【ブリヂストン】4年振りにモデルチェンジしたスタッドレスタイヤ“ブリザックWZ-1”の進化がスゴい[北海道試乗レポート]

2025年に発売したスタッドレスタイヤ「ブリザックWZ-1」は従来のVRX3の後継モデルとしてデビューした。そのWZ-1に早速、北海道旭川〜大雪山系旭岳周辺の一般道で雪上試乗してきたのでお伝えしよう。 試乗ルートは旭川の市街から旭岳へのアプローチ、そして旭岳スキー場までのアクセス道路の往復で、アクセス道路は片道20分ほどのルートを車種を変えて、上り、下りでテストした。試乗車はさまざまなモデルが用意され、 N-BOX、ヤリス、クラウンクロスオーバー、アルファード、カローラ、RAV4、アウディQ5にWZ-1を装着して走行した。車両はいずれも4WDだった。 路面の状況は圧雪路が中心で気温もマイナス状態が継続的な状況で、最低でマイナス6度、最高でマイナス2度という外気温だった。またテストではESC(横滑り防止)やTRC(トラクションコントロール)といった車両制御をオフにして走行し、「滑り」を感知しやすい状況で走行テストをした。 テスト車両を見てわかるのは、車重が異なることだ。もちろん、タイヤサイズは推奨サイズを装着しているが、重量による慣性とタイヤ荷重は異なってくる。そうしたことを踏まえても驚くほどのグリップ力に […]
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イチオシスト

2025年に発売したスタッドレスタイヤ「ブリザックWZ-1」は従来のVRX3の後継モデルとしてデビューした。そのWZ-1に早速、北海道旭川〜大雪山系旭岳周辺の一般道で雪上試乗してきたのでお伝えしよう。
試乗ルートは旭川の市街から旭岳へのアプローチ、そして旭岳スキー場までのアクセス道路の往復で、アクセス道路は片道20分ほどのルートを車種を変えて、上り、下りでテストした。試乗車はさまざまなモデルが用意され、 N-BOX、ヤリス、クラウンクロスオーバー、アルファード、カローラ、RAV4、アウディQ5にWZ-1を装着して走行した。車両はいずれも4WDだった。
路面の状況は圧雪路が中心で気温もマイナス状態が継続的な状況で、最低でマイナス6度、最高でマイナス2度という外気温だった。またテストではESC(横滑り防止)やTRC(トラクションコントロール)といった車両制御をオフにして走行し、「滑り」を感知しやすい状況で走行テストをした。
テスト車両を見てわかるのは、車重が異なることだ。もちろん、タイヤサイズは推奨サイズを装着しているが、重量による慣性とタイヤ荷重は異なってくる。そうしたことを踏まえても驚くほどのグリップ力には感心した。



軽量なヤリスやカローラは、今回のテストルートでは多少雑な操作をしても全く滑らない。下り坂のカーブでブレーキを踏んでもグリップする。そして重量のあるアルファードやクラウンクロスオーバーも同様で、上りの斜面では舗装路と変わらないフル加速も可能だった。前述の通り、TRCはオフにしていても、だ。
車重が重い車種で下り坂ブレーキを試してもしっかりグリップし、コーナリングも安定している。全車種に共通して言えるのは、前後グリップに関し、驚きのグリップ力を発揮し、ブレーキングではやや強めの踏力でブレーキをかけてもノーズダイブするほど制動グリップがあるということ。
勘違いをしてもらうと困るのは、運転は、基本的に滑らかに丁寧に操作している。感覚的には、赤ちゃんを乗せているイメージだ。そうした中で、意図的に雑なブレーキングやハンドル操作を行なってみても、滅多なことでは滑りを感知しなかった。
ただ、終日のテストの中で一度だけ滑る瞬間があった。それは水が少し浮いた状態のアイスバーンで、そこではグリップが薄くなり、滑りを感じた。しかしグリップはすぐに復活するので、ある程度雪道に慣れている人であれば過去に何度も経験しているというレベルの滑りだ。



最新の設計基盤技術「ENLITEN」がもたらすシリーズ史上最高の安心感
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さて、これほどの高いグリップ力をもったWZ-1はどんな技術が投入されているのか覗いてみよう。
ブリザックは35年を超える長い歴史を持つブランドだ。近年、スタッドレスタイヤには、アイス、スノー、ドライ、ウエットで走る、止まる、曲がる性能が高く、かつ、その性能が新品から摩耗まで継続するという要求がある。
なかでもアイスバーンでしっかりと止まる、圧雪路でしっかりと止まる。アイスバーンで横滑りをしないといった性能への要求は強く、氷雪性能は、ロングライフとともに最も重要だと位置付けられている。
これらの要求に対し、WZ-1は、ブリヂストンのタイヤ設計基盤技術であるENLITEN(エンライトン)を採り入れ、VRX3と比較し、アイスでのブレーキ性能、コーナーで粘って曲がる性能を高め、操安性能のレベルを向上させている。
具体的にはENLITENで基本性能は確保し、そこからある性能を伸ばしカスタマイズをしていくことで、全体のレベルアップにつながるイメージだ。

まずは発泡ゴムの進化だ。気泡を使って除水するが、その発泡ゴムの進化と合わせてトレッドパターンの進化、ひっかく力、溝の形状や配置を工夫して除水を進化させている。
サイプはL字タンクサイプを新開発している。L字型のサイプは形状により水の侵入を防ぐことができ、除水できる。そのため氷とタイヤの接地面積を最大化することができるわけだ。またゴムはダブルコンタクト発泡ゴムを採用。

親水性向上ポリマーは水を使って路面とのグリップを高める狙いがある。従来の発泡ゴムは水の膜がグリップ力を低下させていたが、この親水性向上ポリマーにより、ゴムが水に触れると即時に応答しグリップ力を高めるというものだ。

そして柔らかさの維持のために、ロングステイブルポリマーも採用している。従来、オイルが抜けてしまうことで柔らかさがなくなっていたが、このポリマーによりオイルが抜けにくくなり、ポリマーを増やすことで長くしなやかさが維持されるようになった。

さらに、WZ Motionラインは内圧の張力分布を均一化する技術で、より均一な接地を実現できる技術だ。そうすることで、設計者の狙いであるしなやかな変形、思い通りの変形を実現することで、理想的な接地が可能になるというわけだ。

これらの技術を投入したWZ-1はVRX3と比較し、アイスブレーキで11%短縮でき、氷上旋回では4%ラップタイムの短縮ができたという。そしてグリップの復活が早く、コーナーを粘るように走ることができるのが特徴としているのだ。


ちなみに、WZ-1のネーミングはDouble Zenith=ふたつの最高性能の掛け合わせを意味し、氷雪上性能とサスティナビリティを意味している。その性能の掛け合わせがイコールWZというわけだ。
ブリヂストンでは、タイヤ設計基盤技術であるENLITENで基本性能を作り、そこからある性能を伸ばすカスタマイズをしていくことで全体のレベルアップを図っている。さらにこの技術のベースは軽量化と低転がり抵抗があり、タイヤそのものが軽くなることで燃費もよくなりサスティナブルな性能に貢献するわけだ。そして今後は再生材料の比率を増やし、サスティナブルなタイヤ設計もこのENLITEN技術を土台にして開発されていくのだ。

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