ホロライブのカバー、元受刑者に似たNPCの騒動で再声明 「偶然の一致というには難しい」と認めつつ、意図的ではなかったと説明

イチオシスト
VTuber事務所「ホロライブプロダクション」を運営するカバーが12月5日、公式サイトを更新。メタバースプラットフォーム「ホロアース」に実装されていたNPCが「実在の人物を想起させる」と指摘された問題について、新たな声明を発表しました。
NPCさん「コウゾー」さんの騒動
発端となったのは、ホロアース内に登場していた「コウゾーさん」と呼ばれるNPCです。11月下旬ごろから、X上でこのキャラクターのスクリーンショットが拡散され、2019年に東京・池袋で発生した暴走事故の加害者であり、2024年に刑務所内で死亡した飯塚幸三元受刑者を想起させるのではないかとの指摘が相次ぎました。
「コウゾーさん」は高齢男性風のアバターで、飯塚受刑者の名前と一致しているほか、テレビの取材を受けた際の服装ともよく似ていました。また、コウゾーさんに話しかけると、「機械の変なところをいじって気づけばこんなところに……」「孫に任せればよかったよ 困ったなぁ……」などの台詞を話す仕様になっており、こうした要素の組み合わせが、飯塚元受刑者を連想させるとして物議を醸しました。

こうした指摘を受け、ホロアース公式Xアカウントおよび公式サイトは11月25日〜26日にかけて、問題のNPCに「実在の人物を想起させる表現が含まれていることを確認した」として削除対応を行ったと発表しました。カバーは当時、「アバター表現の多様性を目的として既存のファッションアイテムを組み合わせて制作したものであり、特定の人物を意図した事実はない」と説明する一方で、公開前の確認体制に不十分な点があり、結果として実在の人物と似通った点が生じたと認め、チェックフローの見直しや管理体制の強化を進めると表明していました。
しかし、SNS上ではこの釈明に対しても「台詞や名前まで含めて意図していないとするのは無理があるのではないか」などの批判が続いていました。
「偶然の一致と言うには難しいとも言える」ものの、「特定の人物をモデルにした事実はない」
カバーは今回の声明で、改めて「特定の人物をモデルにした事実はない」と説明しました。一方で、「偶然の一致と言うには難しいとも言える状況であること」も認識しているといい、経緯の詳細を明らかにしました。
コウゾーさんの制作にあたっては、キャラクターを設定するチームと、アバターを設定するチームが別々に作業にあたっていたとのこと。また、企画段階では「農場経営者」という原案だったのが、実装時点では作業着などの専用アセットが未実装だったため、実装済みの「現代的なアイテム」で代用した結果、「設定と乖離した外見となった」としています。
社内で改めて調査も実施したものの、「意図的に制作したものではない」と結論づけたとのこと。今回の問題は、リリース前のチェックプロセスにおいて、社会的な事件や実在人物との類似を十分に検証できていなかったことが一因だとし、「事業部としての管理機能が十分でなかった」と責任を認めました。
本件が社内で確認された後は、対策チームを立ち上げ、問題となったキャラクターの削除、利用者への説明、今後の対策検討の三点を進めてきたとしています。あわせて、これらの意思決定プロセスをめぐって事実関係と異なる噂が広がっているとしたうえで、「議論の時系列や決定内容について明らかに相違する点があり、これは虚偽であると考えております」と明確に否定しました。
カバー社は、再発防止策としてチェック機能の強化と制作・監修フローの見直しなどを提示。加えて、根幹に関わらないNPCについては今後、固有の名称を付けないとの方針も示しました。また、延期したイベントについて細心の注意を払いつつ、順次再開の検討をおこなっているとしています。
今回の声明に対し、X上では「誠実だと思いました」と評価する声もあるものの、「クソみたいな言い訳ばっかW」「いやさ…無理があるんだよ」など、「言い訳」と感じるユーザーも多い様子。「この会社は保身と誤魔化しと開示請求しかできないの?」「これを誰が信じるね~~~んwって話ですがこうでも言わないと今回の件はホロアース閉鎖レベルで済むか?な反社会行為なんで会社を守るためにこれ以外言えなかったんだろう」といった意見も寄せられています。
記事提供元:YouTubeニュース | ユーチュラ
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