『オッドタクシー』のコンビが贈る愛の物語「ホウセンカ」、追加キャストや本予告編など公開
テレビアニメ『オッドタクシー』の木下麦(監督・キャラクターデザイン)と此元和津也(脚本)が新たにタッグを組み、ある男の愛と人生を描いたオリジナルアニメーション映画「ホウセンカ」が、10月10日(金)より新宿バルト9ほか全国で公開される。追加キャストとして安元洋貴、斉藤壮馬、村田秀亮(とろサーモン)、中山功太が発表され、メインビジュアル、本予告編、場面写真が解禁された。
安元洋貴(『⻤灯の冷徹』『弱虫ペダル』)は主人公・阿久津の兄貴分である堤を、斉藤壮馬(『ヒプノシスマイク』『ブルーロック』)は阿久津の後輩・若松を演じる。そしてM-1グランプリ2017王者のとろサーモン・村田秀亮は阿久津の子分である林田役、R-1ぐらんぷり2009王者の中山功太は同じく阿久津の子分である小⻄役を担当。メインキャストの小林薫、戶塚純貴、満島ひかり、宮崎美子、ピエール瀧と共にドラマを盛り上げる。
予告編はceroのオープニングテーマ『Moving Still Life』にのせ、阿久津の人生の軌跡を紹介。アヌシー国際アニメーション映画祭2025やロサンゼルスでのAnime EXPO 2025でも喝采を浴びた、心揺さぶる物語に注目したい。
〈追加キャストのコメント〉
安元洋貴
「不思議」、の一言では片付けられません。真剣に向き合う、愛を持つ。それ自身はシンプルなはずなのに、そこに深く絡んでいく「不思議」のエッセンス。
是非劇場でご覧ください。どのキャラが、というよりトータルでの熱を感じていただきたいです。
⻫藤壮馬
ふたたび木下監督×此元さんの世界にキャストとして関わることができ、これ以上なく幸せです。
静謐で、繊細で、それでいて深い余韻をもたらす物語。
皆さまの心にそっと沁み入ってくれることを願います。
村田秀亮(とろサーモン)
阿久津の不器用さと哀愁がゆっくりと心に染み込んでくる…
気づけば阿久津の人生が自分に転写した錯覚に陥り異様な感情でしみじみと泣けてきました。
どんな人生であれ、最後はどう或れたかだと思う。
こんなにも好きな作品の一つになれた事が本当に幸せです。
中山功太
普段アニメ作品は観ないのですが「オッドタクシー」を視聴した時、面白過ぎてひっくり返りました。
声優を務めた芸人さんに心底嫉妬しました。
ですから、この度「ホウセンカ」に関われて本当に幸せです。
駄声ですがご容赦下さい。
〈音楽を手掛けたceroのメンバーのコメント〉
髙城晶平
我々人間とは違った知性を持つ植物たちを、最近では「プランタサピエンス」と呼ぶ向きもあるらしい。僕はそのことを本で知ったのだが、森やビオトープにおける植物同士の社会づくりや相互扶助の作法には、確かに知性と呼ぶほかないような何かがあると思う。そんな興味を抱いた矢先、この映画の話が舞い込んだ。ワクワクしながらシナリオを読むと、想像とはだいぶ違う「知性」を備えたホウセンカが登場し、思わず笑ってしまった。同じサピエンスを持つ者として、いつかは友達になれるかも。
荒内佑
夏のアパートの網戶、蚊取り線香。ブラウン管テレビ。夜風に揺れるカーテン。夕方の台所、時計の針。雑居ビルの事務所、白い蛍光灯。空の⻘さ、雲の動き。ハイブリッド自動車の音。
物語を包み込む繊細な描写は、阿久津が生きた日々に寄り添い、静かに祝福しているように感じます。劇伴も同じような存在でありたいと願いながら制作しました。
橋本翼
私にとって初めての劇伴の経験となりましたが、作品の情景に導かれるような感覚で音を当てていきました。大きな機械の中の⻭車のひとつのような気持ちで手探りな部分はありましたが、完成した作品を拝見したときに点と点がつながるような思いを初めて感じさせてもらい新鮮な体験となりました。
様々な境遇にある人たちに、この作品全体や、作中のどこか一部分が響いて、何かに伝播していったら社会はどんな風になるのだろうと当てもなく想像しました。
Story
「ろくでもない一生だったな」
独房で死を迎えようとしている無期懲役囚の老人・阿久津に話しかけたのは、一輪のホウセンカだった。会話しながら阿久津は過去を振り返る。
1987年の夏、海辺の街。しがないヤクザの阿久津は、兄貴分・堤の世話により、那奈とその息子と暮らし始めた。アパートの庭にはホウセンカが咲き、縁側からは打ち上げ花火が見える。幸せな日々の中、突然大金が必要になった阿久津は、堤と共に組から3億円を強奪しようと企てる。
「退路を絶ったもんだけに、大逆転のチャンスが残されてんだよ──」
©此元和津也/ホウセンカ製作委員会
配給:ポニーキャニオン
記事提供元:キネマ旬報WEB
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