逆転シードは勝利のみ 川﨑春花がQTも見据えて松山決戦へ「優勝は頭の片隅に置いて…」
イチオシスト
<大王製紙エリエールレディス 事前情報◇19日◇エリエールゴルフクラブ松山(愛媛県)◇6595ヤード・パー71>
メルセデス・ランキング(MR)75位の川﨑春花がラストチャンスにかけている。ルーキーイヤーの2022年に初優勝を果たし、それ以降継続してきたシードを死守するには優勝しかない状況。12月2日からの最終QT行きは覚悟しているが、「もちろん優勝は頭の片隅には置いています」と来季のシードが確定する明日からの4日間に向けて、力を込めた。
昨季は7月の「ミネベアミツミレディス」「大東建託・いい部屋ネットレディス」で2試合連続優勝するなど3勝を挙げた。MRは自己最高の9位に躍進。年間女王には同じダイヤモンド世代の竹田麗央が輝いたが、負けず劣らずのまばゆい光を放った一年だった。
だが、今季は3月の開幕前に不倫疑惑が報じられたことで、4月半ばまで活動を自粛。復帰後も予選落ちが続くなど、これまでトップ10入りは8月の「北海道meijiカップ」の一度だけ。苦しみ、悩み、自戒自省したシーズン。それでも、前週の「伊藤園レディス」は「67」「69」「71」と3日連続でアンダーパーを並べ、「今年一番いいゴルフができた。少し良くなりました。ショットの感覚が戻ってきた」と遅まきながらゴルフの感覚も戻ってきた。
この大会は4年連続4度目の出場。昨年は7位に入り、23年が19位、22年も11位と相性は悪くない。「コースも好きだけど、松山の町もすごく好きなんです。路面電車が走っているのもいいし、ご飯もおいしい。じゃこ天も買いました」。気持ちもリラックスしている。
考えることが多かった一年だった。MR9位からまさかの急降下。あまり前例のない大幅ダウンにマイナス思考になりがちだったが、「今、考えても一緒やなと…。考えそうになってしまう自分に対して、そう思っています。今、感覚は悪くない」と思えるようになった。それも成長だ。
22年の「日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯」でツアー初優勝を果たした。国内メジャー制覇による3年シードは有しているが、「そこはまだ使いたくない」と、まずは今週の一発大逆転を目指していく。「結果は求めていくけど、QTのこともしっかり考えていきたい」。長らく続く低空飛行。「こういう経験はしない方がいいんだろうけど、無駄にしないように頑張っていきたいです」と視線は真っすぐ前を向いている。
10日ほど前に長かった髪を20センチほどばっさり切った。「前から参加したかった」というヘアドネーションによる社会貢献だった。病気や事故などで髪を失った人たちのために医療用ウィッグを贈るボランティア活動。自身のSNSには「小さな想いが、誰かの笑顔につながるように」と記した。
ショートボブに変身して、「すごく軽くなった」と心もリフレッシュ。次は自分を笑顔にするために全力でプレーする。(文・臼杵孝志)
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