ツアー史上最短パー4で10年ぶりアルバトロスなるか? 昨年は20センチ届かず…小祝さくらも虎視眈々「チャンスが巡ってくるかも」
<大東建託・いい部屋ネットレディス 事前情報◇23日◇ザ・クイーンズヒルゴルフクラブ(福岡)◇6503ヤード・パー72>
大会期間中の天気予報は晴天続きで、予想最高気温は各日とも猛暑日の35度以上。酷暑の福岡で、暑さを吹き飛ばす納涼イーグル&バーディ祭りが開催される。昨年は川崎春花がツアー記録となるトータル28アンダーで優勝したが、65人が決勝ラウンドに進んだ3日目の平均ストロークは詳細なデータが残る1990年以降では最少の『68.6462』。大会4日間の平均でも『69.6948』という歴史に残る伸ばし合いが、今年も再現されそうだ。
その象徴的なホールとなるのが、昨年は19個のイーグルが生まれた5番パー4だ。本来の設定は360ヤードだったが、2日目からは一般営業ではレディスティとなる255ヤードにティイングエリアを固定。2日目の9イーグルは2023年「TOTOジャパンクラシック」3日目の17番パー5に並ぶ同一日同一ホールの史上最多となった。
今年は最初から256ヤードに設定されてツアー史上最も短いパー4となり、大東建託の提供で800万円のアルバトロス賞も新設された。昨年は決勝ラウンドから急きょ設けられた同賞の賞金は200万円だったが、大幅にグレードアップ。しかも、全日&達成者全員という太っ腹。これには昨年の2日目にホールインワン(=アルバトロス)まで、あと20センチだった小祝さくらも目を輝かせた。
「去年はホント、入ったと思うショットが打てた。昨日の練習ラウンドでもワンオンしたんですけど、よくあんなショットが打てたなぁと思いながらやっていました。去年、入らなかった分、今年にチャンスが巡ってくることを祈って、打ちたいです」
次戦は31日開幕の今季海外メジャー最終戦「AIG女子オープン」(全英)。渡航費、滞在費を差し引いてもビッグなお釣りがくる"神ショット"を自分自身に期待した。今季初優勝を果たした前週の「明治安田レディス」で明らかにした左手首と右手小指と薬指の付け根の痛みが完治していないのが気がかりだが、「試合中はあまり気にならないので」と弱音を吐くことはなかった。
ただ、苦手な暑さの話題になると表情は一気に曇った。この日のプロアマ大会も猛暑との戦いとなったが、「暑さがすごくて、明日からかなり過酷じゃないかな」と警戒。「熱中症とかにならないように気をつけて、まずは生きて帰って来ること。今週はヤバいです。みんな疲れも蓄積していると思うし、山場です」と真顔で話す"小祝節"に緊張感はついつい薄れてしまうが、命の危険を感じる暑さであることに異論なない。
酷暑との戦いともなる4日間。だからこそ、強烈な清涼剤となるアルバトロスで暑さを忘れたい。高校時代に一度アルバトロスの経験があるという飛ばし屋ルーキーの入谷響は「256ヤードは自分には中途半端な距離で、ドライバーで打つか3番ウッドで打つか迷います。その日の風とか条件をしっかり見極めたい。800万円、欲しいです」と虎視眈々。前週の「明治安田レディス」で初日にパー3、2日目にパー5、最終日にパー4でそれぞれイーグルを奪う離れ業を演じた仲村果乃も「狙います」と力強く宣言した。
アルバトロスが誕生すれば、2015年「NEC軽井沢72」の渡邉彩香以来、10年ぶりの快挙。1988年のツアー制度施行前も含めて、これまで国内女子では12回(11人)しか達成していない一撃はまさに暑気払い。目指せ、アルバトロスが今大会の合言葉だ。(文・臼杵孝志)
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