盲目のお笑い芸人・濱田祐太郎の新連載がスタート!「こんなに目が見えないのを悔やんだことはないですよ」

盲目のお笑い芸人・濱田祐太郎の「死角からの一撃」
『R-1ぐらんぷり』第16代王者にして、盲目のピン芸人・濱田祐太郎。10月20日(月)発売の『週刊プレイボーイ44号』より連載コラム「盲目のお笑い芸人・濱田祐太郎の『死角からの一撃』」がスタートします! 第1回は「自己紹介」。
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皆さん、初めまして。盲目のお笑い芸人・濱田祐太郎です。
今号より週刊プレイボーイでコラムを連載させていただくことになりました。よろしくお願いします。
僕のことを知らない方も多いと思うので、軽く自己紹介をさせていただきます。
僕は生まれつき「先天性緑内障」という病気の影響で、今は左目がまったく見えず、右目も明るさや暗さがわかる程度の状態です。
ただ、実は子供の頃は右目が少しだけ見えていて、テレビ画面に近づけばゲームができるくらいの視力はありました。
僕は今年36歳で、子供の頃にやっていたゲームといえば、Nintendo 64の『大乱闘スマッシュブラザーズ』や『牧場物語2』、スーパーファミコンの『星のカービィ スーパーデラックス』や『スーパーマリオRPG』、ゲームボーイの『ポケットモンスター』シリーズや『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド』が好きでしたね。
とはいえ、当時も視力自体は0.03ほどしかなかったので、動きがスピーディなものはできませんでした。
周りではやっていた『マリオカート64』は特に難しくて、自分でも気づかないうちに逆走していたり、海に沈んでたり、湖を飛び越えるジャンプ台があるコースでは方向がずれて湖の中に真っ逆さまになったりしていました。
高校生になる頃には視力もさらに下がり、ゲームもできなくなっていました。なので、僕は雑誌や週刊誌というものにまったくと言っていいほどなじみがありません。
もちろん週刊プレイボーイも読んだことがなく、どんな内容のものかわかりません。
ただ、知り合いの20代の女性に「週刊プレイボーイで連載しはじめるんだよね」という話をしたら、「連載は読みたいけど、レジに持っていくのは恥ずかしい雑誌だね」と言われました。「いったいどんな週刊誌なんだ?」と思いましたよ。
それでもどうやら男性には人気があるみたいで、周りの知り合いの男性に話すと「新幹線の中でよく読んでるわ」とか「いい時間潰しになる」と言ってる人が多かったです。
詳しく話を聞くと、セクシーな女性のグラビア写真が載ってるらしいじゃないですか。それは見てみたかった。こんなに目が見えないのを悔やんだことはないですよ。
今これを読んでいる読者の誰よりも僕のほうが週刊プレイボーイを見たい気持ちが強いと思います。
そして肝心のお笑い芸人としては、2013年にデビューしまして、18年に『R-1ぐらんぷり』(現『R-1グランプリ』)で優勝。
その後に放送された特番『濱田祐太郎のした事ないこと!』で車の運転にチャレンジして、見えないながらも車庫入れに成功。教習所のおっちゃんから「何者ですか?」と言われる。
24年に放送された冠番組『濱田祐太郎のブラリモウドク』が日本民間放送連盟賞テレビバラエティ部門で最優秀賞に選ばれる......などが代表的な経歴だと思います。
それぞれの細かい話はまたの機会に書いていこうと思ってます。
最後に、お笑い芸人としての目標は、全国放送のバラエティ番組でMCをすることです。
目が見えないからできないことだとはまったく思いません。周りの協力やちょっとした工夫があれば必ずできることだと思ってます。
その目標を達成するために頑張っていきますので、この連載ともども、よろしくお願いします!
いやーしかし、やっぱりセクシーなグラビアが見たかったな......くっそー......。
●濱田祐太郎(はまだ・ゆうたろう)
1989年生まれ、兵庫県神戸市出身。2013年より芸人として活動を開始し、『R-1ぐらんぷり2018』(フジテレビ)で優勝。関西の劇場を中心に舞台に立つほか、テレビやラジオなどでも活躍。公式X【@7LnFxg25Wdnv8K5】
撮影/梅田幸太
記事提供元:週プレNEWS
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