海外メジャーに憧れも「日本で頑張りたい」 “堅実派”菅楓華が掲げる来季のビジョン
イチオシスト
23日、都内で日本ゴルフトーナメント振興協会(GTPA)が主催する『ルーキー・オブ・ザ・イヤー(新人賞)』ならびに『特別賞』の表彰式が行われた。
同協会がトーナメント活性化に向けた重要施策と位置付ける若手育成の一環として、1998年に設立された新人賞。その受賞者の一人に、国内女子ツアーから菅楓華が選ばれた。
グレーを基調としたシックなドレス姿で壇上に上がった菅は、「すばらしい賞をいただけて、すごくうれしいですし、本当に光栄に思います」と笑顔を見せた。
ツアー初年度から2シーズン以内の選手が対象となる同賞。プロ2年目となった今季の菅は、目まぐるしい活躍でツアーの主役の一人となった。開幕戦から3試合連続で最終日最終組を戦い、開幕から2戦連続で2位に入るなど、自身も「初めての経験」と語るほどのスタートダッシュを切った。初優勝は時間の問題。そんな空気がツアー全体に漂うなか、9月の「ミヤギテレビ杯ダンロップ」ではホステスプロとしてついに初優勝を挙げた。
これほどまでの活躍をシーズン前は想像できなかった。「シード獲得を目標に頑張っていた」と語るように、現実的な目標を掲げてスタートした今季だったが、結果は初優勝に加え、エリートフィールドとなる最終戦で、地元・宮崎開催の「JLPGAツアー選手権リコーカップ」にも出場。メルセデス・ランキングは4位に入り、「すごく充実した一年になりました」と振り返った。
こうした活躍がゆえに、12月は多忙を極めるうれしい悲鳴も。最終戦終了後は東京に滞在し、昨年とは比べものにならないほどの仕事をこなしているという。これから地元・宮崎へ戻り、本格的なオフのトレーニングに入る。「100ヤード以内のバリエーションを増やして、いろいろな技を身につけていきたい」と、オフのテーマも明かした。
初優勝を果たしたことで、来季は複数回勝利がターゲットとなる。さらに海外メジャーへの挑戦にも言及した。アマチュア時代に海外遠征の経験はあるものの、試合経験はほとんどない。今季は米ツアー参戦中の日本勢と同組でプレーする機会が増えたことで、「メジャーに出たい」という思いが芽生えたという。
ただし、現時点で米ツアー参戦を見据えているわけではない。現在の実力を冷静に見つめながら、「日本で頑張りたい気持ちが強い」と地に足の着いた姿勢を崩さない。
「近い目標から立てるタイプ」。プロ2年目で一気にブレイクを果たした菅は、さらなる飛躍が期待される存在でありながら、皮算用をしない堅実な一面ものぞかせた。(文・齊藤啓介)
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