ヤマハがグランドピアノの新製品を来春発売 コンサートグランドの技術とノウハウを惜しみなく注ぎ表現力を追求
イチオシスト
鍵盤楽器の伝統を受け継ぎながらも、音の可能性を拡張し続ける革新の楽器でもあるピアノ。来春には、演奏者に新たな表現の可能性を感じさせてくれそうなニューモデルが登場する。ヤマハ(浜松市)は、グランドピアノの新製品『C3X espressivo(エスプレッシーヴォ)』『C2X espressivo』を、2026年3月5日(木)に発売すると発表した。
" target="_blank">【動画】新しいespressivoの魅力について語る、ピアニストの梅田智也氏
『C3X espressivo』は、2020年に発売した現行の「C3X espressivo」をさらにブラッシュアップ。現行の「C3X espressivo」は、上級モデル「SXシリーズ」のノウハウを受け継ぎ、ピアノ指導者から上級者を中心に愛用されているが、新しい『C3X espressivo』は、最上位モデルのコンサートグランドピアノ「CFX」の開発を通して培った最新の技術やノウハウを惜しみなく投入。低音から高音まで奏者を包み込むような立体的な響きを実現するとともに、わずかなタッチの違いを音へ反映させ、多彩な音色を引き出している。ちなみに、espressivoは“表情豊かに”を意味する音楽用語(イタリア語)だ。
新しい『C3X espressivo』の主な特長は次の4つ。
1.「CFX」と同様の設計思想の響板で、包み込むような響きを実現
弦の振動を増幅させ空間全体に美しく響かせる役割を果たし、ピアノの心臓部ともいわれる響板に、厳選したヨーロッパスプルースのみを使用。「CFX」同様の新たな湾曲構造を踏襲し、軽さと強さを両立した振動効率の高い響板に仕上げた。「表情豊かな演奏」を追求して細かな調整や最適化を行い、奏者を包み込む立体的な響きを作り出す。

2.多彩な音色を引き出すespressivo専用のハンマー
音色づくりに重要な役目を果たすのが、弦を叩き最初に音を生み出すハンマー。新espressivoでは、フェルト素材、原反の加工方法、貼り込み型の形状や貼り込み時の温度条件など、「CFX」の開発で得た知見を反映し、専用のハンマーを新たに開発。弱打から強打まで、また、低音から高音まで、音色のグラデーションと豊かな色彩感を実現した。

3.演奏者の思いを細部までくみ取る鍵盤アクション
ピアニストの打鍵を正確に弦に伝えるアクションは自社開発。「CFX」の開発で培ったノウハウを生かし、打鍵された力が漏れなく伝わるよう各パーツの接点部を最適化した。新形状の部品を採用し、初動の摩擦を低減するなど随所に新技術を投入。特に弱く打鍵した際、指に吸い付くような滑らかなタッチを実現し、微細なニュアンス変化をコントロールできるようになった。

4.熟練の職人による丹念な整音・整調
専用に開発した弾力性に優れたハンマーの魅力を最大限引き出すために、職人が多くの時間をかけて、ピアノ本体や細かな部品一つ一つの状態に応じて音作りやアクション機構を精密に調整。低音から高音までバランス良く多彩に変化する音色や、繊細なタッチ感の細部まで手作業で整えている。

そのほか、ピアノ本体を支える骨格部分である曲練支柱、美しい低音を生み出す手巻き巻き線の弦、弾いた音が奏者の耳に届きやすい譜面台など、細部にいたるまでこだわった作り込みがなされている。
また、新たにラインアップに加わったのがサイズの異なる『C2X espressivo』。『C3X espressivo』と比べて奥行きを13cmコンパクトにし、レッスン室や家庭にも設置しやすいサイズでありながら、高い表現力と豊かな響きを両立。ピアノ指導者から学習者までさまざまな演奏者が、より表現豊かな演奏を楽しめるモデルになっている。
さらに、環境や時間帯に左右されることなくいつでも自然な音とタッチで演奏に没頭したいという人のために、両モデルとも消音機能付きのサイレントピアノも用意されている。
税込み価格は、『C2X espressivo』が363万円、『C3X espressivo』が429万円。サイレントピアノは、『C2X espressivo-SH3』が420万2000円、『C3X espressivo-SH3』が486万2000円。
発売に先立ち、下記のヤマハミュージック店舗では新製品を先行展示。ヤマハミュージック 名古屋店とヤマハミュージック 大阪なんば店では2025年12月17日(水)から、ヤマハ銀座店(東京)では2025年12月25日(木)からスタートする。試弾の予約は、各店舗へ連絡を。
記事提供元:オーヴォ(OvO)
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