【冬エギング攻略法】アオリイカの捕食タイミング・居場所を予測して釣果につなげよう

暖かかった秋も終わり、熊本県の海水温も緩やかに低下。水温が下がり始めるこの時期は、アオリイカの捕食タイミングや着き場が大きく変わる。冬のエギングでは水温や潮、ベイトの動きを読むことが重要だ。今回は天草で意識している冬エギングの考え方を紹介する。

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（アイキャッチ画像提供：TSURINEWSライター・津崎圭介）

冬の天草の海水温の特徴

冬の天草はポイントごとに水温差が大きく、16〜22度と幅広くなる。その理由はいくつかある。まず、外洋側は黒潮の影響を受けやすく暖かい潮が入りやすい。

一方で、有明海・八代海は河川からの冷たい山の水が流れ込むため、湾内の水温は下がりやすい。さらに、天草は浅場と深場が隣接し、瀬や潮筋が入り組んでいるため、水温が混ざりにくい状況が頻繁に起きる。

こうした要素が重なることで、わずか数百m移動しただけでも水温が1〜2度違うようなことは珍しくない。

キャスト喰わせお月見パープル（提供：TSURINEWSライター・津崎圭介）

エギングの目安

私自身のエギングの目安としては、最低でも15度以上、できれば16〜17度欲しいところ。水温がこのラインを下回るとアオリイカの回遊が極端に減るので、移動も早めに判断している。

海水温はインターネットなどで大まかな水温が調べられる他、リアルタイムに海水温を計測し記載されているサイトなどもある。また、現場で海水温を測る際には水温計を表層だけでなく少し沈めて海水温を測ることも重要である。

冬のゴールデンタイムは「夕マヅメ」

冬は日中の太陽によって表層がほんのわずかに温まる。この微差が夕まずめに効いてくる。わずか0.5〜1度の水温上昇でもアオリイカの活性が一気に高まることが多い。

また、夕マヅメは潮の動きも変わりやすく、ベイト（アジ・イワシ）が動くタイミングでもある。秋のように積極的に餌を追い回すわけではないが、冬は小さな変化が“捕食スイッチ”になる。

夕マヅメの誘い方

中層を必ず意識し、「トゥイッチ〜長めのフォール」で見せることが重要です。潮が動き出すタイミングを逃さないように。特に回遊待ちの場合、ボトムだけでなく中層のサーチは必須。これをやるだけでも釣果は変わってきます。

夕マヅメ回遊待ちでの1杯（提供：TSURINEWSライター・津崎圭介）

冬のナイトゲームの組み立て

ナイトゲームの基本はボトム。だが、冬でもベイトの動き次第ではアオリイカが中層まで浮いてくるタイミングがある。

特にアオリイカにとって月明かりは要注意で、月の明るさに合わせて中層での捕食が増えることが多い。

月が出ている時はブルー夜光タイプ（提供：TSURINEWSライター・津崎圭介）

逆に新月周りや曇天で月光が暗い場合などは深場のボトム中心の展開になりやすい。

月が出る前の時間帯での1杯（提供：TSURINEWSライター・津崎圭介）

ナイトゲームの鉄則

1. ボトムを丁寧に
2. しかし 3投に1回は中層フォールを混ぜる
3. 月の明るさでレンジを調整する

しっかりと出る月とアオリイカ（提供：TSURINEWSライター・津崎圭介）

「底メインだが、中層バイトは常にある」という意識が冬のナイトゲームを安定させる。

ダブルハンドルがナイトゲームでは重宝（提供：TSURINEWSライター・津崎圭介）

“流れのヨレ”を意識しよう

水温が低下すると、ベイトとなるアジやイワシは効率よく餌を取るため、潮が流れる“流芯”や、その横にできる“ヨレ”に集まりやすい。ここにはプランクトンが溜まり、酸素量も豊富で、ベイトが長く滞在する。

当然、アオリイカもその周辺に着くことが多い。冬は特に追いが弱くなるため、こうした“待ち伏せしやすい位置”を好む傾向が強いと感じる。

闇夜ローズで夜の回遊待ちでの1杯（提供：TSURINEWSライター・津崎圭介）

ヨレ攻略のポイント

流れが最も強い部分と、その脇の弱い流れ(ヨレ)を狙ってみる。エギを“その場に置くイメージ”で流れに馴染ませる。キャストの角度やレンジを小刻みに変えて見せ方を調整する。

格別な1杯を求めて

冬のエギングは「水温」「潮」「ベイト」の3つを読むことで釣果が大きく変わる。天草は地形が複雑で水温差が出やすく、コツを掴むと冬でもしっかりアオリイカが狙えるエリアだ。

夕マヅメの“わずかな水温上昇”、ナイトの“中層チェック”、そして“流れのヨレ”の攻略。この3つを意識するだけで、冬の一杯に近づく確率は確実に上がる。厳しい季節だからこそ、読み切って獲る1杯は格別だ。ぜひ冬エギングの参考にしていただきたい。

冬は肉厚なアオリイカが多い（提供：TSURINEWSライター・津崎圭介）

＜津崎圭介／TSURINEWSライター＞