FeliCa非搭載の格安スマホは買っても大丈夫? 非搭載端末でできること・できないこと
近年、スマートフォン(以下スマホ)の市場では、格安モデルや海外製のSIMフリースマホが人気を集めています。これらの端末の中には、FeliCaを搭載していないものが少なくありません。なおFeliCaはソニーが開発した規格で、主におサイフケータイや交通系ICカードの決済に使われています。
FeliCa非搭載のスマホは価格が抑えられ、スペックも十分なものが多く、予算を重視するユーザーにとって魅力的な選択肢です。しかし、「FeliCaがないと不便じゃないの?」「本当に買っても大丈夫なのか?」という疑問を抱く人も多いでしょう。
この記事では、FeliCa非搭載のスマホでできることとできないことを詳しく解説します。

FeliCa非搭載のスマホで主にできないこと
FeliCaは日本で広く普及した技術ですが、非搭載の端末ではその恩恵を受けられません。主に決済や認証関連で制限が生じます。以下に主なできないことを挙げます。各項目で、なぜできないのかなど代替案にも触れながら説明します。
おサイフケータイ全般の利用(楽天Edy、nanacoなど)

FeliCaは楽天Edyなどに代表される電子マネー決済の基盤となっているため、非搭載のスマホではアプリをインストールしてもタッチ決済ができません。そのためコンビニやスーパーでスマホをかざして支払う「おサイフケータイ」機能が使えなくなります。
そのため、これまでおサイフケータイを愛用してきた方にとっては、日常の少額決済で少し手間が増える可能性があります。
モバイルSuicaやPASMOなどの交通系ICカードのタッチ決済

モバイルSuicaは、JR東日本が提供するサービスで、電車やバスの改札をスマホで通過できる便利な機能です。しかし、FeliCa非搭載のスマホ本体では、これらのタッチ決済が利用できません。非搭載端末でもモバイルSuicaアプリ自体はインストール可能ですが、チャージや残高確認はできても、物理的なタッチ(非接触通信)が必要な場面で機能しません。
ただし、完全に使えないわけではなく、スマートウォッチ(例: Apple WatchやGalaxy Watch)とペアリングすれば、ウォッチ側でSuicaを利用可能です。
一部のスマートロックや入退室管理システムの利用

オフィスやマンションでFeliCa対応のスマホを鍵代わりに使うシステムが広がりを見せているものの、非搭載端末ではこれが利用できません。たとえば一部の海外製スマホ(Nothing Phoneの初期モデルなど)では、海外製スマホでは、この機能が欠如し、別途ICカードやアプリ認証が必要になります。 これは、ビジネスパーソンやセキュリティ重視のユーザーにとっては不便に感じる点です。
地域限定のFeliCaベースサービス
地方のバスカードや店舗の独自ポイントシステムでも、FeliCaを採用している場合もあります。近年は地域性の高いポイントサービスや行政サービスのアプリ化も進んでいますが、まだ完全移行していないものもあります。
そのため地域のサービスをFeliCa非搭載スマホで利用し続ける場合には、物理カードなど代替手段があるか確認し、代替手段がない場合には利用をあきらめざるを得ない場合がでてくるでしょう。
FeliCa非搭載のスマホでも主にできること
FeliCaは、おサイフケータイに代表される決済機能に用いられることがほとんどです。そのためFeliCa非搭載端末であろうと、基本的なスマホの役割自体は特に影響を受けません。高性能カメラ、バッテリー持ちの良さ、5G対応など、格安スマホの強みを活かせます。
動画視聴、SNS、ナビゲーションなどは問題なく行え、むしろFeliCa非搭載によるコストダウンでスペックが向上しているモデルも多いです。

たとえば2025年3月に発売されたXiaomiのハイエンドスマホであるXiaomi 15 Ultraは、ライカ共同開発のクアッドカメラシステムが話題になりましたが、実はFeliCa非搭載。そのためグローバルな仕様に開発リソースを集中できるため、最新プロセッサの早期搭載、カメラやディスプレイといった主要スペックの強化、さらには価格抑制につながっています。
FeliCa非搭載は、日本市場における一部の利便性を犠牲にする選択ですが、その分、1インチ大型センサー搭載のLeicaカメラやSnapdragon 8 Eliteプロセッサ、急速充電・高性能ディスプレイなど、妥協のないハイエンド体験を優先する端末設計が実現しています。
ではFeliCa非搭載の場合、こうした端末での決済はどのように行うことになるのでしょうか。
QRコード決済

PayPayなどに代表されるQRコード決済は、FeliCaを必要としません。アプリでQRコードを表示または読み取るだけで決済が可能です。コンビニ、飲食店、スーパーなどで広く対応しており、キャッシュバックキャンペーンも豊富。FeliCa非搭載の海外SIMフリースマホでも問題なく使え、むしろこれが主流になりつつあります。 例えば、PayPayはスマホのカメラでコードをスキャンするだけなので、非搭載のデメリットを感じにくいです。
Visaタッチ決済やMastercard Contactlessなどの国際NFC決済

NFC Type-A/B対応のスマホであれば、Google PayやApple Pay経由でVisaやMastercardのタッチ決済が可能です。FeliCa非搭載のXiaomi 15 Ultraのような端末でも、レジでスマホをかざして支払いができます。
これは海外旅行時にも便利で、日本国内の対応店舗も増えています。
スマートウォッチ連携による拡張機能

Apple WatchやGalaxy Watchなどのスマートウォッチと組み合わせることで、ウォッチ側でFeliCa相当の機能を使うことができます。
使い方はApple Watchの場合はApple Pay、Galaxy WatchやPixel Watchなどの場合はGoogle PayにSuicaを登録するだけ。いずれも複数の支払い方法を登録できますが、デフォルトにしたいカードを切り替えることでSuicaをメインの支払いカードに設定することができます。
決済方法の選択肢が増えた今、FeliCa非搭載端末は単に不便なだけでなく、賢い選択肢の一つとなっています。
FeliCa搭載で価格が上がるのを避けたい場合、非搭載モデルはコスパが高く、QRコード決済や国際NFC決済などは通常通り利用可能です。もちろん、毎日電車通勤でSuicaを使ったり、おサイフケータイに依存した生活をしている人は、FeliCa搭載モデルを選ぶのがおすすめです。
一方で「モバイルSuicaはスマートウォッチで使えば十分」「利用している地下鉄が、クレジットカードのタッチ乗車への対応を始めた」などの場合、FeliCa非搭載端末への買い替えを検討するのは十分価値があるといえるでしょう。
※サムネイル画像(Image:Michael Dechev / Shutterstock.com)
記事提供元:スマホライフPLUS
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