視覚障害者へ「サポートしたいが、ためらいも」 日本盲導犬協会の意識調査、盲導犬ユーザー「声かけは大きな支え」
イチオシスト

公益財団法人日本盲導犬協会(仙台市)は、一般市民の持つ盲導犬や視覚障害に対する知識やイメージなどを把握しようと「盲導犬および視覚障害に関する意識調査」を実施し、結果を発表した。調査は8月18~20日、全国の16~69歳の男女1200人を対象にインターネットで行った。
「あなたは困っている視覚障害者に出会ったらサポートしたいと思いますか」と尋ねたところ、「とてもそう思う」(22.2%)、「ややそう思う」(53.6%)とを合わせて75.8%が「そう思う」と答えた。
しかし、「視覚障害者へサポートのために声をかけたことがありますか」との質問に対しては「声をかけたことがある」と答えたのは15.1%に過ぎなかった。「声をかけたことがない」は31.3%、「声をかけるような場面に遭遇したことがない」は53.6%だった。
そのギャップはなぜ起こるのか。「視覚障害者に声をかけることに抵抗がありますか」と聞いたところ「とても抵抗がある」(10.2%)「やや抵抗がある」(45.3%)と回答し、行動に移す際の心理的な壁を感じている人が半数以上いることが分かった。
同協会はこれらの調査結果を受け、盲導犬ユーザー2人にインタビューを行い、声をかけられることは迷惑なのか尋ねた。
若山さん(男性)は「以前、慣れていない道を歩いていたときに『危ないですよ』と声をかけられ、いつの間にか車道を歩いていたことに気が付いた。声をかけてもらえたことで無事に歩道に戻ることができ、視覚障害者にとって、こうした声かけは安全を守るための大きな支えとなっている」と自らの体験を語った。
石川さん(女性)は「横断歩道では信号の色や車の動きを確認することが難しいため、渡るのをちゅうちょしてしまうこともある。そんなときに声をかけてもらえることで、周囲の情報や目的地までの行き方を尋ねることができる」と話した。
記事提供元:オーヴォ(OvO)
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