“因縁”渋野日向子とは「一緒にプレーしたい」 佐藤心結が描く連覇→米予選会への道
<スタンレーレディスホンダ 事前情報◇8日◇東名カントリークラブ(静岡県)◇6435ヤード・パー72>
1年前にツアー初優勝を挙げた大会は特別なもの。佐藤心結はその想いに加え、富士の麓に未来への期待も抱いて戻ってきた。「あれからもう1年…早く感じました」。優勝を決めた大会は、ピンポジションなども鮮明に覚えている。「連覇を目指していきたい」。力もこもる。
ここは、特に思い入れの強い場所だ。まだ茨城・明秀学園日立高3年生だった2021年には首位の1人で3日間を終えプレーオフに進出。最後は渋野日向子に敗れ、悔し涙を流したが、月日は経ち昨年は優勝をつかんだ。「去年は全部ドライバーでティショットを打って、それがよかった。今年も全部ドライバーで打つつもりです」。強気で制したプレースタイルを思い出し、全力でクラブを振っていくつもりだ。
12日(日)の最終日を終えると、その日のうちに渡米。今月15日(水)からフロリダ州ベニスで行われる米国女子ツアーの2次予選会を受ける。強行日程だが、これも今の希望のひとつ。ここを通過すると、12月4~8日の5日間の日程で開催される最終予選会(アラバマ州モービル)に進出しメンバー入りを争う、いわば登竜門だ。「海外メジャーで優勝したい」。この大目標へ向け、第一歩を踏み出す。
「竹田麗央、山下美夢有さんなどが優勝したり、メジャーで勝ったり、みなさんの活躍がすごく刺激になっている。まずはしっかりと最終(予選会)に行きたい」。今季から米国を主戦場にする同学年選手や先輩のプレーも、その背中を押した。「日本ツアーも世界的に注目されている」というのも承知しているが、「世界最高峰」と呼ばれるツアーの魅力にも引き込まれる。
今週は、その米ツアーから渋野、古江彩佳、明愛&千怜の岩井姉妹、笹生優花、そして今年は下部ツアーでプレーし、来季の昇格を果たした原英莉花が参戦。特に渋野とは「一緒にプレーしたい気持ちはもちろんある」と特別な感情も抱いている。「すごく楽しい一週間になる」。ひとつの“試金石”ともいえる。
「自分を成長させてくれた大会なので、いい結果で終えて、いいイメージのままアメリカにいきたい」。米国でプレーすることは、長年の目標だった。今季開幕前から、「来年は…」という気持ちで試合にも臨み、今、そのスタートが目の前まで迫っている。決断をくだした22歳が将来へつながるプレーを見せる。(文・間宮輝憲)
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