「昇進」はもう魅力じゃない? 7割の会社員が選ぶ「副業」という名の希望と現実の壁
イチオシスト
終身雇用や年功序列が崩れつつあり、従来の「昇進=成功」という価値観が揺らぐなか、特に若者世代では管理職への昇進を望まない声が増えていることが、かねてより指摘されてきた。一方で、物価高の影響から「稼ぎたいので副業をしたい」という意欲を持つ人も目立ちつつある。実際に収入を増やす手段として「昇進」よりも「副業」を選びたい人や、すでに副業を行っている人はどれほどいるのか見ていこう。

責任や負担を伴うより、自身の裁量で収入を増やしたい傾向に

2025年9月~10月、『副業アニメ リスクワ』を制作する事業家集団は、20代・40代の会社員1,017人を対象に「昇進と副業の意識」に関する調査を実施した。
「昇進により増える責任やプレッシャーと比べて、副業で収入を増やすことに魅力を感じるか」の調査では、「とても感じる(25.1%)」「やや感じる(42.8%)」と回答した人は約7割にのぼった。この結果から、現代の社会人の多くは、「昇進=安定」「役職=成功」という従来の価値観から離れつつある。報酬・責任・自由のバランスを自分で選びやすい“副業”の方に魅力を感じる人が増えていることがわかった。責任や負担を伴う昇進よりも、自分の裁量で収入を得たいという意識が高まっているようだ。
副業には大きな壁も

「現在、副業をしているか」の調査では、「はい」と答えた20代は26.2%、40代は15.9%という結果となった。20代では4人に1人が副業を行っており、40代よりも積極的な傾向が見られた。若い世代ほど新しい働き方を柔軟に取り入れ、収入や経験の幅を広げようとする意識がうかがえた。しかし“副業したい”という意欲とは裏腹に、実際に副業をしている人は多くない。

実際に、現在副業をしている人はどのような目的で副業を始めたのか。「副業を始めた理由」を調査したところ、「収入アップのため(71.5%)」が圧倒的に多く、次いで「物価や生活コスト上昇に対応するため(31.8%)」「新しいスキルを習得するため(23.8%)」が続いた。多くは“収入アップ”を挙げたが、深掘りすると、生活の安定・自己成長・キャリアの拡張・将来への備えなど、複数の理由が重なって副業を始めていることもわかった。

副業をしていない理由にはどのようなものがあるのか。「副業をしていない理由」の調査では、「会社規定で禁止されているため(20代33.6%、40代37.6%)」、「ワークライフバランスを守りたいため(20代27.5%、40代33.6%)」、「税務や手続きが面倒なため(20代24.0%、40代20.6%)」と、共通の回答が上位に挙がった。制度上の制約に加え、時間や労力の負担を理由に、家庭やプライベートとの両立を重視する人も多いようだ。
副業に興味があっても、制度や時間の壁に阻まれて踏み出せない人にとっては、会社でキャリアを積み、昇進を目指す働き方をとることで安定した環境で自分の強みを伸ばすことが、結果的に将来の選択肢を広げることにもつながるだろう。副業でも昇進でも、周りの価値観に流されず、自分の生活や価値観に合った形を探すことが大切ではないだろうか。
出典:【副業アニメ リスクワ】
※サムネイル画像(Image:Shutterstock.com)
記事提供元:スマホライフPLUS
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