渓流釣りのオフシーズンにオートソロキャンプへ デジタルデトックスで整う休日を

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奥利根へオートソロキャンプ 目的地は群馬。キャンプ道具を積み込み午前7時に出発。関越道沼田ICを降り、山あいの道を進む。途中で食料を調達し、ナビの示す片道約200kmの行程を淡々と消化していった。 分 …
イチオシスト
渓流釣りのオフシーズンに、静けさに身を置く時間を味わうオートソロキャンプを楽しんだ。荷物を車に積み込み、気の向くままに移動して好きな場所に滞在できる自由さが、このスタイルの魅力だ。焚き火の音と澄んだ空気を感じながら、日常のスピードを一度緩めて自然と距離を取り戻す。便利さに慣れた生活から少し離れて、自分のペースで過ごすキャンプの時間は、思っている以上に心を満たしてくれる。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・中山祐司)


奥利根へオートソロキャンプ
目的地は群馬。キャンプ道具を積み込み午前7時に出発。関越道沼田ICを降り、山あいの道を進む。途中で食料を調達し、ナビの示す片道約200kmの行程を淡々と消化していった。
分岐に差し掛かり、奥利根方面へ。狭いヘアピンを慎重に進みながら標高を上げていくと、車内に入ってくる空気が徐々に澄んでいくのが分かる。峠を越えると視界が一気に開け、沢沿いの景色が広がり始めた。
キャンブ場付近の沢(提供:TSURINEWSライター・中山祐司)
オートソロキャンプの気楽さ
奥多摩以来、久しぶりのソロキャンプ。荷ほどきの手間を気にせず、必要なものを積み込んでそのまま来られる気軽さは、オートキャンプならではの魅力だ。
気ままに過ごすための旅であり、時間に追われることのない贅沢な遊びである。
キャンプ地に到着したのは正午過ぎ。数組のキャンパーがいたが、落ち着けるスペースを確保し車を止めた。水捌けの良さそうな明るい平場にタープとテントを設営。
1人では広めのテントも、このスタイルならではのゆとり。ファニチャーの位置を整えただけで、すでに自分の「居場所」ができていた。
寛ぎの空間で食事を堪能(提供:TSURINEWSライター・中山祐司)
焚き火と食事の時間
地元で仕入れた食材と肉を使ってバーベキューを始めた。焚き火の明かりが揺れ始める頃、沢から汲んだ水で冷やした飲み物がちょうど良い温度になった。標高の高い空気と焚き火の温かさが、お互いを引き立てている。
夕暮れ時に、鹿の姿がふと現れる。都市の生活音がないというだけで、こんなにも世界の密度が変わるのかと驚かされる。
デジタルから離れ、焚き火の揺らぎと星の光だけが時間の目安になる。残飯や食料を片付け、熊対策を済ませて早めに就寝した。
夜の拠点(提供:TSURINEWSライター・中山祐司)
寛ぎの時間を過ごす
翌朝、森はゆっくりと明るくなっていく。暖かいスープと餅で簡単に朝食を済ませ、椅子にもたれて深呼吸する。澄んだ空気が肺いっぱいに入るだけで、旅に来てよかったと思える。
昼寝をして目が覚めると、テントサイトは柔らかい光に包まれていた。コーヒーを沸かし、沢の水を使って丁寧に淹れる。焚き火の香りとコーヒーの香りが混ざる瞬間がたまらない。
コーヒーと食事を楽しむ(提供:TSURINEWSライター・中山祐司)
夜はじっくりと食事を楽しみ、翌日はテントを乾かしながらゆっくり撤収の準備をする。「何もしない時間」がこれほど贅沢に感じられるのも、自然の中だからこそだ。
自然のフィールドを楽しむために
撤収をしていると、常連のキャンパーと挨拶を交わした。この周辺では今年、熊の目撃情報もあったとのことで、残飯処理や食材管理には注意が必要らしい。
自然の中に足を踏み入れるということは、そこが動物たちの生活の場であるということでもある。食材の匂いや残飯が動物を引き寄せてしまうことがあり、それが人にとっても野生動物にとっても思わぬトラブルの原因になることがある。
食べ残しは袋を二重にし、夜間は外に出さずテント内や車内で管理すること。ゴミを埋めない、置かない、持ち帰る。たったそれだけの積み重ねが、自然が自然の姿を保ち続けるための大切な行為であることをこの旅で改めて感じた。
その後、温泉で温まり、満たされた気持ちで帰路についた。
自然と向き合うキャンプに満足
電気も水道もないキャンプサイトだが、清潔に保たれた設備や静かな環境が心地よかった。ソロキャンプは、不便さを楽しむ余裕と、自分のリズムで過ごせる自由がある。
釣果目的ではなく、自然と向き合う時間を楽しむ旅。その魅力を再確認できた良いフィールドであった。
<中山祐司/TSURINEWSライター>
記事提供元:TSURINEWS
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