男女の賃金差「不公平」と感じる女性は5割超! 公表義務化後も“変化なし”が8割
仕事内容は同じであっても男女の間で賃金に差が生じる賃金格差は、重要な社会課題となっています。国際的に格差是正の取り組みが進む一方、日本では依然として女性活躍推進政策の成果が十分に上がっていない現状があります。しゅふJOB総研は、主婦層を中心とする就労志向の女性にアンケート調査を実施。この格差についてどのように感じているのか、そのリアルな声を見ていきましょう。

男女の賃金格差に不公平だと感じたことがある人は半数以上

株式会社ビースタイル ホールディングスが運営する、仕事と家庭の両立を希望する主婦・主夫層の実情や本音を探る調査機関「しゅふJOB総研」は、2025年5月19日(月)~31日、「男女の賃金格差」をテーマに主婦層を中心とする就労志向の女性にアンケート調査を実施。
※有効回答数:874件
女性と男性との間で賃金差があり、不公平を感じたことがあるかを尋ねると、53.8%が「ある」と回答しました。

続けて、どのようなことに不公平を感じたのかを尋ねると「男性のほうが賃金が高く、女性は低い」82.9%で最多となりました。
これについて、「同じ経験年数、成果でも男性のほうが昇進しやすい。なんなら、男性は大黒柱だからとか、理解できない理由で、評価に差をつけられたことがある」(40代:フリー/自営業)、「体力の違いはあれど、いまだに日本では男尊女卑のマインドが根づいていることから、賃金差が生じていると感じる」(50代:フリー/自営業)、「女性が主に家事育児を負担するという世の中の当たり前がなくならない限り、女性が会社や社会で活躍できないので、いつまでも賃金差がなくならないと思う」(40代:正社員)というコメントが寄せられました。
「仕事への責任の重さで差がつくとき」賃金差に納得

同じ仕事をしていても賃金差が生じる場合、どのような理由だと納得感があるのかを尋ねてみると(複数回答可)、最も多かったのが「仕事への責任の重さ」62.7%、次いで「深夜など働く時間帯の違い」54.0%、「雇用形態の違い」50.1%、「資格の有無」49.3%、「転勤できる、できない」41.9%、「成果や生産性の高さ」41.4%という結果になりました。
これに対して「職種によっては差があるのは仕方ないと思う」(40代:フリー/自営業)といったコメントもあり、単純な不満だけではなく、職種や資格、能力の違いによる賃金差であれば納得できると考える人もいるようです
公表義務付けによる変化「賃金差縮まった」と感じているのは13.7%

2022年7月から、常用雇用する労働者が301人以上の企業は、女性と男性の賃金差を公表することが法律で義務付けられた。それによってどのような変化があったかを尋ねると、「わからない」42.3%、「何も変わらない」42.1%と8割以上の人が変化を感じておらず、「女性と男性の賃金差が縮まった」と感じているのは13.7%にとどまった。
少しずつ男女での賃金格差が縮まる方向へ進んできているものの、まだまだ道半ばであることがうかがえる。女性であることが低賃金の仕事につながりやすい社会全体の仕組みを変えていかなければ、課題解決は難しいでしょう。
出典:【しゅふJOB総研】
※サムネイル画像(Image:Shutterstock.com)
記事提供元:スマホライフPLUS
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。