロル、シュザンヌ・シフマン、ジャック・リヴェット、エリック・ロメールといったおなじみの映画人たちも登場(やはり無名俳優が演じる)。プロデューサーにはゴダールと親交を持ち、「ゴダールのリア王」に出演したミシェル・アルベルシュタット(ミシェル・ペタン)が名を連ねる。

作品は2025年カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、2026年ゴールデン・グローブ賞では作品賞(ミュージカル/コメディ部門)にノミネート。ヌーヴェルヴァーグと並走した映画雑誌カイエ・デュ・シネマは、2025年作品のトップ10で8位に選出している。なおリンクレイターは本作についてこう述べている。
「これは『勝手にしやがれ』のリメイクではない。1959年にカメラを持って飛び込み、時代、人々、空気を再現したい。ヌーヴェルヴァーグの連中と一緒に過ごしたい。映画が作れると信じさせてくれた人々、『映画を作るべきだ』と確信させてくれた人々へのラブレターだ」
「ヌーヴェルヴァーグ」
監督:リチャード・リンクレイター
プロデューサー:ミシェル&ローラン・ペタン
脚本:ホリー・ジェント、ヴィンス・パルモ
出演:ギヨーム・マルベック、ゾーイ・ドゥイッチ、オーブリー・デュラン
協賛:Chanel
2025/フランス/106分/仏語・英語/5.1ch/1:1.37/モノクロ
原題:Nouvelle Vague 日本語字幕:井村千瑞
配給:AMGエンタテインメント
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記事提供元:キネマ旬報WEB
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