飛んで曲がらない22歳のルーキーが狙うツアー初V 最終日は歴代賞金王との同組「楽しんで頑張りたい」
イチオシスト
<ACNチャンピオンシップ 3日目◇8日◇三木ゴルフ倶楽部(兵庫県)◇7004ヤード・パー71>
ニュースターの誕生か? 22歳のルーキー・福住修(しゅう)が首位と3打差の10アンダー・2位タイと絶好の位置につけた。今季主戦場とした下部のACNツアーでは初優勝を挙げ、ポイントランキング3位で来季のレギュラーツアー前半戦の出場権を獲得している。レギュラー出場8試合目で初優勝に手が届くのか? 最終日のプレーに注目だ。
シードを持たない選手の後半戦の出場優先順位を決めるリランキングは51位。今大会には出場できない位置にいる福住は細い糸を手繰り寄せるようにして、この舞台に立つ権利を得た。まず、10月の「石川遼everyone PROJECT Challenge」で下部ツアー初優勝。これにより先週の「フォーティネット プレーヤーズカップ」の出場権を得た。さらに同大会では8位でフィニッシュ。トップ10に入れば、次戦の出場権を得られるツアー規定により、滑り込みで今大会の出場を決めた。
そして、この日の猛チャージ。前半は1バーディ・2ボギーとスコアを1つ落としたが、後半にバーディラッシュ。11番パー3でティショットを1メートルにつけると、12番の7メートル、13番の2メートルとチャンスをものにする。14番では2打目を50センチにつけて4連続バーディ。さらに16、18番と2つのバーディを重ねて、後半だけで6つスコアを伸ばした。
「前半は勿体ないところもあったんですけど、しっかりパーを重ねて、チャンスでしっかりバーディを取れたのが良かった。距離はそこまでないコースなので、得意のドライバーでフェアウェイに打っていければ、チャンスを作っていけると思っています」。本人の言葉通り、パー3の11番を除くと後半のバーディはすべてドライバーでフェアウェイをとらえたホールだった。
出場義務試合数の不足で、部門別ランキングに名前はないが、今季のドライビングディスタンスは307.80ヤードとツアー7位相当の飛ばし屋。それでいて、この日のフェアウエーキープ率は71.429%を記録した。「中学、高校と狭いゴルフ場でガンガン振っていく練習をしていたので得意になりました」。飛んで曲がらないドライバーショットはそうして身に付けたものだ。
昨年のQT(予選会)では最終予選会で41位と、ツアーには出られていないが、双子の兄・将もプロゴルファー。小学1年で一緒にゴルフを始めた時から常に身近なライバルとして切磋琢磨してきたが、プレースタイルは違う。「ボクは横に振るほうで、兄は縦に振るので、スイングも球筋もけっこう違います。見比べたら面白いと思いますよ」。兄は来週、2次QTが控えている。
修にとって、今大会での優勝はもちろんだが、再びトップ10入りを果たして、次戦の出場権を得ることも目標のひとつ。「最終日は緊張していつもできていることができないと思うんですけど、それも楽しんで頑張りたいと思います」。最終組の1つ前で2018、19年の賞金王である今平周吾、現在賞金ランキング1位の生源寺龍憲とのペアリング。実力者2人に気後れすることなく、得意のドライバーを振り抜いていく。(文・田中宏治)
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