「天音かなた」がホロライブ卒業を発表 業務負荷・体調不良・タレント間の関係に言及

イチオシスト
VTuberグループ「ホロライブ」を運営するカバー株式会社は2日、「天音かなた」(登録者数165万人)が12月27日をもって卒業すると発表しました。
カバーが天音かなたの卒業を発表
天音かなたは2019年にホロライブ4期生としてデビューしたVTuberです。カバーの発表では、約6年間にわたり配信活動などを通じて活躍し、ホロライブプロダクションの発展に貢献してきたとしています。カバーは、これまで天音かなたを支えてきたファンや関係者に対し、「心苦しいお知らせではございますが、これまで温かいご支援をいただいたこと、心より感謝申し上げます」とコメントしています。
グッズの取り扱いについては、ホロライブプロダクション公式ショップにて別途案内を行うとし、詳細は同ショップのウェブサイト上で確認するよう呼びかけています。
あわせて各種サービスの終了時期も示されており、ファンレターの受付は卒業当日の12月27日到着分までとされています。YouTubeメンバーシップおよびメンバー限定コンテンツの公開期間は、2026年3月27日までを予定していると説明しています。
カバーは告知の結びで、卒業まで変わらぬ体制で天音かなたをサポートしていくとし、引き続きの支援と応援をファンに求めています。
【お知らせ】
「天音かなた」卒業に関するお知らせhttps://t.co/YnhNC93HT8— カバー株式会社 (@cover_corp) December 2, 2025
天音が生配信で卒業理由を明かす
天音は自身のYouTubeチャンネルで生配信を実施し、活動6周年となる12月27日にホロライブを卒業することを自身の口から報告しました。
卒業は数カ月前から決まっていたものの、情報漏洩を防ぐため、ホロライブのメンバーや多くの運営スタッフにも卒業は知らされておらず、この配信で初めて知ることになるとのこと。これは天音とカバーの合意のもとに取り決められたそうで、同じ理由で卒業記念の動画や製作物も一切なく、卒業ライブでのホロライブメンバーの参加もないということです。
天音は、
復帰や、いわゆる転生の予定はありません。デビュー前の元の生活に戻る準備もしています。それだけ覚悟をもって辞めることを決断しました
と説明。また、最近活動休止が続いていたのは、卒業が控えていることから無理をして体調を壊したためだとしました。
卒業の理由については、「恋人ができたとか、結婚するとか、妊娠したとか、事務所の誰かと揉めた、燃え尽き症候群など」は「一切ありません」と断言。あくまでも自身の場合だとした上で、
①当初想定されていた業務領域を大きく超えるタスクが発生していたこと
②自分の活動が回らないほど負荷が集中する期間が続いたこと
③仕事の負荷による心身の状態から活動の継続が難しいと感じるようになったこと
の3点を挙げました。
業務領域を大きく超えるタスクについては、「とある制作進行」において、担当部署があいまいだった業務を天音がおこなった時期があったとのこと。数カ月単位で自身の活動を減らさざるを得ず、「大きな落胆」となって「健全なバランスで活動することが難しいと考えるきっかけの一つ」となったと説明しました。また、天音はこれが自身だけに起きた問題であることを運営と確認したといい、運営からは今後他のタレントには起きないようにするとの説明を受けたことも補足しています。
過密スケジュールについては、制作上の都合やプロジェクトのタイミングが重なったことなどにより、短期間にレコーディングや収録が集中してしまったとのこと。ここでも自身の活動を最小限にせざるを得ず、体調にも大きな影響が出たといいます。医師の判断のもと、休職の診断書も提出し、運営からは業務整理の提案もあったのだとか。しかしとあるイベントを遂行するため、天音と運営側、双方合意のもとで仕事を続ける選択をしたそうです。しかしその結果、配信中に泣き出すなどファンを心配させてしまうことになったらしく、天音は「僕の判断の甘さ」だと反省の弁を述べました。
天音は心身の負担を解決するため、何度も何年も運営に相談を続けてきたとのこと。仕組みや体制の見直しが必要なものもあることから、運営側からは「必ず改善する」「時間がほしい」と言われたそうです。それから数年経ち、運営側も変える取り組みはしていたものの、天音は
現時点で自分の体調も鑑み、安心して長く活動を続けていけるイメージを持つことが難しいと感じてしまい、これ以上活動を続けていくのが自分には難しいと判断しました
と卒業を決断したようです。
天音はこれに加え、他のタレントとの関係についても卒業理由の一つに挙げました。
タレント間の関係において、精神的に負担となる出来事が続いていました。個人的な関係性というよりも、仕事として必要な範囲だけでもきちんと連携ができればと考えていたのですが、それも難しくなってしまう場面が重なっていきました
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みんなのお陰で楽しくて幸せな時間を6年間も送ることができました
天音は「ホロライブには人生の全てを懸けてきました」「ホロライブで活動ができたこと、心から感謝しています」とコメント。本当はホロライブの中でいろいろな挑戦をしたかったと語り、「気持ちだけで言えば本当は続けたかったです」と吐露します。そしてそのぶんを27日までの活動に込めようと思うと意気込みました。また、
僕が歌が大好きです。インターネットが大好きです。そして、VTuberの文化が大好きです。
みんなのお陰で楽しくて幸せな時間を6年間も送ることができました。デビューしてからの毎日は以前の自分には想像もつかなかったくらい楽しくてありがたくて、そして激動の日々でした。これは僕の力ではありません
と涙ぐみながら感謝も伝えました。天音は
本当は活動を続けることが一番の恩返しだったのに、こういう形になってしまってごめんなさい
と謝罪しつつ、
本当に本当に不器用な僕でしたが、それでも懲りずにずっと応援してくれてありがとう
とファンへ改めて感謝を伝えていました。
卒業が相次ぐホロライブ
ホロライブをめぐっては、今年3月から適応障害で活動休止していた「火威青(ひおどし・あお)」(登録者数74万人)が10月に卒業。5月には、VTuberとして最多の登録者を持っていた「がうる・ぐら」(同470万人)が卒業しました。
このほか4月には、「紫咲シオン」(同133万人)、「七詩ムメイ」(同118万人)、1月には「セレス・ファウナ」(同101万人)、「沙花叉クロヱ」(同134万人)が卒業・配信活動を終了。昨年10月には「ワトソン・アメリア」(同178万人)、昨年8月には「湊あくあ」(同223万人)が卒業するなど、メンバーの卒業が相次いでいます。
これ以外にも、10月に「赤井はあと」(同158万人)が生配信中に号泣し、運営への不満や孤立感を訴えるという出来事もありました。カバーからはその後、当時赤井は精神的に不安定だったとし、当面のあいだ活動を休止するとの発表がありました。
卒業についてのお知らせ
天音かなた6周年となる2025年12月27日をもちまして、
ホロライブを卒業します。
ぜひ読んでいただけたら嬉しいです。 pic.twitter.com/lvST9dWCrR— 天音かなた💫ホロライブ (@amanekanatach) December 2, 2025
(18:30追記 記事内容を追加しました)
記事提供元:YouTubeニュース | ユーチュラ
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