過去2位3回の石川遼が挑む日本タイトル 22年ぶり日本OP開催の日光CC“2%勾配”ってなんだ?
<日本オープン 事前情報◇15日◇日光カンツリー倶楽部(栃木県)◇7238ヤード・パー70>
このナショナルオープンで過去に2位3回、3位1回の成績を残している石川遼が、アマチュア時代を含めて15回目の出場となる今年、日光の地で初タイトルを目指す。
2003年以来、22年ぶり2度目の「日本オープン」を開催する日光CC。石川が日光で戦うのは2021年の「日本プロ」以来、2度目となる。4年ぶりにラウンドした日光は「18ホール全部覚えていました。(日本プロより)今年の方がラフは長く、グリーンが硬くて速い。グリーンは小さい上に、アンジュレーションが大きいので難しい」と印象を口にした。
開幕前日までのグリーン状況は、速さは12フィートで硬さは山中式で23~24に設定されている。硬く速いグリーンだが、大会初日に雨予報が出ているため、この数値をどこまで維持できるか。また、ラフの長さは100ミリの予定だが、フェアウェイサイドのラフはところどころ100ミリ以上の長さになり、グリーン回りはおおむねボールがすっぽりうまく長さになっている。想定外に長くなったラフは人が歩く方向に寝ている箇所が多いが、ブロワーでラフを立たせる作業をして、ラフとしての“ペナルティの役割”を際立たせる予定だ。
さらに、前回開催時にも話題になった“2%勾配”が選手を惑わせる。100センチあたり2センチの高低差があると2%勾配になるのだが、人間は感覚的に2%の傾斜は平らに見えると言われている。日光CCは東西に約3キロあり、最も高いところと最も低いところで55メートルの高低差があり、コース全体の勾配が2%になる。
つまり、平らに見えても実は打ち下ろしや打ち上げ、という状況が生まれる。この2%勾配について石川は、「打ち上げ、打ち下ろしは(高低差の)数字があり、そこは数字にコミットしているのであまり気にならない」としながらも、「手前から奥に下っているグリーンがあるので、セカンドショットからの見た目は受けているように見えて、転がったり、グリーンの上りと下りは見えと違うところがある」と警戒する。
昨年大会の舞台・東京ゴルフ倶楽部は、想定外にラフが伸びて200ミリを超えるところもあった。「昨年は林と林の幅が広かったので、その分ラフを深くしたという印象があります。今年は林と林の間隔が狭いので、ラフがそこまで深くなくても、ティショットを外したら十分グリーンを狙うのが難しくなる。昨年ほどラフは長くないけど、コースの狭さを生かしていると思います」と、フェアウェイキープを攻略のカギに挙げる。
「結果的に高い数字になっていくように、4日間マネジメントしていきたい」とパーオン率も求めていく。ただし、「パーオン率に反映されなくても、パーをとりやすいところに外すこと」も考えてコースと向き合う。
「ほかの大会よりも2位のイメージがあるけど、まずは最終日に優勝争いできる位置にいたい。そこまでは他の選手に関係なく、自分がいいゴルフをすれば上位にいける。まずはそこを目指したい」
今年は伝統のタイトルだけでなく、優勝者には「全英オープン」に加えて「マスターズ」の出場権が付与される。「大きな変化。選手にとって非常にいいこと」と話したが、最終日の終盤まではコースと対峙する。(文・小高拓)
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