アジングからメバリングへの切り替え時期はいつ？　海水温から考えてみる

アジとメバル、この二種はどちらもライトゲームアングラーにとって基本的なターゲットであり、姿を現す時期を逃さず釣りを楽しむことができれば、手堅い釣果を得ることができる。しかし、この二種はそれぞれ異なる水温に適応しており、海水温の変化により、釣れる時期が大きく左右される。アジからメバルへの切り替え時期を予測するためには、海水温が重要な指標となる。

（アイキャッチ画像提供：TSURINEWSライター・井上海生）

アジとメバルの適水温

まず、アジとメバルの適水温について理解しておこう。

アジの適水温は15度から24度であり、この水温域で最も活発に回遊する。沿岸でアジが釣れる季節といえば、春と秋が主だ。これに対して、メバルは14度前後の水温を好むため、アジと比べてやや低水温に強い冬型の魚である。つまり、アジの釣れる水温帯が終わる頃に、メバルが活発になる時期が訪れるということだ。

ちなみに、アジに関しては沖の釣りでは季節に関係なく釣れるようだ。だが、メバルは一般的に秋冬と春の季節の適水温域を外すと、難しくなってしまう。どちらかといえばメバルのほうがシビアなのだ。

アジングのほうが難しい？（提供：TSURINEWSライター・井上海生）

アジングの終息とメバリングの始まり

アジの回遊が終わると、必然的にメバルが登場する。しかし、すべてがこの通りではない。同時期に両者が混在することもあるため、必ずしもアジが完全にいなくなるタイミングでメバルが一気に活発化するわけではない。

このため、海水温の変化を注意深く観察しながら、どちらもいるかもしれないとも考え、両者の回遊を追いかけることが求められる。

低水温期のアジ

アジは低水温に弱いため、海水温が低下すると釣れなくなる。これが、アジの釣りの終息時期を予測するうえでの重要なポイントだ。海水温が15度を下回る頃からアジの回遊は減少し、釣れる個体も少なくなる。

特に水温が10度以下になると、アジの釣果はほとんど期待できない。釣り人としては、これを避けるために、海水温が安定して15度以上の時期にアジを釣りまくることが賢明だ。

海水温でアジを見つける（提供：TSURINEWSライター・井上海生）

海水温が15度前後というと、ちょうど冬の始まりから中旬あたりが全国的にこの数値に位置する。冬の始まりからチャンスが始まるが、冬の深まりとともに回遊が薄くなってくる。これもよく覚えておこう。

海水温の信頼性

海水温は、魚の回遊に大きな影響を与えるため、釣りをする際には非常に重要な指標となる。海水温は一般的に嘘をつかないと言えるが、アジの回遊やメバルのスポーニングに関しては予測が難しいこともある。

アジは回遊魚であり、その回遊パターンは単純に海水温だけで決まるわけではない。気象条件や海流、餌となるプランクトンの状況なども影響を与えるため、予測が外れることもある。メバルの産卵時期も地域や年によって微妙に異なり、その年の海水温や環境に左右されることがある。

メバルも海水温が重要（提供：TSURINEWSライター・井上海生）

それでも、海水温をもとにした予測は一定の精度を持っており、釣り人にとっては非常に有益な情報となる。海水温が徐々に低下し、アジが減少してきた場合、メバルの登場時期を見越して準備を始めていこう。特に、アジの釣れなくなった時期にメバルの釣果が増える地域では、海水温の変化を見極めることがキーとなる。

適水温を頭に入れて立ち回ろう

アジとメバルの釣りにおいて、海水温は非常に重要な指標だ。アジは15度から24度の水温帯で活発に回遊し、低水温期になると釣れなくなる。

一方、メバルは14度前後の水温を好むため、アジが終息した頃に登場し、釣りのターゲットとして楽しむことができる。しかし、同時期に両者が混在することもあるため、海水温の変化に注意深く反応し、最適なタイミングでアジを釣り、メバルに切り替えていくことが求められる。

海水温は嘘をつかないものの、アジの回遊やメバルのスポーニングには例外があることを念頭に置きつつ、海水温を基にした予測を立てることで、釣果を最大化することができるだろう。

＜井上海生／TSURINEWSライター＞