チーム名どおりのミラクルプレーも 古江彩佳&ナリン“日韓ペア”のコミュニケーション方法は?
<ダウ選手権 3日目◇28日◇ミッドランドCC(ミシガン州)◇6287ヤード・パー70>
9位で迎えた古江彩佳とアン・ナリン(韓国)ペアは、1つのボールを交互に打つオルタネート方式で1バーディ・3ボギーの「72」と落とし、トータル6アンダー・24位タイに後退した。
ともに『ハリー・ポッター』が好きなことから、チーム名は競技クィディッチにちなんだ『Hogwarts Seekers』(ホグワーツ・シーカーズ)。その名にふさわしい“魔法”のようなプレーも飛び出した。
前半5番パー4はティイングエリアが前に出て、実測232ヤードのワンオンチャレンジホール。グリーン手前には小川が流れているが、飛距離が出ない方のナリンも果敢にグリーンを狙った。すると、そのティショットが右のカート道に当たって大きく跳ね、グリーン後方にある6番ティのさらに奥へ。続く古江のアプローチも同じくカート道に当たり、それがグリーン方向に跳ね、2メートルについてバーディを記録した。
「奇跡ですね。あんなプレーは初めて」というミラクルショットに本人もビックリ。ただ、これがきょう唯一のバーディになり、後半は3ボギーを喫した。
「諦めそうになった。いいパットが何個も続いたし、惜しいプレーがいくつもあった」とグリーン上を嘆く。グリーンはベント芝と、ポコポコ跳ねるポアナ芝が混ざっていて、「ポアナが強いのか普通なのか、読みづらいところもある。でも、2人とも読み自体は悪くない。タッチがかみ合わなかった」と唇をかんだ。
ミドルパットがなかなか決まらず、「ピンに寄せられなかった」と、決めやすい短い距離を残せなかったことも悔やむ。それでも、この3日間の調子については「いいショットも多かった」とまずまず。この日の手応えを生かし、グリーン上のうっぷんを晴らすような内容で、ラスト18ホールを締めくくりたい。
ダブルス戦ならではの雰囲気も楽しんでいる。母親同士の仲がいいこともあり、ナリンとタッグ結成。日韓ペアのコミュニケーション方法は「イングリッシュ。英語が10割」。それでもナリンは中学生時代に日本語科目を受けていたこともあり、ひらがなの読み書きができるという。「日本語でしゃべっても少し分かってくれる」というが、一方で古江の韓国語レベルは「全然です(笑)」。『お疲れさまです』『ありがとう』と知っている単語は「10ワードいかないくらい」だが、機会があれば積極的に使っている。
最終日は各自がプレーしていい方のスコアを採用するフォアボール方式。同方式で行われた2日目は5連続バーディを含む「62」をたたき出した。「(2日目は)ナリンに頼り切っているところもあった。自分がしっかり伸ばしたい」。得意方式で首位との7打差を詰めていきたい。(文・笠井あかり)
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