ツーリングで横並び走行は違反?バイク乗りが知っておくべき道路交通法の境界線

イチオシスト

バイクでツーリングをしていると、仲間と横に並んで走りたくなる場面もあるかもしれません。
では、このような並列走行は道路交通法上どのように扱われるのでしょうか。
並列走行はケースによって違反と判断される

仲間との距離が近いほどツーリングは楽しく感じられるものです。
ときには横に並んで走り、会話を交わしたり、同じ景色を共有したくなる場面もあるでしょう。
しかし、こうした並んで走る行為は、場合によっては交通違反になってしまいます。
道路交通法第68条は「二人以上の自動車又は原動機付自転車の運転者は、道路において二台以上の自動車又は原動機付自転車を連ねて通行させ、又は並進させる場合において、共同して、著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる行為をしてはならない」と規定しています。
つまり、並んで走ること自体が即座に違反と判断されるわけではありませんが、他の交通の迷惑となったり、著しく他人に迷惑を及ぼす形での並列走行を禁止しています。
これは、車線幅に余裕がない場面や、交通量が多く周囲の車両の動きを妨げる状況では、迷惑行為として扱われる可能性があることを示しています。
さらに、バイクの並列走行はバイク同士の接触などの危険もあります。
これらを踏まえると、同一車線内で横に広がって走る行為は、交通状況などによって道路交通法に抵触するおそれがあるほか、危険な行為といえます。
自分たちや周囲の安全のためにも、バイクの同一車線内の並進は避けた方が無難です。
ツーリング中に起こしやすい違反

並列走行は交通違反ではないものの、ツーリングでは“そのつもりがなくても”違反につながるケースが少なくありません。
特に複数人での走行は気分が高揚し、注意が散漫になりやすいことから、思わぬ形で法令に抵触することもあります。
そのなかでも、ツーリングの際のインカムの不適切な使用は交通違反につながることがあります。
インカムは、通話や音楽の利用そのものは違反ではありませんが、走行中に手を離して操作すれば道路交通法第70条の安全運転義務違反となり、2点の違反点数と普通二輪車7000円、原付6000円の反則金が科されます。
また、インカムに接続されたスマートフォン画面を走行中に注視したり、操作したりした場合は携帯電話使用等違反、いわゆる「ながらスマホ」として取り締まりの対象になります。
携帯電話使用等違反は違反点数3点と普通二輪車15000円、原付12000円の反則金が科されます。
さらに、音量設定を大きくしすぎると周囲の音が聞き取りづらくなり、後続車の接近やクラクションなど重要な情報を見落とす可能性があります。
インカムの調整や設定変更は必ず停車時に行い、走行中に操作しないことが安全確保の基本です。
そして、いうまでもありませんがインカムやスマートフォンなどの不適切な使用は危険で、事故やトラブルを招きかねません。
そのため、インカムは停車中に操作することを徹底し、走行中は周囲の状況を確実に把握できる状態を保つことが重要です。
適切な使い方を心がけることで、ツーリングを安全かつ快適に楽しむことができます。
まとめ
このように、ツーリング中の並列走行は状況によっては違反となるだけでなく、危険な行為です。
また、ツーリング中はインカム操作など思わぬ行為が交通違反につながることもあります。
仲間との走行を楽しむためにも、法令を踏まえた走り方を心がけることが大切です。


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