男子ツアー『ロピア フジサンケイクラシック』に女子選手が出場へ 川崎志穂エントリー「競技人生の糧にしたい」
9月4日に開幕する国内男子ツアー「ロピアフジサンケイクラシック」に、女子プロゴルファーの川崎志穂が出場することが分かった。22日には川崎本人が取材に応じ、正式にエントリーしたことも明かした。
昨年まで「フジサンケイクラシック」という名称で行われていた大会は、今年、元タレント・中居正広氏の女性トラブルをめぐり主催に名を連ねるフジテレビが批判を受けたことで、一時は開催が危ぶまれる事態に。しかし、大手スーパーのロピアが特別協賛として加わることが決定し、先月15日に開催が発表されていた。大会名を「ロピア フジサンケイクラシック」に改め、例年通り富士桜カントリー倶楽部(山梨県)で行われることが決まっている。
その“心機一転”の大会に、初めて女子プロゴルファーが出場する。今回、推薦で出場する川崎は1996年5月9日生まれ、千葉県出身の29歳。2017年のプロテストに合格し、今年でプロ9年目を迎える。19年には男子の下部ツアー「i Golf Shaper Challenge in 筑紫ヶ丘」に出場した経験はあるが、レギュラーツアー出場は初めて。
川崎は「こんな私に声をかけていただいてありがたい気持ちと同時に、『どうしよう…』という不安もありました。いろいろな意見も覚悟の上で推薦を受けました」という心境を明かす。ただ「一人でも多くの方にゴルフに関心を持っていただいたり、会場に足を運んでいただけるきっかけになれば」と決断に至った。
1973年に第1回大会が行われた大会は、これまでに尾崎将司、中嶋常幸、石川遼、松山英樹ら、そうそうたるメンバーが優勝者に名を連ねている。今年53回目を迎える伝統ある舞台で、女子選手がプレーすることになる。
富士桜CCは7400ヤード超えの距離に加え、狭いフェアウェイと深いラフ、アップダウンが待ち受けるツアー屈指の難コースとしても知られる。36ホール短縮競技になった昨年は、2日間でトータルアンダーパーが21人。平均飛距離300ヤードを誇る選手も多い男子プロすら苦しめてきた。平均飛距離は260ヤード前後と、女子ゴルフ界の飛ばし屋の川崎も、それは承知のうえだ。
すでに本番を想定したティで富士桜をプレー済みで、「距離がとても長いうえ、洋芝でラフも深いので苦戦する部分ばかり。下部ツアーのときとは別の緊張感があります」と感想を話す。さらに「グリーンまで届かないホールも多く、ラフに入ったら100ヤードしか飛ばせないこともある」とも。「ひとつのマネジメントミスが大事故につながるので、割り切った判断を徹底したい」と戦略を練り、大会まで調整に励んでいく。
国内男子ツアーを統括する日本ゴルフツアー機構(JGTO)は、昨年のQTで規定をクリアした寺西飛香留(てらにし・ひかる)が、女子選手として初めてツアーメンバー入りを果たした。また今年4月に行われた新規大会「前澤杯」では寺西と、女子ツアーから菅沼菜々が出場している。
「男子プロの皆さんはファンサービスがすごいと聞いています。私も学んで持ち帰りたい。会場の雰囲気など、女子とは違うところがたくさんあると思うので、そういう部分を肌で感じられることは、楽しみな部分です」。また技術面でも「アプローチの打ち方やマネジメントの選択肢など、吸収できるものを少しでも得たい。今後の競技人生の糧にしたい」と、意欲を示した。
<ゴルフ情報ALBA Net>
記事提供元:ゴルフ情報ALBA Net
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。