阪神は史上最多の17人!? 増えてきた1億円プレーヤー【山本萩子の6-4-3を待ちわびて】第195回
イチオシスト

1億円プレーヤーについて語った山本キャスター
阪神に、NPB史上最多となる日本人17人の1億円プレーヤーが誕生する可能性が出てきた、というニュースがありました。2025年でいうと、ソフトバンクが14人。ヤクルトも、村上宗隆選手、山田哲人選手(複数年契約)、田口麗斗投手、中村悠平選手、小川泰弘投手が年俸1億円を超えていました。
「あれ、1億円プレーヤーって意外と多いんだ」と思った方もいるでしょう。かつて、年棒1億円は夢の数字でしたからね。プロ野球のレジェンドである王貞治さんの最高年俸は8160万円。プロ入りした1959年の年俸は144万円と言われています。もちろん、当時と今の物価の違いはありますが、隔世の感がありますね。
そして、日本人初の1億円プレーヤーとなったのは落合博満さん。1986年オフにロッテから中日へ移籍した際に、1億円超えを果たしました。それから約30年後、日本ハム時代の大谷翔平選手が入団3年目で年1億円を突破したことも大きなニュースになりましたね。高卒3年目の年俸が1億円に達したのは、松坂大輔さん以来でした。
そして気がつけば、現在は130人以上(推定年俸を含みますので、数字の正確性はひとまずおいておきます)。年俸1億円は、もはや夢の数字ではなくなったのかもしれません。
2024年には、ソフトバンクの周東佑京選手が1億円を突破しましたね。代走のスペシャリストとして知られていましたが、スタメンとしてチームに欠かせない選手になったことが評価されました。多くの才能豊かな選手がいる中で、スペシャリストとして認識されていた選手が1億円プレーヤーになるということは、ある意味で最高級の評価と言えるような気もします。

ことしも残り1ヶ月を切りました。どんな年でしたか?
プロ野球ファンが年俸をここまで気にする理由は、選手に対する評価の絶対的数値とも言えるからでしょう。
アメリカなどでは、コーチが選手を評価する際に用いる数値のひとつに「xwOBA」があります。これは、打球の初速度と角度から算出される指標で、打球の質を評価する野球のセイバーメトリクス指標です。守備の影響を排除した「期待される出塁率」を示し、打者の能力をより正確に反映するとされています。
選手の能力、結果を考慮して提示される年俸も、ファンにとっては球団側の選手の評価が目に見えてわかる貴重な数値です。思っているよりも年俸が高い選手がいたら、「この選手には、自分が見えている以上の能力、貢献度があるのだろう」と考えることもできます。
ヤクルトの中で契約更改が注目されたひとりは、荘司宏太投手でしょう。ルーキーとは思えないほど活躍し、新人王に選ばれた荘司投手の年俸は、3000万円増の年俸4200万円に上がったという報道がありました(金額は推定)。今後も活躍を続けて、ぜひ1億円プレーヤー、さらにその先を目指してほしいです。
もうひとりは、契約更新がまだの内山選手。来季から内野手に専念することが発表されましたが、今年も大車輪の活躍でしたから、2200万円からのジャンプアップに期待です。そんなふうに、経営者目線になって選手の年俸を話し合うのも、ファンたちのシーズンオフの楽しみかもしれませんね。
推定年俸は選手名鑑にも載っていますから、みなさんも選手たちの努力の結晶を見て、来季の活躍を願ってみてもいいんじゃないでしょうか。
それでは、また来週。

構成/キンマサタカ 撮影/栗山秀作
記事提供元:週プレNEWS
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