残留争いとプレーオフ出場を巡るサバイバルバトルに注目。上位は今節にも昇格クラブ決定の可能性も【2025明治安田J3リーグ第36節プレビュー】
イチオシスト
明治安田J3リーグは残り3試合。その第36節が15日(土)と16日(日)に開催される。それぞれの試合結果によっては、J2昇格チームが確定する可能性があるなど、いよいよ大詰めを迎える。
栃木シティ・田中パウロ淳一 (C)Jリーグ首位・栃木シティのJ2昇格が今節にも決まるかもしれない。3位の鹿児島ユナイテッドとは勝点7差で、今節のFC岐阜戦に勝てば、他会場の結果に関係なく2試合を残してのJ2昇格が決まる。
前節カマタマーレ讃岐戦は、地力の差を見せつける貫録の逆転勝ちを収めた。前半18分にPKで先制点を奪われるが、昇格争いを繰り広げるチームには焦りも乱れもなかった。後半に入って流れを取り戻すと、67分にCKから大嶌貴のゴールで同点。そして、75分にエースストライカーのピーター・ウタカがゴールネットを揺らして逆転に成功し、82分にはまたもCKから今度は佐藤喜生がダメ押しとなる3点目をゲット。終わってみれば危なげなく勝点3をつかみ取った。
これで8戦無敗。2カ月以上負けなしを続けているチーム力はダテではなく、アウェイゲームとなる今節で勢いそのままに歓喜の瞬間を迎えたいところ。昨シーズンのJ3昇格に続くJ2昇格という、2年連続でのカテゴリーアップの大偉業を成し遂げたい。
そして2位のヴァンラーレ八戸にも、今節の結果次第でクラブ史上初のJ2昇格が決まる可能性がある。八戸が勝利し、3位鹿児島と4位FC大阪が引き分け以下に終わるか、八戸が引き分けて、鹿児島とFC大阪がそろって敗れれば、残り2試合で勝点7以上の差が開いて悲願達成となる。
今シーズンは開幕から安定した戦いを続け、6月から9月にかけて無敗街道を邁進。長く首位の座をキープしてきた。ところが第33節栃木C戦で7敗目を喫すると、続く第34節のギラヴァンツ北九州戦も落として初の連敗を経験。前節奈良クラブ戦も引き分けに終わり、勝ち切ることはできなかった。ここに来て急ブレーキを踏む形となってしまっているが、ここまでの貯金もあって2位に位置しており、残り3試合で自力で自動昇格をつかめる立場にいる。まずは今節の高知ユナイテッド戦で勝利し、昇格に“王手”をかけて翌日のライバルチームの結果を待ちたい。
J2昇格プレーオフ出場圏内の6位を巡る争いもし烈を極めている。現在は北九州が6位につけているが、同勝点でツエーゲン金沢と奈良が並び、さらに1ポイント差で栃木SCが肉薄する“カオスな状況”でラスト3試合を迎える。
そして、今節は金沢と栃木SCの直接対決が組まれており、奈良はアウェイで福島ユナイテッド、北九州もアウェイでガイナーレ鳥取と対戦する。おそらく最終節までもつれるであろう“6位争い”を制するためには、1試合ごとの結果が大事。今節の結果から目が離せない。
また、残留争いも佳境を迎えており、今節では最下位のアスルクラロ沼津と16位のザスパ群馬の直接対決が注目カードとなる。JFLの結果によって今シーズンの降格枠が『1』になることが確定し、J3の19位は残留できることになった。だが、最下位のクラブは自動降格かJ3・JFL入れ替え戦に臨むのかが未確定だけに、まずは何としても19位に入りたいところ。沼津と勝点9差で今節を迎える群馬からすれば、引き分け以上でJ3残留を決められる状況にある。一方、沼津は19位の讃岐と3ポイント差のため、少しでもその差を縮めて残り2試合につなげたい。得失点差では上回っており、勝点で並べば逆転できるだけに、ここで勝点3を手にできれば、それは大きな価値を持つ。
それぞれの命運を分ける“ラスト3”の行方に注目だ。
【制作・編集:Blue Star Productions】
記事提供元:Lemino ニュース
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