映画よりもグッズ人気が先行!? 平成のNBC(ナイトメアー・ビフォア・クリスマス)グッズ!【山下メロの平成レトロ遺産:098】
イチオシスト

レトロ遺産を掘り返す山下メロ氏
記憶の扉のドアボーイ・山下メロです。記憶の底に埋没しがちな平成時代の遺産を今週も掘り返していきましょう。
先月から見かけるようになったイルミネーション。だんだんとクリスマスキャロルが流れる頃になり、メリークリスマスが言えるのかどうか気になり始めています。
さて、平成におけるクリスマスで思い出すのが、1994年に日本で公開されたストップモーションアニメ映画『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』(以下、NBC)です。
日本語版のロゴに「ティム・バートン」とついており、彼が古巣ディズニーと組んだ映画でした。ただし当時、彼がバットマンシリーズで多忙だったため、監督はヘンリー・セリックが務めています。
本作はタイトルに〝クリスマス〟と入っているので、家族向け映画のように思えますが、実際はブラックユーモアたっぷりのホラー映画的な要素が多く登場します。それゆえ当初は、みんなが知っている大ヒット映画というよりは、アートやサブカルなど人と違うものを志向するタイプの人に好まれる作品でした。

NBCの主人公ジャック・スケリントンの携帯電話のストラップ。ジャックの愛犬であるゼロのチャーム付き

ジャックの顔全体が光る壁かけライト

ジャックとサリーのスタンドミラー

また「私はこんなカルト映画を知っているアピール」がしたい人たちは、輸入アメリカ玩具店などでNBCグッズを探して身に着けていました。
筆者も高校生だった97年頃にNBCのVHSを借りてハマりましたが、クラスメイトで知っている人は少なく「おまえも知ってんの!?」という共感とともに、それがまた「自分たちだけが知ってる」という快感でもありました。

ジャックの首振り人形

映画の実写グラフィックとイラストを使ったメモ帳
その後、NBCは爆発的に人気となるのですが、特に大きな出来事が2000年代初頭のDVD化でしょう。当時、NBCグッズの認知度は徐々に上がっていたものの、作品を見られる機会が少なかったのです。そこに低価格のDVDが発売され、映画を知る人が一気に増えました。
当時はキモかわいい、グロかわいいという概念も広がりを見せており、NBCのホラー要素もまた受け入れられる土壌ができていたようにも思います。大人気ながら続編が作られていないNBC、今こそ改めて振り返りましょう。
撮影/山下メロ
記事提供元:週プレNEWS
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