「山コーヒー、ここまでできるの?」珈琲考具の“サーバー&スタッキングドリッパー”が、こだわり派ハイカーの最終回答
山コーヒーでのドリップを美しく行える、珈琲考具の「サーバー&スタッキングドリッパー」を紹介。樹脂製の透明なサーバーに落とした深い褐色のコーヒーは、見た目から美しく、美味しく見えます。
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イチオシスト
アイキャッチ画像:ポンチョ
ハイカーの至福の時間、山コーヒー

野外道具求道家の私は、道具を背負って歩く、走る、移動することに興味があります。その移動には、一カ所にとどまって景色を眺める時間も含まれています。自分が動くのではなく、自分は留まって、流れていく景色を見つめるのです。
その時間をより深く濃くしてくれるもののひとつが、山コーヒーです。
日本には野外でお茶を楽しむ野点がありますが、山コーヒーも、その野点と同じだと思っています。

時に、山の清水を汲んで、ストーブで湯を沸かし、ミルでコーヒー豆を挽き、コーヒー道具を組み立て、ドリップ。その場所の空気を吸い、エネルギーを感じ、透明な景色をコーヒーに取り込むようにドリップして、いただきます。
その時間に眺める景色は、歩いているとき、走っているとき、移動しているときとは、またちょっと感じ方の異なる、静けさがあります。コーヒーをゆっくりドリップできるくらいの穏やかな天候ですから、自然、山、森のやさしさが満ちているからなんでしょう。
それに「美味しい」と感じてシアワセに満たされると、自然、山、森と同化して、静かでやさしい気分になれるんです。野点も山コーヒも、この同化のきっかけを与えてくれるものだと感じています。
「美味しい」を、「より美味しい」にするため

山で食べるとカップヌードルがやけに美味しく感じる法則と同じように、インスタントやドリップバッグのコーヒーも山で飲めば美味しく感じます。
でも、山コーヒーのよさは、飲んで美味しいと感じるだけでなく、コーヒーをドリップする一連の作業のなかにもあります。だから、私は時間、天候が許せば、コーヒーをドリップします。そして、そのドリップを丁寧に、美しく行える道具を揃えているんです。それらの道具でドリップしたコーヒーは、より美味しくなります。
そんな道具のひとつ、最近購入して愛用しはじめたのが、上画像の「珈琲考具/サーバー&スタッキングドリッパー」です。
コレいいかも!?と思ったポイントは5つ

山コーヒー道具の核となるのは、ドリッパーです。自宅や喫茶店、カフェで使われている陶器や樹脂製のドリッパーは折り畳みができないため、登山では持ち運びがしやすい、折り畳めて軽量コンパクトなタイプを使用します。
なのですが、珈琲考具の「サーバー&スタッキングドリッパー」は、嵩張る樹脂製サーバー内に、ステンレスワイヤー製の折り畳めないドリッパーをスタッキングする(重ねる)仕様です。ちなみに重量は180g。
多くの山コーヒー愛好家は、この仕様を見たら「こんな嵩張るモノは持って行けない」、「キャンプ用ですか?」と思うことでしょう。ですが、私はサーバー&スタッキングドリッパーを見て、使ってみて「これは山に持って行きたい!」と思ったのです。そのポイントを5つ紹介しましょう!
①ドリッパーに加えて、他のコーヒー道具もスタッキング可能

まず、樹脂製サーバー内に、折り畳めないドリッパーをスタッキングしていますが、その下にはスペースがあります。このスペースに、ファスナー付きビニール小袋に入れたコーヒー豆、ペーパーフィルターを軽く折り畳んで収納できます。
もう1~2杯分の豆なら、同様にファスナー付きビニール小袋に入れて、ドリッパー内の隙間に収納できます。

さらに、笑’sというアウトドアブランドのチタン製そそぎ口の「そそぐ君」もスタッキングできました。これ、薄くて、2gと超軽量なので、コーヒー道具のスタッキングに便利です。詳細は記事にしたので、こちらを読んでください。

そしてサーバー&スタッキングドリッパーの上に、エバニューの「チタンシェラカップFD」を被せたのが、上画像です。このままの状態で手持ちのクッカーの収納袋に入れられ、コーヒー道具一式をひとつの袋で持ち運べます。
サーバーの直径は8.5cmなので、ハンドルが邪魔ではありますが、クッカーによってはスタッキングできます。しかしクッカーは、ガス缶やストーブ本体をスタッキングした方が使い勝手はよいです。
そこで私は、“サーバー&スタッキングドリッパーをベースに、オールインワンのコーヒー道具セットを完成させたほうがよい”と判断しました。その一例が、このセットなんです。

上画像が使用例です。
他のカップでもよいのですが、シェラカップはストーブに掛けて湯を沸かせるのと、そそぐ君と相性がよいので、セットにしてみました。シェラカップだけだとドボドボという注ぎ湯になりがちですが、そそぐ君を装着すればご覧の通りの細い湯でドリップできます。
クッカーにそそぐ君を装着してドリップ、抽出したコーヒーをサーバーからシェラカップに注いでいただくのも、もちろんアリです。冷めるのを防ぎたければ、サーモカップやサーモボトルを用意してもよいです。
クッカーとカップでドリップするという通常の山コーヒーのセットから離れると、いろいろな組み合わせを想像できるようになります。
②ドリップし終えたフィルター&豆を、液もれさせずに持ち帰れる

ドリップをし終えたペーパーフィルターとコーヒー豆は、コーヒー豆を入れてきたファスナー付きビニール小袋に入れて、サーバー下部に収納して持ち帰れば、液もれの心配もありません。
無駄のない山コーヒーセットです。
③ドリップしたコーヒーの量がわかり、美味しい気分が高まる
そもそもサーバーって必要?と思っている方、いると思います。荷物を軽くしたい派は、無駄なものは持って行きたくないでしょう。私も同じく荷物を軽くしたい派ですが、それ以上に美味しいコーヒーを飲みたい派でもあります。
サーバーが必要な理由は次の通りです。

私は、1杯分だけの量をペーパードリップするのが、少なく感じているんです。だからペーパードリップでは2杯分=300mlを抽出しています。注ぐ湯量、コーヒーの量が多い方が、冷めにくいということもあります。山は大抵、気温が低めなので。
でも、そこで困るのが、注ぐ湯量。2杯分=300mlの抽出なら、コーヒー豆30gに360ml程度の湯を注げばよいのですが、ペーパーを濡らしたり、サーバーやカップを温めたり、洗うのに使う湯量の合計は500ml程度です。そのなかで360mlの湯量、どうやって量るのがいいんだろう……?
という、注ぐ湯量問題を解決してくれるのが、サーバーです。

注ぐ湯量ではなく、抽出したコーヒーの量300mlが、この珈琲考具のサーバーなら、メモリが切られているので一目瞭然です。コーヒー豆の量を同じにしていれば、これで、ある程度一定の味わいのコーヒーを抽出できます。
実際、湯を注ぎすぎて薄くなりがちな山コーヒーが、かなり美味しく抽出できるようになりました。
サーバーではなくカップでも抽出した湯量がわかるのでは?といわれてしまうと確かにそうなのですが、手持ちのカップのほとんどはメモリなし。それに透明なサーバーで抽出すると、目で見ていて美味しいコーヒーを淹れているという気分が高まるんです。
山コーヒーは、美味しさを求めることも楽しみなので、私はサーバーが欲しいんです。
④ドリッパーが風に飛ばされない!

山コーヒードリップでは、もうひとつ問題があります。軽量なドリッパーを使うと、湯を注ぐ前に突然吹いてきた風で飛ばされてしまうことがあります。
地面に吹き飛んだコーヒー豆から砂がついていない部分だけどうにかして分別できないかと拾い集めた経験を持つ私は、軽すぎるドリッパー恐怖症なんです。
その点で、珈琲考具のドリッパーは風に負けない重さとスタンド付き。安心感がかなり高いです。
⑤ドリップ後もスマート

山コーヒードリップには、課題もあります。それはドリップ後のドリッパーとペーパーフィルター、そこから染み出てくる残コーヒーと抽出されたコーヒー豆をどうするか?ということです。
すぐにファスナー付きビニール小袋に入れて、液もれしないようにするというのが正解なんですが、その残されたコーヒー豆から立ち上がるコーヒーの香りも、ドリップをした余韻として楽しみたいのです。
だからといってクッカーのフタの上に載せると、ヘニャッとなって、見た目が美しくありません。
それがサーバー&スタッキングドリッパーなら、サーバーのフタを裏返して、ドリッパーとスタンドごとシンデレラフィットで置けるので、上画像の通り、美しい状態でコーヒードリップの余韻を楽しめます。

ミニテーブル上にコーヒーがこぼれることもありません。折り畳みができないサーバー&ドリッパーだからこそ、美味しいだけでなく、美しいドリップ作業を完結できます。
上画像の様子を見れば、美味しいコーヒーがドリップされているなぁと、多くの人は期待するでしょう。はい、実際、とても美味しいコーヒーが入っています!
丁寧に美しくを磨く道具

山の歩き方、パッキングの仕方、テントの張り方、調理の仕方、それぞれの道具の手入れ。山で行う一連の行動が、気負いなくできて、すべてが丁寧で美しい人がいます。
その状況でどうするべきかを把握、それに対応する知恵があり、道具の使い方がわかっていて、適格に判断、行動できると、丁寧で美しい立ち居振る舞いになるのだと思います。
山コーヒーも、同じです。
初めて使う道具は自宅で何度も試して、使い方、対応の仕方を覚えてから山に投入。山で新たな課題が見つかったら、それを解決する方法を試行錯誤。少しずつ、道具と自分との距離を縮めていきます。

山で気持ちのよい時間を過ごしたい。すべては、その目的のために、いろいろな経験を積んでいくのです。珈琲考具の「サーバー&スタッキングドリッパー」は、どうしたら使いやすく、美味しくできるかという創意、工夫を楽しませてくれる道具です。
多くの人にとって、丁寧で美しいドリップを可能にしてくれる、よい道具に思えました。そして、山だけでなく、自宅でも使いたくなる道具で、最近はコレでばかりコーヒーをドリップしています。
それでは皆さん、よい山旅を!
珈琲考具「サーバー&スタッキングドリッパー」の詳細はこちらサーバー&スタッキングドリッパー珈琲考具

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