全英女子で首位発進! 竹田麗央の世界で通用する“パワーフェード”はどう打っている?【プロコーチが解説】
今季最後のメジャー「AIG女子オープン」(全英)の初日、岡山絵里とともに5アンダーで首位タイ発進を決めた竹田麗央。海外メジャーで活躍する竹田のスイングを、青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める大西翔太が解説する。
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竹田選手とは、昨年のツアーで何度も同じ組でラウンドする機会がありましたので彼女のスイングは細部までよく見えてきます。
特に印象的なのは「パワーフェード一辺倒」のスタイルです。ドライバーからアイアンまで、すべての番手で基本的にボールを左に出し、そこからフェードでセンターに戻してきます。特にショートアイアンでは、ワンピン左を狙ってからのフェード。フェアウェイウッドやドライバーでは、フェアウェイの左サイドを狙い、そこからの戻し。右方向に打ち出すことはなく、すべて左を向いて、そこから曲げてきます。
体の使い方も非常に特徴的です。まずバックスイングがとても大きく、左肩とアゴがぴったりとつくほど深く入っています。胸は90度、腰は45度しっかり回しており、トップからダウンスイングに移る際には、右ヒジの角度を保ったまま下ろしてきます。そして、そこから一気に左に振り抜く。この軽いアウトサイド・イン軌道によって、理想的なフェードボールを打っているのです。
注目したいのは、地面を蹴る脚の使い方。両足でしっかり地面を蹴りながらも、頭の高さがほとんど変わりません。むしろ少し沈むように見えることもあります。力をしっかり溜めてインパクトで押し込み、ボールに力を伝えているのです。右ヒジの角度、地面の蹴り方、そして頭の高さを保つ意識。これらが、竹田選手の球の強さと安定性を支えている秘密だと思います。
■竹田麗央
たけだ・りお/2003年生まれ、熊本県出身。昨年「KKT杯バンテリンレディス」で初優勝を挙げると、勢いそのままに年間8勝。山下美夢有を抑えて年間女王に輝いた。今季から米女子ツアーを主戦場に移し、「ブルーベイLPGA」で米ツアー2勝目を挙げている。ヤマエグループHD所属。
■解説:大西翔太
おおにし・しょうた/1992年生まれ。千葉県出身。PGAティーチングプロA級を取得。2015年から青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務めて、5勝を挙げることに貢献。理論的なレッスンでアマチュアにも人気。
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