世界中で113勝を挙げたジャンボ尾崎 誰もが憧れた300ヤードスイングは一体どれだけすごかったのか
イチオシスト
世界中のツアー通算113勝(うち日本ツアー94勝)、賞金王12回、年間最多8勝など一時代を築くとともに、日本ゴルフをけん引した不世出の天才ゴルファー尾崎将司氏。12月23日にS状結腸がんのため78歳で逝去した。ジャンボ軍団の1人である金子柱憲が、ゴルフ誌ALBA911号で語ってくれた飛ばしのテクニックをあらためて紹介する。
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小さなメタルウッドで300ヤードのロングドライブ。その豪快なスイングは、飛ばしの要素満載。現代でも通用するものばかりだったと思います。
プロ入り直後はアウトサイド・イン軌道でフェードを打って、糸巻ボールを吹き上がらせて飛ばしていました。その後スランプとなり、30代後半にスイングを大改造。可動域が狭くなってきたこともあり、ジャック・ニクラス(米国)を参考に、ヒールアップしながら高いトップを作り、大きな捻転差を作るようになりました。年齢に合った飛ばし方を確立させたと言えます。
スタンスはオープンにして、両肩はスクエアでアドレス。クラウンよりも高いティアップで、ロフト7~8度のクラブででアッパー軌道でカチ上げるのがジャンボさんの飛ばし方でした。あの225㏄の小さなメタルウッドの時代に、今やトレンドの高弾道・低スピンをいち早く取り入れて300ヤードを飛ばしていたのは驚きです。スイング改造後は球をつかまえることで持ち球をストレートドローにしたので、風に強くなり、ランでも飛距離を稼いでいました。
また、上体を右に向けたまま、下半身から切り返し、シャフトをしならせてヘッドを最大限に遅れさせる動きも、飛ばしのポイントだったと思います。特に“左肩”に注意するように言われていましたね。左肩が動くとスエーにつながり、コスリ球も出てしまう。私もジャンボさんに手を当ててもらい、左肩が動かないよう練習したのを覚えています。左肩をその場にとどめられれば、一気にリリースしてヘッドスピードを上げられる。ローリー・マキロイ(北アイルランド)のようなプッシュ気味の球で当時から飛ばしていました。
ハイティ&アッパー軌道、ヒールアップ、地面反力など、大きな体を目一杯使ったスイングは現代でも使える技がたくさん詰まっていましたね。
■尾崎将司
おざき・まさし/ 1947年生まれ、徳島県出身。5年連続を含む計12度の賞金王に輝き、前人未到の通算113勝(うち日本ツアー94勝)。ジャンボの愛称で親しまれ、佐久間朱莉、西郷真央、原英莉花らを指導していた。2025年12月にS状結腸がんのため78歳で逝去。
■金子柱憲
かねこ・よしのり/ 1961年生まれ、東京都出身。日大ゴルフ部出身。83年プロ入り後にジャンボ軍団入り。同期の東聡と切磋琢磨し、通算6勝。96年、尾崎に次ぐ賞金ランク2位に輝いた。
<ゴルフ情報ALBA Net>
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