“約110億円”の賠償金請求は棄却へ “お騒がせ男”P・リードの訴えは支持されず「記事には真実が含まれている」
LIVゴルフで戦うパトリック・リード(米国)が、複数のゴルフ出版社、及び関係者を相手に起こした名誉毀損訴訟の棄却が、米国控訴裁判所で支持された。米国第11区控訴裁判所から発表された文書によると、連邦地裁は残りのすべての被告に対しそれぞれの名誉毀損請求を棄却した。
リードは2022年8月、テキサス州でゴルフメディア複数社に対し「名誉毀損」で提訴。9月にはフロリダ州で再提訴し、その賠償金は7500万ドルで、日本円に換算すると約110億円超えというもの。そのなかには米国でトーナメントを放映するゴルフチャンネルの出演者、デイモン・ハック氏など複数名の個人も含まれた。
しかし同年にティモシー・コリガン連邦地裁判事は訴えを却下。名誉を毀損したとされるものにはLIVゴルフに関するものもあるが、特にリードに関するものではないとされた。リードは過去にルール違反などの疑惑が報じられたため「リードが『チーター』(ズルをする選手)であると多くの人々に誤った印象を植え付け、著しくイメージを損なった」とし、「スポンサー契約などで本来得られるべき報酬が得られなかった」と賠償を求めていた。
しかし米国第11区控訴裁判所は「オーガスタ州立大のチームメイトが彼をチームから外した後、リードのコーチが彼を2試合の出場停止処分にしたなど、記事には真実が含まれている」と指摘。「イメージを損なうことになっても事実である限り、悪意の報道ではない」と説明した。
「従って、リードからの名誉棄損の請求はすべて失当であり、すべての被告に対する各名誉棄損の請求に対する連邦地裁の棄却は支持される」という“答え”を出した。さて、この結論に“不服”を申し立てることはあるのか?(文・武川玲子=米国在住)
<ゴルフ情報ALBA Net>
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