日本プロワーストのパー3「13」叩き 29歳に何が起こった?
<日本プロゴルフ選手権 最終日◇7日◇富士カントリー可児クラブ 志野コース(岐阜県)◇7164ヤード・パー71、7201ヤード・パー72>
プロ日本一決定戦の最終日に『+10』という驚きの数字がスコアボードに飛び込んできた。ツアー未勝利の29歳・光田智輝が前半の11番パー3で13打を叩いた。一体何が起きたのか。
中部地区の予選会を突破して出場権をつかんだ光田。今季2試合目で日本プロは初参戦だった。問題の11番。ティショットを左に曲げると、崖に落としてしまう。そこからグリーンを狙うとしたが、『動かせない障害物』のフェンスが立ち塞がった。木もスタイミーになっており、フェンスの下を通さなければ脱出不可能という悲劇的な状況だった。
そこから何度も打っては、ボールが戻っての繰り返し。結局、グリーンオンに12打を要し、1パットの13打。悪夢のパー3となった。
これには光田も「最大スコアを出したんじゃないかと気になっちゃって」と苦笑いを浮かべるしかなかった。詳細なデータが残る1985年以降のパー3における最多ストロークは、2006年の「アコムインターナショナル」で立山光広が叩いた『19』。なんとかツアーワーストは免れたが、日本プロでのパー3ワースト記録は更新となってしまった。
なお、1ホールの最多ストロークは1987年の「東海クラシック」で鈴木規夫による『42』という記録が残っているが、これはスコア誤記によるもの。立山の『19』はそれに次ぐ実質ワースト記録となっている。
岐阜県出身の光田にとって、地元大会だった。「目標にしていた日本プロだった。応援してくれた方にも恥ずかしくないゴルフを」とそこから諦めることなくプレーを続け、後半は3バーディを奪うナイスプレーも見せた。「最後の方に(13打を)打つよりは良かったかな(笑)」。
最終日は「83」でトータル10オーバー・63位に終わったが、地元ギャラリーの前で披露した後半の奮闘は次につながるはずだ。(文・齊藤啓介)
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