ゴルフ関連の対米輸出は年間50億円超! 「トランプ関税」で日本のゴルフ業界はどうなる?
25%だとぶち上げたと思えば、15%まで譲歩したと報じられるなど、情報が錯綜している感があったトランプ関税。日本経済への影響も避けられない様相とあって、ゴルフ業界にとっても他人事ではない。
そこで国内外のネットワークを活用した情報提供と支援を行っているJETRO(日本貿易振興機構)に話を聞いてみた(8月12日現在)。
「トランプ政権が発動した相互関税は、日本から米国への輸出に対し15%の関税を賦課するもので、日本で製造し日本製として対米輸出をしているクラブ、ボール、ゴルフ関連製品に対して課されます。USITC(米国国際貿易委員会)の輸入統計を調べたところ、日本からはクラブ、ボールはそれぞれ年間約500万ドル(約7.4億円)、ゴルフ関連製品は年間約3400万ドル(約50億円)を輸出しています」
「これまでは日米貿易協定の枠組みの中で、これら品目は無税で米国に輸出できていたことから、今後は15%の追加関税分によるコスト増の対応に迫られることになります。また、ゴルフメーカーでは台湾、中国、ベトナムなどで委託生産した製品を米国に輸出している業態も多いのではないかと推測します。その場合、製造国・地域によって課される相互関税率が異なるものの、これまでよりは負担が増えるという状況かと思います。日本のゴルフ業界に一定の影響があると考えられますが、企業によってサプライチェーンの組み方が異なるため、各社で影響の大小には違いがあるでしょう」
一方でどっしり構えているメーカーのトップも中にはいる。株式会社グラファイトデザインの山田拓郎社長はこう語る。
「(税率が)上にも下にもいっちゃうような状況なので何とも言えない状況です。(同社製品原料の)カーボンファイバー自体は国内の東レさんから購入していますので、愛媛工場から陸送で当社に来ます。カーボンファイバー自体の値上げ、物価高による値上げは、うちもある程度は受け入れて購入しているという状態です。それに対して関税は発生していません」
ただこの先の話で、商品をアメリカで展開していくことに関しては、やはり影響は当然あると見ているという。
ゴルフ用品販売の最前線である二木ゴルフ・上野アメ横本店の松井利憲さんは「今のところトランプ関税の影響を感じる要素はありません。むしろ『日本で震災が起きる』という風評により、台湾やタイなどのお客様が減っている方が気になります」と話す。
トランプのブレブレ発言に一喜一憂していても仕方がない。日本サイドも情報に振り回されず、まずは冷静に事の推移を見守り、対処していくしかなさそうだ。(取材・構成/日本ゴルフジャーナリスト協会会長・小川 朗)
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