松山英樹のトレーナーが“救いの手” 不調乗り越えた19歳ルーキーが大会最年少Vも視野「狙えるなら狙います」
イチオシスト
<JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 初日◇27日◇宮崎カントリークラブ(宮崎県)◇6543ヤード・パー72>
今年6月の「ニチレイレディス」でルーキー一番乗りの初優勝を遂げた入谷響。40名しか出場できない初めてのエリートフィールドだが、初日は3バーディ・1ボギーの「70」。首位と3打差の8位タイで滑り出した。12月に20歳の誕生日を迎える入谷は、平瀬真由美が持つ大会最年少優勝記録(20歳27日)を更新する初の“10代V”を目指す。
「ひさしぶりにいいラウンドができました。自分でも恐ろしいと思うぐらいによかった。スコアは別としてイメージはいい」。その内容に満足度は高い。
平均飛距離260ヤード超の爆発的な飛距離を武器に、早々に最終戦の出場権を獲得していたが、夏場以降思わぬ不振に陥った。初優勝までに4回のトップ10入りを果たしていたが、優勝後はわずかに1回。予選落ちも2回だったものが、7月以降は8回に増えた。
復調のきっかけは松山英樹のトレーナーだ。先週の「大王製紙エリエールレディス」での予選落ち後。早めに宮崎入りし、前週行われていた国内男子ツアー「ダンロップフェニックス」の観戦に訪れた。
中嶋常幸が主宰する「トミーアカデミー」出身の入谷は、師匠の中嶋とともに、松山のプレーを観戦。その場に居合わせた松山のトレーナーで「トミーアカデミー」でも指導するパフォーマンスコーチの飯田光輝氏に会った。入谷が中学1年生の頃から親交があり、ひょんな話しから宮崎滞在期間を延長して、入谷の臨時トレーナーを務めることになった。
「単純に体がガチガチでした」。飯田氏が体をみると背中や足などスイングに欠かせない筋肉が硬直していた。もともと毎週トレーナーを帯同していない入谷は、セルフケアでここまで乗り切っていたが、「足りなかったのかな。それが連戦で積み重なってカチコチになっていました」と体の変調がスイングに影響を及ぼしていた。
「疲れてきて自分のスイングも変わって、変な動きをしてラクしようとする打ち方になっていた」。体全体を使うダイナミックな動きではなく、手先でクラブを操作するスイングになるとともに調子も落とした。
だが飯田氏の連日のケアにより体が思うように動くようになり、「優勝した頃と同じような感じでやれています。狙ったところに打てるようになりました。自分のなかで安心してプレーできています」。この日のドライビングディスタンスは268.500と1位を記録。持ち味を取り戻した。
宮崎入りするまで調子が上がっていなかったため「優勝とか順位ではなく、毎日2アンダー以上で回るのが目標でした」とこの日は合格点。「いい感じでプレーできるようになって欲が出てきそうですが、毎日2アンダー以上で回りたい」と話す。
国内メジャーの1つで、1979年に始まった大会だが、最年少優勝は平瀬真由美の20歳27歳。まだ10代の入谷は更新の可能性がある。「残り3日あるので何があるか分からないですけど、狙えるならもちろん狙いたい。予選落ちがないので攻めるだけ攻めていきたい」と意気込む。世界の松山を支えてきた飯田氏の“ゴッドハンド”を頼りに記録に残る1週間にしたい。(文・小高拓)
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