米ツアー史上3人目の2冠へ 山下美夢有、記録には無頓着も「出る試合は全部勝つつもりで」
イチオシスト
<TOTOジャパンクラシック 事前情報◇5日◇瀬田ゴルフコース北コース(滋賀県)◇6616ヤード・パー72>
マレーシアで行われた前週の「メイバンク選手権」で米ツアー2勝目を挙げた山下美夢有が、プロアマ大会後に取材に応じた。2023年以来となる自身2度目の2週連続優勝が懸かる凱旋試合。気温差約20度という寒さには閉口したが、8月の「北海道meijiカップ」以来となる日本での試合とあって、自然と笑顔を見せた。
「暑いところから寒いところに来たので…。寒いのはちょっとですけど、疲れはないです。大丈夫です。久しぶりの日本での試合なので楽しみだし、日本で一週間過ごせるのがうれしいです」
前週は最終日に8打差を追いつき、三つ巴のプレーオフ1ホール目でバーディを奪取。「AIG女子オープン」(全英)に続く優勝をつかみ取った。「トップに立つことも、プレーオフになることも想像していなかったけど、自分のゴルフができたと思います」。世界ランキングは自己最高の4位に浮上。2010年の宮里藍に続き、日本勢として2人目の世界一も視野に入ってきた。
「そこは意識せずに、残りの試合でベストを尽くしたい。いま取り組んでいるスイングを意識しながらやって、結果がついてくればいいなと思います」
記録の類には以前から頓着がない。だが、周囲の期待は高まる。世界一にはもう少し時間がかかりそうだが、今週は米ツアーの長い歴史の中でも、これまで2人しか達成していない“2冠”に挑む重要な大会となる。
まず、竹田麗央とのマッチレースとなっている新人賞。同ランキング1位の山下は2位の竹田に206pt差をつけており、2週連続Vを達成すれば、昨年の西郷真央に次いで日本勢3人目の戴冠が濃厚となる。
もう一つは年間最優秀選手賞のタイトルだ。同ランキング1位のジーノ・ティティクル(タイ)は今大会不在。仮に山下が優勝すれば30ptを加算して177ptとし、169ptのティティクルを逆転する。
これまで新人賞と年間最優秀選手賞を同一年に獲得したのは、1978年のナンシー・ロペス(米国)と2017年のパク・ソンヒョン(韓国)の2人だけ。今週を含めて今季も残り3試合。「意識はしていない。特に考えたことはない」と予想通りの答えが返ってきても、見る側の胸は高鳴る。
「出る試合はいつもと変わらず優勝を狙っています。タイトルよりも、目指している優勝を意識していきたいです」
狙っている優勝を手にすれば、記録は自然とついてくる。この大会は6年連続6度目の出場で、過去最高は22年の5位(20、21年は日本ツアー単独開催)。米ツアーメンバーとして臨む日米共催大会。機は熟した。(文・臼杵孝志)
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