田舎にある古びた屋敷 覆面をつけた男性の背中 異様な気配と不穏さ 「視える」本編冒頭映像
イチオシスト
2025年11月7日より劇場公開される、2024年のサウス・バイ・サウスウエスト映画祭でプレミア上映され、ミッドナイターズ部門で観客賞を受賞した、アイルランド発のゴシック・超常サスペンス・ホラー映画「視える」から、本編の冒頭映像が公開された。
映像は、静まり返った田舎の風景から幕を開ける。やがてカメラは、本作の舞台となる古びた屋敷へ。部屋の改装を進める一人の女性の姿が映し出される。そして、屋敷の1階には人を感知して自動で撮影を行うカメラが設置されている。場面が変わり、屋外の階段に腰かける男性の前に、白衣姿の人物が現れ「こんな所で何をしている? 中に戻れ」と冷たく命じる。男性はその言葉に従い、静かに建物の中へと戻っていく。やがて映し出されるのは、覆面をつけた男性の背中。何かに取り憑かれたような異様な気配を放つ姿には、不穏さがにじんでいる。
「視える」は、盲目の霊能力が“呪いの人形”とともに、未解決殺人の闇に挑むゴシック・超常サスペンス・ホラー。罪の償いをテーマに据え、「目に見えない恐怖」を描く。監督は、アイルランドの新鋭ダミアン・マッカーシー。低予算ながらも長編2作目にして高い評価を獲得している。
一足先に本作を鑑賞した著名人によるコメントも公開された。コメントは以下の通り。
【コメント】
■川奈まり子(作家)
ひとことで言ってパーフェクト!
ゴシック調の映像美と謎解きミステリーのロジックや現代性を1ミリの破綻も無く融合させた完璧なサスペンスホラーでした
■好事家ジェネ(YouTuber)
嗚呼、痛快だ!
欲に穢された屋敷で静かにはじまる、美しき血の断罪。
例え天が見逃そうとも、日陰に生き闇を見つめる者にそれは「視える」。
いつだって正しく優しいのは、人形と死者という、もの言わぬひとなのである。
■田中俊行(呪物蒐集家)
闇の中で誰かの息遣いを感じるとき、私たちは何を“視て”いるのか。この映画は、静かな悪意と美しい映像で感覚を狂わせてくる。
観終えてもしばらく現実に戻れない。
盲目霊媒師の呪物、全部欲しい。たぶん呪われてもいい。
■はやせやすひろ(都市ボーイズ)
呪われた品を取り扱う骨董店が物語の軸となる時点でもう最高!呪物コレクターの僕は「これも欲しい。あれも欲しい」とショッピングの様に映画を鑑賞しました。中でも気に入ったのは呪いの木製マネキン。うちに来たらどこに置こうかな?などと呑気に観ていると、自宅で保管している呪物たちが一気に恐ろしく感じてしまう程の衝撃の結末。呪物コレクターさえも恐怖する映画「視える」かなりオススメです!観ないと呪われるかも…。
■山崎圭司(映画ライター)
現実にないものが「視える」ことは、常人の理解が届かぬ不可解の暗闇を一条の光で照らす。しかし同時に、決して共有できないその光の眩さゆえに、さらに濃い疑念の影を生む。だが、「視える」ことを羨ましがる必要はない。この映画があえて描き飛ばす重要な空白を想像で補う。そのとき、心の眼には存在しないはずの背筋も凍る光景が確かに「視える」からだ。強制的に「視える」を起動させる本作は、実に恐るべき心霊スリラーである。
【作品情報】
視える
2025年11月7日(金)よりシネマート新宿ほか全国順次公開
配給:アンプラグド
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記事提供元:映画スクエア
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