【JMS 2025】見逃しはない?BYDの商用EVトラックからカワサキZ900RS、スズキのバイクコンセプトまで!JMS2025で見つけた“働くクルマ”と“趣味のバイク”の未来
イチオシスト
ジャパンモビリティショー2025は、乗用車だけではない。本記事では、特に「働くクルマ」と「趣味のバイク」に焦点を当て、見逃せない展示をまとめた。世界初公開されたBYDの小型電気トラック「T35」やKIAの多目的EV「PV5」。そしてバイクファン待望のカワサキ新型「Z900RS SE/CAFE」や、スズキのEVファンバイク「e-VanVan」など、各社の意欲作が目白押し。ビジネスとホビー、両方の視点からモビリティの未来を探る。

マクラーレン ホンダ MP4/6

南館3(4階)の日本スーパーカー協会ブース内にマクラーレンの展示がある。McLaren Artura Spider、12Cカーボンモノコック(ローリングシャシー)、McLaren Honda MP4/6 (1991年 日本GP優勝車 No.2 ゲルハルトベルガー)と3台が展示。AR技術を使用したバーチャルドライブは、日本スーパーカー協会と共同開発。展示車Arturaを使用して提供された。ブランドストーリーパネルは詳細なものである。
BYD ラッコ

BYD RACCOは、世界で初めて日本専用に開発された軽のEV。日本の軽規格に合わせて開発されたBYDとして初の海外専用モデルであり、日本の軽自動車の主流であるスーパーハイトや、左右のスライドドアなどの装備を採用している。ネーミングは、絶滅危惧種である動物の「ラッコ」から名付けられ、地球の温度を1度下げるという企業ミッションに基づき、あらゆる命へのいたわりを込めている。駆動用バッテリーには、発火の恐れがない安全・安心なリン酸鉄リチウムイオン電池のブレードバッテリーを採用しており、ショートとロングレンジの2種類が準備。発売は2026年夏の予定だ。
BYD T35

T35シリーズは、BYD商用車部門が世界初披露として発表した日本専用設計の小型電気トラックだ。アルミバンと平ボディの2モデルが設定されている。1充電あたりの走行距離は、積載量1トン程度を確保しながらも、業界を圧倒的にリードする250kmを実現。車両総重量を3.5トン未満に抑えているため、普通免許で運転が可能。平ボディは使い勝手の良い4ナンバーサイズに設定されている。最新のスマートトラックとして、高度運転支援システム、シートベンチレーション、シートヒーター、12.8インチの大型モニターなどが搭載されている。また、災害時に外部充電できるV2Hや、手軽に100V電源を取り出せるV2L、スマートフォンのようなOTA(アップデート機能)といったEVらしい機能も標準装備されている。発売開始は2026年春頃を予定しており、価格は架装費込みで800万円前後を検討中。
ヤマハ トライセラ プロト
トライセラ プロト(TRICERA proto)は、人間研究に基づき、「意のままに操る喜び」、そしてそれを実現する「軽快なハンドリング特性」を、オープンエアの解放感に包まれながら体験できるモビリティとして紹介されている。三輪操舵の機構とEVパッケージを組み合わせた研究開発モデルだ。特筆すべきは、手元の操作で後輪の向きを切り替えることができる点。後輪がこれほど積極的に操舵に関与する構造は、既存のロードカーには見られないものである。この機構により、応答性が良く、コンパクトに曲がることが可能となり、乗員は体が振り回されない安定した一体感を感じられるとされている。これにより、ワクワクドキドキするような操縦感覚と、今まで感じたことのないコーナリングの味を実現している。また、知能化技術によって自ら成長するモビリティであり、教科学習技術で実現する次世代の2輪モビリティ、モトロイド ラムダ(MOTOROiD:Λ)もワールドプレミアだった。
BMW iX3/MINIポール・スミス・エディション
BMW iX3は、新世代「ノイエ・クラッセ」初の新型モデルであり、ジャパンモビリティショー2025においてアジア初公開された。これは、BMWグループ全体の未来を示す革新的な技術を搭載した電気自動車である。iX3は、電気モビリティ、表示・操作コンセプト、デジタル化、コネクティビティ、デザイン、サステナビリティなど多岐にわたる分野で技術的な飛躍を実現している。
特に、革新的なディスプレイと操作コンセプト「BMWパノラミックiDrive」は、新開発の「BMWパノラミック・ビジョン」と「BMWオペレーティング・システムX」を統合し、ユーザー体験を再定義した。また、第6世代(Gen6)BMW eDrive技術、円筒形セル・バッテリー、新開発電動モーターを搭載し、400kW充電により10分で372kmの航続距離を追加可能であり、双方向充電機能も備えている。日本向けiX3の生産は2026年3月に開始予定で、日本国内での発売は2026年後半が予定されている。
一方、MINIポール・スミス・エディションは、ジャパンモビリティショー2025を舞台にワールドプレミアされた。これは、1998年以来続くMINIと英国人デザイナー、ポール・スミスとの伝統的なコラボレーションの新たなマイルストーンとなる特別仕様車である。
本モデルは、ポール・スミスの世界的に有名な「クラシックにひねりを加えた」デザイン言語をMINIクーパー・ファミリーにもたらした。ノッティンガム・グリーンなどの限定エクステリア・カラー、ポール・スミスの「シグネチャー・ストライプ」などの洗練されたデザイン要素が特徴である。MINIポール・スミス・エディションは、MINIクーパー 3ドア、5ドア、コンバーチブルの各モデルで提供され、電気自動車モデルはワールドプレミアと同時に販売が開始され、内燃エンジン搭載モデルは2026年第1四半期に受注が開始される予定である。
Hyundai NEXO(ネッソ)

Hyundai Mobility Japanは、水素電気自動車(FCEV)専用モデル「NEXO(ネッソ)」の新型となる「The all-new NEXO(ネッソ)」を、Japan Mobility Show 2025にて日本市場に初公開し、2026年上半期に販売を開始することを発表した。
ヒョンデは1998年から水素技術開発に取り組み、2013年に世界初のFCEV量産化を実現。今年(2025年)のSeoul Mobility Showで世界初公開された「The all-new NEXO」は、同社が約27年間にわたり培ってきた水素技術の集大成である。ヒョンデは、このモデルを通じて水素社会の実現に向けた技術的リーダーシップを示し、日本政府の水素社会構想やZEV推進政策と歩調を合わせることで、脱炭素社会の実現に貢献するとしている。
この新型モデルは、新型燃料電池システムとパワートレインの進化により、性能と快適性が大幅に向上した。燃料電池スタックの最高総出力は従来比16%増の110kW、新型電気モーターは最大150kWの出力を発揮する。水素タンク容量も増加し、WLTP基準で最大826kmの優れた航続距離を達成した。
また、PE(パワーエレクトリック)システムの出力が135kWから190kWへ、バッテリー出力は40kWから80kWへと倍増し、0-100km/h加速タイムは7.8秒へと短縮された。デザイン面では、新しいデザイン言語「Art of Steel(アート・オブ・スティール)」を体現し、力強く洗練されたスタイルを実現している。その他、広々とした室内空間、V2L(Vehicle-to-Load)機能、プレミアムオーディオ「Audio by Bang & Olufsen」の採用など、快適装備も充実している。
NEXOが他社の水素カーに比べて秀でている部分を伺った。「まず、ボディタイプで、SUVタイプのFCV(燃料電池車)はあまりない点です。そして、航続距離が長いこと。日本仕様の数字はまだ出ていませんが、800km以上は出ると見込んでいます。これにより、かなり効率が良くなっています。また、NEXOが2世代目となるため、1世代目の市場からの声などを反映した改良が行われています。具体的な改良点として、タンクの容量を大きくしたり、モーターの効率を高めたりしたことが挙げられます。何と言っても、NEXOの開発には、20何年もの経験が投入されており、これがアドバンテージとなっています」
KIA PV5
韓国のKIAが、EVのPV5パッセンジャーとカーゴを展示した。パッセンジャーではEVアーキテクチャの利点を活かして室内空間を最適化し、大人5名がゆったり座れるスペースを確保、底床設計により、楽に乗り降りができる。カーゴは、底床設計により、貨物のスムーズな積み下ろしができる。運転席からの視認性の高さと充実したADASにより、ドライバーの疲労軽減にも貢献している。プラットフォームには、EV専用のE-GMP.S(Electric Global Modular Platform for Service)が採用されている。
カワサキ Z900RS SE/Z900RS CAFE
カワサキモータース、人気のレトロスポーツモデル「Z900RS」の進化形となる「Z900RS SE」と「Z900RS CAFE」をワールドプレミアモデルとして出展した。
2026年モデルとして登場する「Z900RS」シリーズには、新たに電子制御スロットルバルブを備えたエンジンを搭載し、低・中回転域でのコントロール性と高回転域での出力が向上した。また、IMUを活用したカワサキコーナリングブレーキマネジメントファンクション(KCMF)、最新のカワサキクイックシフター(KQS)、クルーズコントロール、スマートフォン接続機能など、ライダーサポート機能も拡充され、走る楽しさと快適性が高まっている。スタイリングでは、レトロスポーツイメージを強調する新設計のメガホン型サイレンサーとエキゾーストヘッダーパイプを採用した。
上級グレードの「Z900RS SE」は、車体色にゴールドのアウターチューブが際立つファイヤーボールカラーを採用している。オーリンズ製リヤサスペンションやブレンボ製ブレーキシステムに加え、日本仕様では前後ドライブレコーダーが標準装備されるなど、パフォーマンスと安全性を高めたモデルである。
「Z900RS CAFE」は、「Z900RS」をベースに、往年のスーパーバイクレーサーを彷彿とさせるモデルである。フロントカウルやドロップタイプのハンドルバー、専用の段付きシートを組み合わせた。燃料タンクにのみグラフィックが施され、全体をシンプルかつスポーティに演出しており、このグラフィックは歴史的名車「マッハ」シリーズのレインボーラインに着想を得ている。専用のKAWASAKIヘリテイジロゴ、上質なヘアライン仕上げのサイレンサー、ショートミラーを装備し、よりレーシーなライディングポジションとクラシカルなスタイリングが特徴である。
スズキ Vision e-Sky
スズキは、「バイユアサイド」を新たなコーポレートスローガンに掲げ、「あなたにワクワクのアンサー」をテーマとした多様なモビリティを提案した。カーボンニュートラル実現に向け、EV、CNG、CBG、FFVなど、地域やエネルギー事情に応じたマルチパスウェイでの挑戦を継続しており、お客様の生活に寄り添った適材適所のモビリティがCO2削減の近道であると考えている。
1. Vision e-Sky(ヴィジョン イー・スカイ)
お客様の生活に寄り添う「ちょうど良い」軽乗用BEVのコンセプトモデルである。日々の通勤や買い物、休日の遠出など、軽自動車を「生活の足」として愛用する顧客の毎日に寄り添うEVとして提案され、2026年度内の量産化を目指している。テーマは「ユニーク・スマート・ポジティブ」で、スズキらしい前向きで明るいデザインを表現した。航続距離は270km以上を目標とする。このモデルはワールドプレミアである。
2. e-VanVan(イー・バンバン)
遊びゴコロのあるBEVファンバイクのコンセプトモデルである。EVになってもバイクに乗る楽しさや、操るワクワクを感じたいという願いを叶えることを目指して誕生した。1970年代に人気を博したレジャーバイク「VanVan」をモチーフとし、独創的なスタイリングとデジタルテーマのユニークなカラー&グラフィックで先進性を表現した。このモデルもワールドプレミアである。
3. GSX-8T / GSX-8TT
2025年7月に発表された新型ネオレトロモデル「GSX-8T」と「GSX-8TT」は、日本市場での市販予定車として初めてお披露目された。GSX-8Sをベースとし、レトロとモダンを融合させたスタイリングデザインと最新の電子制御を組み合わせることで、走りに安心感と楽しさを享受できるミドルクラスのバイクモデルである。これはジャパンプレミアである。
【JMS 2025】見逃しはない?BYDの商用EVトラックからカワサキZ900RS、スズキのバイクコンセプトまで!JMS2025で見つけた“働くクルマ”と“趣味のバイク”の未来
400号記念:UK400マイルロードトリップ/フェラーリ F80/フェラーリハイパーカー:トップギア・ジャパン 069
このクルマが気になった方へ
中古車相場をチェックする
![]()
ガリバーの中古車探しのエージェント
![]()
今の愛車の買取価格を調べる
カーセンサーで最大30社から一括査定
![]()
大手を含む100社以上の車買取業者から、最大10社に無料一括査定依頼
![]()
新車にリースで乗る
年間保険料を見積もる
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
